第5章 令和4年12月17日及び22日からの大雪等による災害
(1)概要
令和4年12月17日から19日にかけて、日本の上空に強い寒気が流れ込み、日本付近は強い冬型の気圧配置となった。北日本から西日本の日本海側では、福島県や山形県、新潟県を中心に大雪となった。福島県や山形県では19日にかけての24時間降雪量が100センチを超えて、昨冬までの1位の値を超えたところがあった。また、発達した雪雲が流れ込んだ福島県や新潟県では一時的に降雪が強まったため、気象庁は、福島県、新潟県を対象に「顕著な大雪に関する気象情報」を発表し一層の警戒を呼びかけた。このほか、四国地方や九州では山地を中心に大雪となったほか、平野部でも降雪や積雪となった。さらに沖縄地方や九州南部、北日本では風速20メートル以上の非常に強い風を観測した。
また、12月22日から24日にかけて、日本の上空には強い寒気が流れ込み、日本付近は26日にかけて強い冬型の気圧配置となった。北日本から西日本の日本海側では広い範囲で大雪となり、北日本や東日本では降雪の強まったところがあった。また、普段比較的雪の少ない北海道オホーツク海側や西日本太平洋側、東海地方の平地でも大雪となった。さらに、全国的に風が強まり、西日本から北日本にかけての広い範囲で風速20メートル以上の非常に強い風を観測した。
(2)被害状況
令和4年12月17日からの大雪においては、除雪作業中の事故等が発生し、死者は12名(北海道、青森県、秋田県、山形県、新潟県及び石川県)、重傷者は32名、軽傷者は54名となった。住家被害は、一部破損が7棟となった(消防庁情報、令和5年1月13日現在)。また、東北電力管内で最大23,620戸の停電が発生した。特に、新潟県佐渡市においては、送電線の着雪等により、断続的に停電が発生した(18日から27日)。このほか、北日本から西日本にかけて道路の通行止め、鉄道の運休、航空機・船舶の欠航等の交通障害が発生した。特に新潟県では国道8号(新潟県柏崎市)及び国道8・17号(新潟県見附市~長岡市)において、車両のスタック等を契機に断続的に車両滞留が発生した。
令和4年12月22日からの大雪等においては、除雪作業中の事故等が発生し、死者は11名(北海道、秋田県、山形県、石川県、広島県及び愛媛県)、重傷者は22名、軽傷者は34名となった。住家被害は、一部破損が27棟となった(消防庁情報、令和5年1月13日現在)。また、12月22日からの大雪に伴って送電鉄塔倒壊が発生したこと等により、北海道紋別市を中心に、北海道電力管内で約26,900戸等が停電するなど、ライフラインへの被害のほか、北日本から西日本にかけて道路の通行止め、鉄道の運休、航空機・船舶の欠航等の交通障害が発生した。
(3)政府の対応
政府は、令和4年12月17日からの大雪において、令和4年12月1日に官邸において設置されていた情報連絡室により引き続き対応した。また、大雪による交通障害等により、「災害救助法」については、新潟県の4市に適用された。
令和4年12月22日からの大雪において、令和4年12月21日15時30分に官邸に情報連絡室を設置し、関係省庁災害警戒会議を開催した(23日までに計2回開催)。また、12月22日18時25分から12月22日からの大雪に関する関係閣僚会議を開催した。さらに、大雪等による長期停電の発生により、「災害救助法」については、北海道及び新潟県の12市町に適用された。
(首相官邸ホームページより引用)