Disaster Management News—防災の動き

中央防災会 
防災対策推進検討会議 最終報告
〜ゆるぎない日本の再構築を目指して〜

1.はじめに

東日本大震災における政府の対応を検証し、同大震災の教訓の総括を行うとともに、近い将来にも発生が懸念される首都直下地震や東海・東南海・南海地震(いわゆる「三連動地震」)等の大規模災害等に備え、防災対策の充実・強化を図ることを目的として、中央防災会議の専門調査会として、「防災対策推進検討会議」を設置し、調査審議を行ってきました。検討会議は、8人の閣僚と12名の有識者委員で構成され、平成24年7月31日の第13回会議において最終報告を取りまとめたのでその概要を紹介します。

2.最終報告の概要

(1) 災害対策に取り組む基本姿勢
  第1章では、東日本大震災を踏まえ、「災害に強くしなやかな社会」を構築するため、以下のような基本姿勢で災害対策に取り組むべきであるとしています。
  ・ 災害から国民を守り、国を守ることは政治の究極の責任である
  ・ 「国難」ともいうべき大規模災害を意識する
  ・ 「防災の主流化」を通じ、可能な限りの備えを怠らない
  ・ 災害発生時、官民が連携し資源の大量・集中投入を行う
  ・ 被災を地域社会再構築への希望に変えていく
  ・ 防災こそ我が国再生のフロンティアである
  ・ 「防災先進国日本」を世界に発信する

(2)防災政策の基本原則
  第2章では、災害対策のあらゆる分野で、被害の最小化を図る「減災」の考え方を徹底し、以下の13の基本原則の下に防災政策を推進すべきであるとしています。
  ・一つの災害が他の災害を誘発することを認識する
  ・最新の科学的知見を総動員する
  ・あらゆる行政分野について、「防災」の観点からの総点検を行う
  ・ハード・ソフトの組合せにより災害に強い国土・地域を実現する
  ・自らの命と生活を守ることができる「市民」の力と民間との「協働」に期待する
  ・災害リスクにしたたかな「市場」を構築する
  ・防災対策に関しては、「楽観」を避け、より厳しい事態を想定する
  ・災害対応に当たって、「平時」を物差しとすることは禁物である
  ・限定的な情報の下、状況を把握・想定し、適時に判断する
  ・災害対応は、「人の命を救う」ことを始めとして、すべて「時間との競争」であることを意識すべきである
  ・被災者のニーズ変化や多様性に柔軟かつ機敏に対応する
  ・被災地を以前の状態に戻すのみならず「よりよい復興」を実現する
  ・被災地の復旧・復興は、地域特性や「地域力」への配慮が大切である

(3)今後重点的に取り組むべき事項
  第3章では、「今後重点的に取り組むべき事項」を示しており、各分野にわたる提言事項を網羅しています。そのうち主なものを以下に挙げます。
1 災害から生命を守り、被災者の暮らしを支え・再生する取り組み
  ・災害応急対策の第一の目標は、人の命を救うことであり、発災当初の72時間は、人命救助及びこのための活動を最優先にして人的・物的資源を配分すべき
  ・災害から一時的に難を逃れる緊急時の避難場所と、中長期にわたって被災者が生活する場所としての避難所を明確に峻別して指定するとともに、住民に周知徹底すべき
  ・災害時要援護者名簿の作成などについて、災害対策法制に位置付けるとともに、個人情報保護法制との関係も整理すべき
2 災害発生時対応に向けた備えの強化
  ・職員の派遣・研修を含む地方公共団体との連携等による体制の充実、政府全体の防災総括部門の位置付けの明確化など、政府全体の防災総括部門の機能強化を図るとともに、政府の防災各部門の連携強化や、国・地方の人材育成・連携強化に資する防災訓練の充実強化等により、国・地方を通じた防災体制の充実を図るべき
  ・総合防災情報システムについて、本来必要とされる情報の収集・提供が行われるよう、早急に抜本的改善を図るべき
  ・複合災害の発生可能性を認識し、防災計画等を見直し、備えを充実する必要がある
  ・「緊急事態」への対応について、東日本大震災の経験や対応を踏まえ、国・都道府県・市町村の事務や権限、財政負担のあり方を検討すべき
3 災害を予防するための多面的な取り組み
  ・防災の基本理念(減災、自助・共助・公助等)を法的に位置付けるべき
  ・学校における体系的な防災教育に関する指導内容の整理、学習指導要領における位置付けの明確化等、防災教育の一層の推進を図るべき
  ・外部評価を取り入れて訓練目的の達成状況や問題点を明らかにすることにより、訓練の結果が防災体制及び対策の見直しに反映されるよう取り組むべき
4 迅速かつ円滑な復興への取り組み
  ・復興の基本的な方針の策定、関係行政機関による施策の総合調整等を行う復興本部の設置等を可能とする復興の枠組みをあらかじめ法的に用意すべき
5 国の総力を挙げた取り組み体制の確立 ・様々な主体が連携し、総力を挙げて防災に関する国民運動の展開を図る必要がある

(4)今後の防災対策の充実に向けて
  第4章では、「今後の防災対策の充実」に向けて、必要な制度の早急な改善拡充、具体的な対策の推進、実施状況を定期的・継続的に把握・点検することによる防災制度・対策の更なる改善などを提言しています。
  なお、最終報告の全文、審議の経過や会議の資料等は、左記に掲載されています。
  http://www.bousai.go.jp/chubou/suishin/kaigirep/chousakai/kihonkeikaku/index.html

野田内閣総理大臣出席のもと開催された防災対策推進検討会議の最終報告の様子

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内閣府政策統括官(防災担当)

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