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11 津波対策の推進

(1)津波の発生状況と津波災害の状況

 我が国は地震多発国であり、太平洋岸を中心に多くの津波が発生しています。
 関東大震災以後、津波により大きな被害を生じたものとして、三陸地震(昭和8年)、東南海地震(昭和19年)、南海地震(昭和21年)、チリ地震(昭和35年)、日本海中部地震(昭和58年)、北海道南西沖地震(平成5年)があげられます。例えば、三陸地震津波では死者3,000人、チリ地震津波では死者119人・行方不明者20人、日本海中部地震の津波では死者100人、北海道南西沖地震の津波では死者230人の被害が発生しました。

(2)津波対策

 わが国の沿岸地域は、全て、津波に襲われる可能性があるといっても過言ではありません。したがって、日頃から十分な津波対策が必要です。ほぼ年間を通じて海を楽しむ時代となっている今日においては、全ての国民に津波に対する啓蒙を十分図っていく必要があります。

a 津波予報の発表と伝達の迅速化

 気象庁は近海の地震について、地震を観測してから2〜3分程度で、津波の有無及びその規模を判定して、津波予報を発表します。津波予報は、ただちに防災関係機関、報道機関や地方気象台等を通じて住民、船舶などに伝えられます。

b 海岸堤防等の整備

 沿岸地域の住家等を津波から守る施設として、海岸堤防(防潮堤)、防潮水門、湾口防波堤等があります。これらの整備は、海岸保全施設整備事業として実施されています。

c 津波警戒の徹底

 日本海中部地震を契機として、対策の一層の充実を図るため、昭和58年6月、総理府、警察庁、国土庁、海上保安庁、気象庁、郵政省、消防庁の7省庁により、「津波警報関係省庁連絡会議」が設置され、同年7月15日「沿岸地城における津波警戒の徹底について」申し合わせを行いました。さらに、北海道南西沖地震の経験及び技術の進展等を踏まえ、平成5年11月24日津波警報関係省庁連絡会議において「沿岸地城における津波警戒の徹底について」申し合わせを行い、津波警戒の徹底に努めています。

d.津波対策強化のための手引書

 現在の技術水準では、津波がいつどこで発生するか予測することは困難でり、地域特性によって被害の形態等が異なるため、津波防災対策の検討は極めて難しいというのが実状です。
 総合的な観点から津波防災対策を検討し、津波対策の強化を進めるための参考として、国土庁、農林水産省、水産庁、運輸省、気象庁、建設省、消防庁が共同して津波防災対策の基本的な考え方や津波に係る防災計画の基本方針並びに策定手順等についての提言をまとめて「地域防災計画における津波対策強化の手引き」を作成し、地方公共団体へ配布しました。また、この手引書の別冊として、津波浸水予測図を作成するための手法を示した「津波災害予測マニュアル」も作成しました。

津波浸水予測図の例

■津波予報の種類、解説、発表される津波の高さ(1999年4月より)

予報の種類 解説 発表される津波の高さ
津波警報 大津波 高いところで3m程度以上の津波が予想されますので、厳重に警戒してください。 「3m」、「4m」、「6m」、「8m」、「10m以上」
津波 高いところで2m程度の津波が予想されますので、警戒してください。 「1m」、「2m」
津波注意報 津波注意 高いところで0.5m程度の津波が予想されますので、注意してください。 「0.5m」

津波対策のための緊急情報基盤の整備



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