Topics  防災フェア2009 in はままつ

TOPICS 3 第5回全国防災まちづくりフォーラム

 8月23日(日)、防災フェア2009in はままつの会場、アクトシティ浜松コングレスセンターで、第5回全国防災まちづくりフォーラムが開催されました。全国各地の防災まちづくりを行っている団体が集まり、その活動を紹介して交流する催しです。
活動発表会
 活動発表会では、浜松市内で活動する5団体、静岡県内外で活動する5団体が活動を発表しました。
 浜松市の泉自主防災隊・和合町自主防災隊は、「避難所運営組織づくり」「避難所生活」がテーマの本格的な防災訓練の取組を発表しました。
 名古屋市の伊勢湾台風物語バリアフリー上映委員会は、昭和34年の伊勢湾台風のアニメ映画を視聴覚障害者の方にも見聞きできるようにする取組を行い、情報のバリアフリー化の重要性を訴えかけました。
 浜松市の可美地区社会福祉協議会は、「ふれあいサマーフェスタ」「ふれあい昼食会」を開催し、自治会や地域の団体とともに地域の防災意識を高める活動を発表しました。
 湖西市災害ボランティアは、湖西市では災害ボランティアコーディネーターの存在が知られていないため、コーディネーター養成講座などを開催し、災害に対応する技術を持つ人を増やす活動について発表しました。
 浜松市のNPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴは、女性と子どもの視点を取り入れた防災ワークショップについての取組を発表しました(詳細は8頁参照)。
 愛知県豊川市の豊川防災ボランティアコーディネーターの会は、コーディネーター養成講座関連事業の取組を発表しました。救護訓練時にリアル感を演出するため、傷病者に「トラウマ・メイク」をしたトリアージ訓練が特徴的です。
 愛知県豊橋市の豊橋防災ボランティアコーディネーターの会では、コーディネーター養成協力や、大型紙芝居などを使う防災啓発活動、東海地震に備えた防災マップづくり支援などの取組を発表しました。
 浜松市の浜北ボランティア連絡協議会は、「経験を伝えつなげる」「地元・地域が主体となる」「得意なこと、暮しを守る」をキーワードに、災害ボランティアセミナーなどのセミナー活動などを発表しました。
 浜松市北区災害ボランティアコーディネーター連絡会では、「防災すごろく」など、学校教育で子どもたちと遊びながら防災意識を高める取組や、災害時のボランティアセンターの運営訓練について発表しました。
 磐田市の南御厨地区自治会では日系ブラジル人などの外国人と共同の防災訓練についての取組を発表しました(詳細は8頁参照)。
 最後に、第3回全国防災まちづくりフォーラム「審査特別賞」受賞団体の京都市の清水寺警備団が、最近の「耐震型防火水槽」や周辺地域との連携について報告しました。

泉自主防災隊・和合町自主防災隊の発表

基調講演
 甲南女子大学名誉教授の奥田和子さんにより、「災害・新型インフルエンザに備える『食』の知恵.家庭・対応現場.」として、講演が行われました。
 奥田さんは、平成7年の阪神・淡路大震災で、避難所などの食生活を調査した実績があり、野菜不足をどう補うかなどの栄養の問題について、家庭内などの備蓄の重要性と栄養面からの備蓄食料の見直しの必要性を提言しました。

奥田和子教授の基調講演

表彰式
 活動発表会で発表した団体のうち九団体の防災まちづくり活動に対して、審査と表彰式が行われました。
 応用賞は南御厨地区自治会、発案賞は浜松市北区災害ボランティアコーディネーター連絡会、表現賞は豊橋防災ボランティアコーディネーターの会に贈られました。また、会場の投票による最多得票賞は、泉自主防災隊・和合町自主防災隊でした。
 そして、感謝賞は、伊勢湾台風物語バリアフリー上映実行委員会、可美地区社会福祉協議会、豊川防災ボランティアコーディネーターの会、浜北ボランティア連絡協議会の4団体、最優秀賞は浜松市のNPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴに贈られました。
 審査員長の中林教授は、今回の発表で、「防災を楽しむ」、つまり、楽しんで防災に取組むことで人々が集まり、アイデアがわき、継続も可能になること、「日常から防災を考える」、日常のつながりがいざというときに役立つこと、さらに「被害をいかに減らすかが基本」だと感じたと講評されました。そして、「発表した方々が自身の安全を確保し活動を続ければ、災害を乗り越えられる、その力を確信した」と結びました。

審査員●中林一樹(首都大学東京教授、審査委員長)、鵜飼愛子(サイボコ浜松代表)、浦野愛(NPO法人レスキュートックヤード常務理事)、児玉道子(わがやネット代表)、田尻直人(内閣府参事官)、根本敏行(静岡文化芸術大学教授)、藤井俊公(Webマガジン「まち・ひと中央」発行人)、丸谷浩明(財団法人建設経済研究所研究理事)、宮崎稔(浜松市生活文化部防災対策課長)

講評を述べる中林一樹教授

トークセッション
 「イツモ“の防災.隣の人と挨拶している日常.」をテーマにトークセッションが行われました。コーディネーターは大阪大学大学院人間科学研究科准教授の渥美公秀さん。コメンテーターは毎日放送ラジオ局記者で番組プロデューサーの大牟田智佐子さん。各出演者が、それぞれの活動を紹介し、イツモの防災、まちづくりについて話しました。
 NPO法人まちづくり考房SHIMIZU理事の野口直秀さんは、静岡県清水市の商店街で、エコマネーや隣人祭りを通したつながりづくりを行っています。このような新しいシステムがこれからの場作りに役立つのではないか、また、スローテンポで地域の商店街をコミュティの場にしたいという考えを述べました。
 NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ理事長の原田博子さんは、女性と子どもの視点で防災を考えたワークショップ、ホームページによる情報交流を行っています。ITによる活動も、いろいろな人々とつながるのに役立つこと、そして自助を親の立場から考えていくことについて話しました。
 さいたま市三橋コミュニティ役員の清水恒男さんは、このコミュニティは、母子餓死事件がきっかけで活動が始まり、合同防災訓練の開催を契機に防災の意識が一気に高まったこと、一つの活動から輪が広がること、祭りなどの開催を通じて、地域団体のネットワークの連携が深まることについて発言しました。
 大牟田さんは、「防災」と構えないことがいい。また、ここに行くと誰かに会うとか、場があることで人のつながりができる。地域での活動が、自然と防災にも生かせますとコメントしました。
 渥美さんは、日常生活のひとつひとつについて、防災の視点ではどう見えるか考えることなど、日常生活に防災を近づけることが重要である。そのためには、エコマネーや祭りなど、さまざまなツールを工夫して利用することで活動が活性化されていくのではないかとまとめました。

相互交流の時間
 閉会のあいさつの後、発表団体等の相互交流の時間が持たれました。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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