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令和4年版 防災白書|附属資料14 令和3年以降に発生した主な災害における各府省の対応


附属資料14 令和3年以降に発生した主な災害における各府省の対応

14-1 令和3年7月1日からの大雨

<1> 災害の状況

令和3年6月末から7月上旬にかけて梅雨前線が西日本から東日本に停滞し、梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が次々と流れ込み、大気の状態が不安定となった。この影響で西日本から東北地方の広い範囲で大雨となった。7月2日から3日にかけては、静岡県の複数の地点で、72時間降水量の観測史上1位の値が更新されるなど記録的な大雨となった。また、7月4日以降は梅雨前線が次第に北上し、中国地方の日本海側でも線状降水帯が発生し、広島県を中心に大雨となった。9日夜から10日にかけては、九州南部を中心に雷を伴う猛烈な雨や非常に激しい雨が断続的に降り、9日からの総雨量が鹿児島県さつま町や伊佐市で500ミリを超えるなど、記録的な大雨となった。気象庁は、10日鹿児島県、宮崎県、熊本県に大雨特別警報を発表した。その後、12日は全国的に広く大雨となり、青森県、三重県、島根県や鳥取県で1時間降水量の観測史上1位の値が更新された。

この大雨により、多くの河川で氾濫や河岸浸食等が発生し、国・都道府県管理河川合わせて29水系59河川で被害が生じるとともに、土砂災害は9県267箇所で発生した。この一連の災害により、人的被害は死者・行方不明者29名(うち1名は災害関連死)、負傷者12名、住家被害は全壊59棟、半壊119棟、一部破損321棟、床上・床下浸水2,945棟が確認されている。このうち、静岡県熱海市伊豆山地区では大規模な土石流災害が発生し、27名(うち1名は災害関連死)が死亡し、1名が行方不明となっている。また、住家被害は98棟に上った(※数値は令和4年3月25日時点)。

<2> 各府省庁等の対応

政府としては、全国的に広い範囲の大雨が予想されたことから、7月1日に関係省庁災害警戒会議を開催した。この会議の中で、棚橋内閣府特命担当大臣(防災)(当時)から関係省庁に対し、地方自治体等への注意喚起や避難の判断に係る助言等の対応をお願いした。また、地方自治体に対し、人命を最優先に、空振りを恐れずに避難指示等を発出することや、コロナ禍における適切な対応をお願いするとともに、国民の方々に対して、早めの安全確保をお願いした。

3日には、静岡県熱海市で発生した土石流災害を受けて、内閣府調査チームが静岡県庁と熱海市に派遣された。これにより、現地情報の収集や政府への報告、被災自治体の応急対策などの支援を行う態勢を構築した。

同日17時には関係閣僚会議が開催され、菅内閣総理大臣(当時)から、二次災害に注意しつつ、機動的かつ万全の対応を進めること、避難所等に対する必要な支援を迅速に行うことについて指示があった。これを受け、同日、「令和3年7月1日からの大雨特定災害対策本部」が設置された(同本部会議は計2回開催)。

警察、消防、自衛隊、海上保安庁、国土交通省においては、発災直後から部隊を被災地に派遣し、救助救出活動や二次災害防止活動、生活支援等を実施した。これらの実働部隊による活動規模は、警察災害派遣隊延べ4,152人、緊急消防援助隊延べ7,961人、自衛隊延べ約23,000人、国土交通省緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)延べ約1,300人 等となっている。

5日には、熱海市の土石流災害による捜索・救助対象者が多数に上っていることや、それまでの降雨等により厳重な警戒を継続する必要があること等を踏まえ、特定災害対策本部から「令和3年7月1日からの大雨非常災害対策本部」へ体制が強化された(同本部会議は計3回開催)。また、6日には各府省の事務次官級職員を構成員とする「被災者生活・生業再建支援チーム」が設置され、生活支援等が迅速かつ強力に進められた。

