令和5年版 防災白書|第2部 第2章 7 火災対策


7 火災対策

(1)火災に関する研究

消防庁においては、次の研究を行った。

  • 市街地火災による被害を抑制するための研究開発

首都直下地震のような地震直後の市街地同時多発火災や、糸魚川市大規模火災のような平常時の市街地火災による被害拡大を抑えるために、火災件数と死傷者数や焼損棟数などの予測・可視化ツール、火災延焼シミュレーションに基づく消防力・消防水利の評価手法、飛び火の防御方法、火災旋風の発生予測方法の研究開発を行った。

(令和3年度決算額 58百万円)

  • 消火活動困難な火災に対応するための消火手法の研究開発

大規模倉庫等の火災など消火活動が極めて困難な火災を消火するために、大規模倉庫等の建物構造や可燃物の集積状況の調査、最適な消火手法及び延焼阻止手法(消火剤、投入方法、投入量等)の検証・開発、建物外壁から離れ、消火剤が届きにくい区画に効果的に消火剤を投入する手法の研究開発を行った。

(令和3年度決算額 38百万円)

  • 火災・危険物流出等事故原因調査に関する研究

特異な火災事案が発生した際、今後の防火安全対策に有効な知見を得るために火災原因調査を行い、火災原因調査技術の高度化を図るために必要な現地調査用資機材、サンプル採取・分析方法、火災現象の再現方法、火災原因の推定・特定手順等について体系的な調査研究を行った(後掲 第2章8(1))。

(令和3年度決算額 72百万円)

  • 火災原因調査と火災避難の高度化に関する研究開発

科学的な火災原因調査に基づいた出火防止対策の実施や増加する高層建物からの避難安全対策のため、火災現場残渣物の同定及び液体衝突帯電とミスト爆発の解明による火災原因調査の高度化と、高層建築物の順次避難における避難順序算定方法に関する研究・開発を行った。

(令和3年度決算額 40百万円)

(2)林野火災に関する一般研究

国立研究開発法人森林研究・整備機構においては、林野火災対策として、林野火災の発生・拡大危険度に関する研究を行った。

(3)建築物や都市の火災安全性向上技術の研究開発

国立研究開発法人建築研究所においては、非常用エレベーターを用いた救助避難における群集事故を回避するための運用方針等に関する研究開発を行った。

(4)非住宅建築物の防火性能の高度化に資する新しい性能指標及び評価プログラムの開発

国土交通省国土技術政策総合研究所においては、非住宅建築物の防火性能の向上のため、火災後の継続使用性能を総合的に評価する新しい性能指標(等級)およびその評価プログラムの開発を行った。

(令和3年度決算額 10百万円)


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