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自然災害の「犠牲者ゼロ」を目指す

中央防災会議に泉防災担当大臣が「総合プラン」を報告

第22回中央防災会議を開催

平成20年4月23日、総理官邸において、中央防災会議が開催されました(https://www.bousai.go.jp//kaigirep/chuobou/22/index.html)。

議事については、まず、「平成二十年度総合防災訓練大綱」が決定されました。「総合防災訓練大綱」は、国等の防災関係機関が防災訓練を実施する際の指針を示し、より多くの国民が防災に関する意識を高めることができるよう、その基本的な考え方を示すものであり、毎年、この時期の中央防災会議において決定しています。

今年度の総合防災訓練大綱では、毎年9月1日に行っている総理官邸での政府本部運営訓練について、初めて東南海・南海地震を想定した初動対応訓練を実施することとし、来年1月の政府総合図上訓練については、首都直下地震を想定し、6月下旬に竣工予定の有明の丘基幹的広域防災拠点施設を使用して、緊急災害現地対策本部の訓練を実施することとしています。

次に、報告事項として、「噴火時等の避難に係る火山防災体制の指針」が事務局より説明された後、泉防災担当大臣より「自然災害の「犠牲者ゼロ」を目指すための総合プラン」について説明がありました。

その際、秋本委員(日本消防協会理事長)より、「「犠牲者ゼロ」をめざす連携プランの中で、「地域」ということに着目しているのは重要なポイントであり、消防団員の確保に努めているので、各方面でも支援してもらいたい」などの発言がありました。

また、重川委員(富士常葉大学大学院教授)からは、「気候変動への対応を検討していくことは重要であり、関係省庁で連携して戦略的に検討する場を設けてはどうか」などの発言がありました。

さらに、町村官房長官からは、「学校の耐震化もさることながら、病院の耐震化についてスピードアップを図る必要がある」などの発言がありました。

最後に、福田内閣総理大臣から、次のとおり発言がありました。

中央防災会議における内閣総理大臣発言

平成20年4月23日

  1. 自然的条件から災害が発生しやすい我が国では、避けられるはずの犠牲者を少しでも減らすとともに、被害自体をできるだけ生じさせない防災基盤をつくることが大切です。このような考え方に立って、本日、「自然災害の『犠牲者ゼロ』を目指すための総合プラン」を策定し、あらためて政府の基本的な考え方と施策の方向を整理したことは大変意義深いと考えます。
  2. 政府としては、このプランに基づき、行政による「公助」に加えて、国民に「自助」や「共助」を進めてもらうための施策に取り組むとともに、大規模地震の脅威や気候変動への対応にも配意しつつ、防災基盤の整備を進めることとします。
  3. また、本日決定した今年度の総合防災訓練大綱に沿って、実戦的な防災訓練を実施し、国民の防災意識の向上に努めていただきたいと思います。

中央防災会議の様子

自然災害の「犠牲者ゼロ」を目指す取組とは?

昨年秋の臨時国会の所信表明演説において、福田総理が「災害が発生した場合の「犠牲者ゼロ」を目指し、対策の充実に意を用いて」いくとの考えを示したことを受け、泉防災担当大臣が中心となり、自然災害の「犠牲者ゼロ」を目指す取組を進めてきました。昨年12月には、「早急に取り組むべき施策」を取りまとめ、今般、泉大臣が中央防災会議に「総合プラン」を報告しました。

「早急に取り組むべき施策」の取りまとめ(平成19年12月)

過去十年の自然災害の犠牲者の要因を分類・整理したところ、「台風や大雨の際の外出時の事故」や「豪雪時における除雪中の事故」といった身近な災害により相当数の犠牲者が出ていることがわかりました。こうした国民一人ひとりが実際に直面する可能性の高い6つの典型的な被災事例について、「何ができていれば犠牲が避けられたのか」という視点に基づき、必要な対策を「早急に取り組むべき施策」として取りまとめました(詳細は、https://www.bousai.go.jp./pdf/071218kisya.pdf(PDF形式)(PDF形式:179.3KB)別ウインドウで開きます)。

中央防災会議に報告された「総合プラン」の概要

この度中央防災会議に報告された「総合プラン」は、「国民の命を守る」という観点で災害対策を進めていくにあたっての基本的な考え方と施策の方向を明らかにするとともに、「早急に取り組むべき施策」を含めた各省庁の具体的な施策を災害の類型ごとに整理しています(詳細は、https://www.bousai.go.jp/chubou /22/shiryo4-1.pdf 及びhttps://www.bousai.go.jp/chubou/22/shiryo4-2.pdf)。

「総合プラン」の第I部では、ソフト・ハード両面について、それぞれの基本的な考え方と施策の方向を示しており、そのポイントは次の3つ(1〜3)です。

  1. 4つの「連携プラン」の推進と国民運動の戦略的展開
    4つの「連携プラン」の推進と国民運動の戦略的展開が相まって、国民自ら災害への備えの必要性を認識し、行動できる環境整備を促進していきます。
    I-1:4つの「連携プラン」の推進と国民運動の戦略的展開
  2. 地震の脅威への対応
    「国民の命を守る」観点から、地震への対応でまずもって有効なのは、住宅・建築物や公共施設等の耐震化です。今般、各分野における耐震化の今後の目標と現時点での進捗状況を表にまとめ、今後、内閣府が進捗状況のフォローアップを行い、中央防災会議へ報告することにしました。
    I-2-(1):「いつでも・どこでも」発生しうる地震の脅威への対応
  3. 気候変動への対応
    地球の気候システムに温暖化が起きていることはほぼ確実と言われている中で、豪雨や台風の強度の一層の増大、海面水位の上昇などにより、災害対策についても、過去の統計や経験が通用しない事態が生じることも想定されています。欧州における取組例も踏まえ、我が国でも、施設能力を超える外力に対する土地利用のあり方や危機管理対応の適応策を関係省庁が連携して検討していく必要があります。
    I-2-(2):気候変動への対応を踏まえた災害対策の必要性

 以上の3点を含め、「総合プラン」で示した基本的な考え方や施策の方向は、毎年夏に決定する「防災対策の重点」に反映し、本プランの着実な推進を図っていくこととしています。

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