第3章 国土保全
1 治水事業
国土交通省においては、令和4年8月の大雨等による被害や気候変動の影響を踏まえ、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」も活用し、堤防・遊水地・ダム等の整備に加え、特定都市河川の指定拡大、内水対策、避難対策の強化等、ハード・ソフトの取組の強化とともに、計画的・効率的なインフラの老朽化対策、防災・減災対策を強力に進めるDX、カーボンニュートラルの推進に資するGX、水辺空間の良好な環境の創出等による地域活性化の取組を総合的に推進する。
- 流域治水の本格的実践「継続と深化」
- インフラ老朽化対策等による持続可能なインフラメンテナンスサイクルの実現
- 防災・減災対策を飛躍的に高度化・効率化するDXの推進
- 令和5年度予算額
- 851,796百万円の内数
※この他に防災・安全交付金の内数及びデジタル庁一括計上分 - 令和4年度予算額
- 848,413百万円の内数
※この他に防災・安全交付金の内数及びデジタル庁一括計上分
(1)流域治水の本格的実践「継続と深化」
(再掲 第2章 4-3(9))
気候変動による水災害の頻発化・激甚化に対応するため、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」を推進し、ハード・ソフト一体の事前防災対策を加速するとともに、水災害リスクを踏まえ特定都市河川の指定を拡大し、流域一体となった取組を実施する。
(2)インフラ老朽化対策等による持続可能なインフラメンテナンスサイクルの実現
予防保全によるライフサイクルコストの縮減・平準化を図るため、長寿命化計画に基づく定期点検等により確認された修繕・更新が必要な施設への対策を加速するとともに、新技術の積極的な活用等により効率的かつ持続可能なメンテナンスサイクルを実現する。
(3)防災・減災対策を飛躍的に高度化・効率化するDXの推進
3日程度先の水位予測情報の提供等による洪水予測の高度化などの情報分野での流域治水の取組を加速するとともに、デジタル技術の活用・新技術の導入等による施設の整備・管理や、流域情報等のオープンデータの拡充、サイバー空間上の実証実験基盤の整備等、イノベーションを促進する取組を推進する。