Disaster Management NEWS— 防災の動き

「アジア防災会議2010 〜伝える、備える〜」「国際復興フォーラム2010〜しなやかな復興から持続的発展へ〜」
兵庫県神戸市で開催

 1月17日〜19日、兵庫県神戸市で「アジア防災会議2010 〜伝える、備える〜」と、プレイベントとして、1月16日に「国際復興フォーラム2010 〜しなやかな復興から持続的発展へ〜」が開催されました。

アジア防災会議2010〜伝える、備える〜

 阪神・淡路大震災からちょうど15年目の節目を迎えた2010年1月17日から19日までの3日間、被災地である兵庫県神戸市において、「アジア防災会議2010〜伝える、備える〜」が、日本政府、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)およびアジア防災センター(ADRC)の共催により開催されました。このアジア防災会議2010には、アジア防災センターのメンバー国をはじめとする28カ国や、53の国際・地域機関、非政府組織、学術研究機関、民間機関、市民グループなどから合わせて238人が参加しました。
 アジア防災会議2010は、ADRCメンバー各国や国際・地域機関の防災政策立案者や実務者が一堂に会し、2005年に兵庫県神戸市で開催された国連防災世界会議で採択された、国際社会における今後10年間の防災活動の指針となる「兵庫行動枠組2005—2015(HFA)」の進捗状況や達成度についてレビューを行い、今後のさらなる推進に向けて議論するとともに、防災全般に関する各国の優良取組事例や今後の課題などに関する情報を共有し、アジア地域内の防災分野での協力を進めることを目的として開催されました。
 会議の初日は、まず、開会式に先立ち、本年1月12日に発生したハイチ大地震の犠牲となられた方々に対し、参加者全員による黙祷が行われました。
 開会式では、まず、国際協力機構(JICA)の大島賢三副理事長が、世界的な気候変動による影響を考慮しながら国際防災協力を推進していくことの重要性を強調し、次に、アジア防災センターの伊藤滋センター長から、この会議への期待が述べられました。続いて、マルガレータ・ワルストロム国連事務次長補(防災担当)兼兵庫行動枠組実施のための事務総長特別代表が「兵庫行動枠組の実施5年--中間レビュー」と題する基調講演を行い、開発にあたっての防災への配慮の重要性を強調するとともに、すべての参加者に対し兵庫行動枠組の目標達成に向けてさらなる取組の推進を呼びかけました。
 最後に、中井洽内閣府特命担当大臣(防災担当)が、災害被害を考慮した安全な国づくり、地域づくりを進めることが各国共通の大きな課題であり、この認識のもとたゆまぬ努力が必要であることを訴えました。
 その後、パブリックフォーラム「宇宙技術の防災への利用」が開催され、防災分野における衛星技術等のなお一層の利用を促進するために、その利用の有効性の啓発および関連職員を対象とした研修、人材育成等の事業の充実を図っていくことなどが話し合われました。
 会議の2日目、および最終日は、「最近発生した災害の経験から学ぶ」「アジア諸国の防災政策レビュー」「サブ・リージョナルにおける防災協力推進」という3つのテーマで発表と意見交換が行われ、気候変動に関連した自然災害リスクや都市での災害リスクへの対応、災害の経験や教訓の次世代への承継、地方やコミュニティのレベルでの防災力強化の推進、防災活動の組織化をさらに促進し地域やサブリージョンでの協力体制の整備などが、今後の課題として取り上げられ、引き続き検討していくこととされました。
 会議の閉会にあたり、今回の会議の議論について取りまとめた会議サマリー案が発表され、内閣府の田尻直人参事官(災害予防担当)らが閉会挨拶を行って、3日間にわたる会議は、成功裡に幕を閉じました。
 我が国としては、これからも、アジア防災センターと連携して、日本が過去の幾多の災害経験から培った防災に関する知識や技術を活用して、アジア各国・地域の防災力向上に向けた取組を積極的に支援していくこととしています。

アジア防災会議の参加者たち。前列左から8 番目が中井大臣

アジア防災会議の開会挨拶をする中井大臣

国際復興フォーラム2010〜しなやかな復興から持続的発展へ〜

 アジア防災会議2010のプレイベントとして、会議前日の1月16日、兵庫県神戸市で「国際復興フォーラム2010〜しなやかな復興から持続的発展へ〜」が、内閣府、国際復興支援プラットフォーム(IRP)事務局、兵庫県、ADRC、UNISDRほか国際関係機関などの共催で開催されました。
 このフォーラムは、復興過程において地域が直面する今日的な課題の解決とともに、将来にわたる地域の持続的発展の実現に向けた方策について議論するために開催されたもので、36カ国、16の国際機関から計180名の参加がありました。
 フォーラムは、サロージ・ジャー世界銀行防災グローバル・ファシリティ事務局長の開会挨拶に続き、井戸敏三兵庫県知事が「阪神・淡路大震災からの15年」と題する発表を行いました。その後、イタリア・ラクイラ地震と中国・四川大地震といった最近の災害からの復興状況報告や、インド・グジャラート地震、イラン・バム地震、インドネシア・ジャワ中部地震からの中長期的復興の活動報告、「今日的なリスク削減と将来的にわたる持続的発展」をテーマとしたパネルディスカッションなどが行われました。
 これらの報告や議論を通じ、さまざまな復興過程における教訓や課題をふまえた総合的な復興計画の必要性や、復興過程から持続的発展への統合的な政策展開の重要性などが強調されました。また、被災国政府による復興活動の記録化の推進も提言されました。
 最後に、内閣府の大森雅夫政策統括官(防災担当)が主催者を代表して閉会挨拶を行い、しなやかな復興を成し遂げるうえでの制度的整備の重要性などを訴え、フォーラムは成功裏に終了しました。

国際復興フォーラム

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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