Disaster Management News—防災の動き

1.17 防災未来賞 「ぼうさい甲子園」の取り組み

兵庫県では、阪神・淡路大震災の経験を通して学んだ自然の脅威や生命の尊さ、共に生きることの大切さを考える防災教育を推進し、未来に向けて安全で安心な社会つくるため、子どもや学生が学校や地域で主体的に取り組んでいる防災活動を顕彰する事業を毎日新聞社及び(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構との共催により実施しています。

8年目となる今年度は、小・中・高・大学の4部門に計92団体の応募があり、東日本大震災で被災した学校の取り組みや被災地の支援活動などの特別賞を含む、27団体が受賞。そのうち、グランプリやぼうさい大賞、優秀賞に輝いた団体など12団体が1月に神戸で開催した発表会で活動内容などを報告しました。

【グランプリ】
「意識調査で地域住民の避難促す」
徳島市津田中学校(徳島県)
史上初の2年連続グランプリとなった。平成17年度から地域と一体となった防災教育・活動を続けてきた。今年は3年生30人が夏休みを使い、海沿いの地区に住む人たちの東日本大震災後の意識を調べた。調査では、戸別訪問や街頭での聞き取りなどによって約2,000人分もの住民らの声を集め、約1カ月かけて分析した。震災直後、地区には大津波警報に伴う避難勧告が出されたが、約8割の人が避難していなかったことや避難場所の整備が進んでいないことが判明。まとめた結果は校区内に配るとともに、生徒代表が10月、市役所を訪ね、住民の要望の多かった避難場所整備を市の担当者に直接、要望した。生徒は「意識調査をしたことで、津波に対する自分たちの意識も高まった」と胸を張る。

東日本大震災後の意識調査に取り組む生徒ら

【ぼうさい大賞】
「『防災の日』の学習で震災後も命を守る」
釜石市立釜石小学校(岩手県)
東日本大震災が起きた3月11日にちなみ、7月から毎月11日を「釜小防災の日」と決めた。避難訓練や講話などを通じ、防災や命の大切さについて「一緒に考えていこう」と取り組み始めた。
平成20年度から防災教育を始めた。高台にあるため、津波の際は校外に児童がいる時の安全確保が課題として、下校途中に地震が起きたと想定した避難訓練を繰り返したり、通学路の安全マップを作った。3月11日は短縮授業で午後1時過ぎには児童は下校を始めており、184人の全校児童のうち、校内に残っていたのは6年生10人。残りは自宅や友人の家にいたり、海のそばで釣りをして遊んでいたりしたが、全員高台に避難するなどして無事だった。2学期以降、地震や津波を想定した避難訓練も実施。夏休み中は、今住んでいる場所の周辺の安全マップを作る宿題に取り組んだ。

地図を使い、自宅周辺の安全を確認する児童ら

【ぼうさい大賞】
「命つないだ平時の学び」
釜石市立釜石東中学校(岩手県)
東日本大震災の津波で校舎3階まで浸水したが、生徒は隣接の小学校児童を連れて高台へと無事に避難した。普段から ▽「自分の命を自分で守る」 ▽「助けられる人から助ける人に」なる ▽津波から逃げるための言い伝え「てんでんこ」の継承 を目標に活動してきた。非常時の的確な行動が、津波防災について学んできたことの成果として注目された。
震災後、他校に間借りして授業を受けながら、地域の高齢者を訪問、花を植えるなどの活動に取り組む。生徒らは「世界中から助けてもらった私たちができるのは、体験を広く伝えること」と各地の防災フォーラムなどに積極的に参加し、被災体験や避難について発言している。

福祉施設でお年寄りと折り紙をして交流する生徒ら

【ぼうさい大賞】
「「クイズでダンスで、多彩に防災」
愛知県立日進高等学校(愛知県)
子ども向けの防災ダンスや紙芝居を作ったり、「大震災が起きたら」という設定で映画を作ったり、木材を使って非常時にトイレとしても使えるベンチを作るなど、学校全体の取り組みとして防災に取り組んだ。東海地震で被害が想定される地域にあり、各学年が多彩な取り組みを展開した。地域と一体となった活動は年々活発化している。
日進市の市民まつりにもブースを出し、防災の取り組みを紹介するビデオを流し、ベンチを展示した。

手作りのゆるキャラ「洪水ミハルちゃん」と日進市の市民まつりに参加した。


アクセス
ぼうさい甲子園
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所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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