被災地には、菅内閣総理大臣(当時)(7月12日:静岡県)や棚橋内閣府特命担当大臣(防災)(当時)(7月6日:静岡県)などが赴き(※)、被害状況を直接確認し、被災地におけるニーズの把握等を行い、政府全体で被災者に寄り添った支援に取り組んだ。

7月30日の第3回非常災害対策本部会議では、「被災者生活・生業再建支援チーム」においてとりまとめられた「令和3年7月1日からの大雨に係る支援策とりまとめ」が報告されたほか、一連の災害に係る激甚災害の指定見込みが発表され、被災地の復旧、復興に向けて、全力で支援していくことが示された。

※赤澤内閣府副大臣(当時) 7月20日:島根県、21日:鳥取県、28日:鹿児島県

 二之湯内閣府特命担当大臣(防災)11月22日:静岡県

この大雨による災害に伴い、4県11市町に災害救助法が、1県1市に被災者生活再建支援法が適用された。


[災害救助法の適用]

【静岡県】熱海市(適用日:7月3日)

【鳥取県】鳥取市(適用日:7月7日)

【島根県】松江市、出雲市(適用日:7月7日)安来市、雲南市(適用日:7月12日)

【鹿児島県】出水市、薩摩川内市、伊佐市、さつま町、湧水町(適用日:7月10日)

[被災者生活再建支援法の適用]

【静岡県】熱海市(発生日7月3日)

8月31日の閣議で当該災害を激甚災害として指定し、併せて当該災害に対する適用措置を指定する政令が決定された。

本災害に対する激甚災害指定の状況は以下のとおりである。

令和三年五月十一日から七月十四日までの間の豪雨による災害

指定見込公表 7月30日 閣議決定 8月31日 公布・施行 9月3日

附属資料14 令和3年以降に発生した主な災害における各府省の対応(1)

14-2 令和3年8月の大雨

<1> 災害の状況

令和3年8月11日以降、日本付近に停滞している前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発となった影響により、西日本から東日本の広い範囲で大雨となり、11日からの総降水量が多いところで1,400ミリを超える記録的な大雨となった。また、8月13日には中国地方で線状降水帯が発生し、記録的な大雨となり、気象庁は広島県広島市を対象とした大雨特別警報を発表した。14日には、西日本から東日本の広い範囲で大雨となり、特に九州北部地方で線状降水帯による猛烈な雨や非常に激しい雨が降り続き、佐賀県嬉野市で24時間降水量555.5ミリを観測し、観測史上1位の値を更新するなど記録的な大雨となった。この大雨に対して、気象庁は、長崎県、佐賀県、福岡県、広島県に大雨特別警報を発表した。その後、16日から18日にかけて、西日本から東日本の太平洋側を中心に広い範囲で雨となり、19日から22日にかけては、四国地方の太平洋側を中心に猛烈な雨や非常に激しい雨が断続的に降り続き、22日以降は、台風第12号や台風から変わった低気圧の影響を受け、大雨となったところがあった。

この大雨により、長野県岡谷市で土石流が、長崎県雲仙市で土砂崩れが発生したほか、佐賀県六角川では、「令和元年8月の前線に伴う大雨」に続いて、再度の氾濫が発生するなど、国・都道府県管理河川合わせて68河川で氾濫等による被害が発生した。また、土砂災害は、32県で414件発生した。この一連の災害により、人的被害は死者13名、負傷者17名、住家被害は全壊45棟、半壊1,234棟、一部破損300棟、床上・床下浸水4,887棟が確認されている(※数値は令和4年3月25日時点)。

<2> 各府省庁等の対応

政府としては、棚橋内閣府特命担当大臣(防災)(当時)出席の下、8月12日に、関係省庁災害警戒会議を開催した。13日には広島県における大雨特別警報発表後直ちに関係府省庁に対して菅内閣総理大臣(当時)から、<1>国民に対し、避難や大雨・河川の状況等に関する情報提供を適時的確に行うこと、<2>地方自治体とも緊密に連携し、浸水が想定される地区の住民の避難が確実に行われるよう、避難支援等の事前対策に万全を期すこと、<3>被害が発生した場合は、被害状況を迅速に把握するとともに、政府一体となって、人命第一で災害応急対策に全力で取り組むことについて指示があった。

