シリーズ 一日前プロジェクト(第2回)

もし、1日前に戻れたら…
私たち(被災者)から皆さんに伝えたいこと

地震、津波、風水害……様々な災害を実際に体験した方に、「もし、一日前に戻れたら何をしますか?」と訊ねたのが、「一日前プロジェクト」。実体験に基づく被災者の声は、私たちにいろいろなことを教えてくれます。今月のテーマは『水害』です。

こんなにも多かった地域のお年寄り(長岡市 40代 男性)

 消防団では、今度、避難準備情報※が出たときに伝える仕組みづくりとして、お年寄り世帯を特定して、色分けをして、この世帯はお年寄りだけとか、昼間はうちの人が勤めに出ていて夜だけいるとかがわかるマップを作りました。
 担当エリアは大体近所なので、どの家が昼間は年寄りだけなのかみんな把握していますが、色づけしてみると、ほとんど全部がそうなります。だから、今いる消防団員が11人で、大体最低で5人、6人は出てくるけれど、やっぱり自治会と連携していかなかったら、全部の家に声をかけて回るのは無理だと思います。
 自治会のほうでも、援護が必要な方に声をかけるといった防災訓練を2年続けてやっていますが、自治会の班長さんだけが回ってそれでおわりなんです。班長さんだけだと、避難してくださいと言っても、ジィーチャン、バァーチャンは出てこないんですよ。やっぱり、民生委員※や消防団、班長さん、自治会長が一緒にやらないとだめだと思います。

こんなにも多かった地域のお年寄り

あきれるほど危機感なく(三条市 40代 女性)

 私の家は、実際に堤防が切れたのとは反対側にありました。ここはいつも「危ない」と言われていたところなので、早いうちに避難勧告が出ました。で、子どもたちと避難場所の商業高校に行ったんです。友達からはメールで、「頑張ってね」と。避難所にはいろんな人が来て、何だかんだ言っていたら、向こう側の友達から「うちのほうが大変。水が上がってきた!」というメール。しばらくして、川の向こう側が切れたと聞きました。
 私たちは避難所で一晩寝ずに過ごしたですが、近くの踏切がずっとカンカンカンカン鳴っていたし、ヘリコプターの音と救急車やパトカーの音が入り交じって、ものすごかったんですよ。その音は、いまだに自分の中に不気味な感じで残っています。
「どうしよう、どうしよう」という友達からのメールを読みながらも、ほんとに今思うと、これほどかと思うぐらい危機感はなかったですね。今まで経験したこともないので、まさか「自分のこと」なんていうイメージがなかったのです。職場のほうは水没しましたが、幸い、家も車も全部助かったので、反対に、被害にあったひとたちに対して申しわけないような気持ちなんです。

あきれるほど危機感なく

早かったですよ、水がきてからは(三条市 40代 女性)

 テレビで、あの辺の川がはんらんしそうですとか、三条市は大雨で大変ですみたいのを見ていたんだけど、うちのところに水が来るなんてことは、全然想像できませんでした。主人もお昼頃、うちに戻ってくるわけですよ、車に乗って。タイヤがかぶるくらいの水の中を、「職場の人が、何かあるといけないからと、お茶のペットボトルとカップラーメンくれたぞ」とか言って帰って来て、車を車庫にきっちり入れました。
 で、「やあね、こんな雨」とか言いながら過ごしていて、家族全員がうちにいたわけですよ。家はちょっと道路よりも上にあるので、玄関にもし水が来たら嫌だからと言って、子供の野球用品とか大事なやつを玄関の上に上げただけでした。
 それが午後2時ごろで、ワーッと水が来たのが午後3時か3時半ごろでした。うちの中に水が入って来たんです。早かったですよ、水が来てからは。1時間くらいで1階がすべて水につかってしまいました。

早かったですよ、水がきてからは

http://www.bousai.go.jp/km/imp/

被災者の実体験を聞くことができる『一日前プロジェクト』は左記HPでも見ることができます。家庭はもちろん、地域や職場など、さまざまな話が掲載されていますので、企業の「社内報」や地域での「広報」に幅広く活用してください。

※避難準備情報とは、避難に時間がかかる「災害時要援護者」(高齢者や障害者ら避難に時間のかかる人たち)のために、通常の避難勧告(避難行動を開始すべき段階)や避難指示(生命への危機が迫っている段階)に先だって発令し、いち早く安全な場所に逃げてもらうための情報です。

※民生委員とは、社会奉仕の精神を持ち、常に住民の立場になって相談に応じるなど、社会福祉の増進に努めることを任務として、市町村の区域に配置されている民間の人です。また、民生委員は児童委員を兼ねています。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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