日本の火山 vol.21 九重山 [大分県]

九州の屋根

大分県西部に位置する九重山は、20以上の山々が東西約15kmにかけて広がる火山群で、くじゅう連山ともいう。
九州本島で最高峰の中岳(なかだけ)(1,791m)はじめ、久住山(くじゅうさん)、大船山(たいせんざん)、三俣山(みまたやま)、星生山(ほっしょうざん)など、1,700m級の山々を有し、「九州の屋根」と呼ばれている。
約5千年前から、約千年間隔で噴火を繰り返し、約1700年前の大規模なマグマ噴火では、火砕流が火口から約4km、溶岩流は火口から約2kmまで到達した。
有史以降は、1662年、1675年、1738年などの噴火記録が残っている。近年では、1995年に星生山の北東側にある通称「硫黄山」付近で約300年ぶりの噴火があり、降灰は隣県の熊本市でも観測された。
九重山とその周辺地域は、湿原や湖沼など多様な自然の景観に恵まれ、また、随所で温泉が湧出している。九重山西部では、この火山のエネルギーを活用した地熱発電所も稼働中だ。
5月下旬から6月中旬頃、山々はミヤマキリシマのピンクの花に覆われる。この花は、九州の標高の高い火山地域に生息するツツジの一種で、国の天然記念物に指定されている。

九重山に咲くミヤマキリシマ

九重山に咲くミヤマキリシマ

九重山
活動的火山及び潜在的爆発活力を有する火山に指定されている。平成19 年12月1日に噴火予報を「噴火警戒レベル1、平常」と発表。その後、予報警報事項に変更はない(2月2日現在)。

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