日本の火山 vol.15 磐梯山 [福島県]

郷土のシンボル「会津富士」

 「会津磐梯山は宝の山よ」と民謡にも歌われる磐梯山は、標高1819m、福島県猪苗代湖の北に位置する活火山である。
南麓の表磐梯の穏やかな山の姿は、北麓の裏磐梯では一変。噴火による山体崩壊で生じた荒々しい山肌をみせる。
 1888年の噴火では、水蒸気爆発で発生した岩屑なだれによって北麓の村落が埋没し、死者477名を出す大災害となった。この噴火は、近代日本を襲った最初の大規模自然災害といわれる。観測体制がない当時は予知情報もなかった。そのため一週間程前から続いていた震動や遠雷のような音が噴火の前兆とは認識されず、予め避難することなく多くの住民が犠牲となった。
 この時、火口にあった長さ8.2m、高さ3mあまりの岩の巨塊が火山性泥流によって約5㎞離れた場所まで流された。この岩は「見み祢ねの大石」と呼ばれ、火山性泥流が遠距離まで巨石を運ぶ事実を示す学術的にも貴重なものとされている。一方、桧原湖や五色沼等、裏磐梯の景勝地として知られる数々の湖沼がこの噴火によって誕生している。

磐梯山と桧原湖(裏磐梯 野鳥の森展望台から)

磐梯山
活動的火山及び潜在的爆発活力を有する火山に指定されている。平成21 年3 月31 日に噴火警戒レベル1・平常と発表後、予報警報事項に変更はない(9 月23 日現在)。

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