日本の火山 vol.17 箱根山 [神奈川県・静岡県]

箱根の山は「天下の嶮(けん)」

 箱根山は、神奈川県と静岡県の県境に位置する。外輪山、東西約8km、南北約12kmの大規模なカルデラ、そして主峰の神山(かみやま)(1,438m)や駒ケ岳(こまがたけ)(1,327m)などの中央火口丘群から成る。
 およそ50万年前頃から活動をはじめたといわれる。有史以降、マグマ噴火の記録はないが、火山性の群発地震がこれまでしばしば発生している。
 今から約3000年前の神山の最後の噴火では、現在の大涌谷(おおわくだに)近くで起きた水蒸気爆発で、山体の北西部が崩壊。これにより発生した岩屑(がんせつ)なだれ堆積物が現在の仙石原(せんごくはら)付近に広がり、堰き止められた水によって芦ノ湖(あしのこ)が形成された。
 江戸時代の浮世絵木版画「東海道五十三次『箱根宿』」には、芦ノ湖を背景に高くそびえ立つ山が描かれ、また、明治時代の中学唱歌『箱根八里』の中でも「天下の嶮」と、その険しさが歌われる。箱根山は古くから交通の難所であった。
 現在、正月の風物詩となっている「箱根駅伝」(東京箱根間往復大学駅伝競走)では、その急峻な箱根の山越えがひとつの見せ場となっている。

芦ノ湖越しにみる駒ケ岳と神山
箱根山
平成21年3月31日に噴火警戒レベル1・平常と発表後、予報警報事項に変更はない(1月13日現在)。

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