13日11時には関係閣僚会議が開催され、同日、政府は「令和3年8月の大雨特定災害対策本部」を設置し(同本部会議は計9回開催)、人命第一の方針の下、情報収集に努め、災害発生時に即応できる万全の体制を確保するとともに、地方自治体や関係機関と緊密に連携して、最大限の緊張感をもって対応に当たることとした。

また、警察においては、広域緊急援助隊を九州方面に向け前進待機させるなど、消防、自衛隊、海上保安庁、国土交通省等においても部隊を派遣し、救助救出活動や二次災害防止活動、生活支援等の態勢を構築した。15日には、佐賀県六角川の氾濫を受けて、内閣府調査チームを佐賀県庁に派遣し、現地情報の収集等を行った。

被災地には、棚橋内閣府特命担当大臣(防災)(当時)(8月21日:佐賀県、長崎県)などが赴き(※)、被害状況の直接確認が行われた。

※赤澤内閣府副大臣(当時)8月24日:長野県

この大雨による災害に伴い、6県21市町村に災害救助法が、6県11市町に被災者生活再建支援法が適用された。

[災害救助法の適用]

【長野県】岡谷市、諏訪市、辰野町、上松町、王滝村、木曽町(適用日:8月15日)

【島根県】江津市(適用日:8月12日)川本町、美郷町(適用日:8月13日)

【広島県】広島市、三次市、安芸高田市、北広島町(適用日:8月12日)

【福岡県】久留米市、八女市、みやま市(適用日:8月12日)

【佐賀県】武雄市、嬉野市、大町町(適用日:8月12日)

【長崎県】雲仙市、南島原市(適用日:8月12日)


[被災者生活再建支援法の適用]

【長野県】木曽町(発生日8月14日)

【広島県】安芸高田市(発生日8月12日)

【福岡県】久留米市、田川市(発生日8月12日)

【佐賀県】武雄市、大町町、神埼市、嬉野市(発生日8月11日)

【長崎県】雲仙市、波佐見町(発生日8月11日)

【大分県】玖珠町(発生日8月14日)

9月28日の閣議で当該災害を激甚災害として指定し、併せて当該災害に対する適用措置を指定する政令が決定された。

本災害に対する激甚災害指定の状況は以下のとおりである。

令和三年八月七日から同月二十三日までの間の暴風雨及び豪雨による災害

指定見込公表 8月31日 閣議決定 9月28日 公布・施行 10月1日

令和三年八月七日から同月二十三日までの間の暴風雨及び豪雨による災害

指定見込公表 8月31日 閣議決定 9月28日 公布・施行 10月1日

附属資料14 令和3年以降に発生した主な災害における各府省の対応(2)

14-3 千葉県北西部を震源とする地震[震度5強]

<1> 災害の状況

令和3年10月7日22時41分、千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生し、埼玉県川口市、宮代町、東京都足立区で震度5強を観測したほか、東北地方から近畿地方にかけて震度5弱~1を観測した。この地震による被害は、重傷者6名、軽傷者44名となっている(※数値は令和4年3月25日時点)。首都圏において終電時間が近づく中で地震が発生したことから、鉄道の運転見合わせ等により、駅前を中心に多くの滞留者が発生した。

<2> 各府省庁等の対応

政府としては、10月7日の地震発生後、直ちに総理大臣官邸の危機管理センターに緊急参集チームが招集され、岸田内閣総理大臣から、<1>早急に被害状況を把握すること、<2>地方自治体とも緊密に連携し、政府一体となって、被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むこと、<3>国民に対し、避難や被害等に関する情報提供を適時的確に行うこと、<4>被害の拡大防止の措置を徹底することについて指示がなされ、関係府省庁は被害状況の把握や政府としての対応の共有、確認等を行った。

首都圏における鉄道の運転見合わせについては、8日の未明にかけて順次復旧されるとともに、早朝まで運行を継続した路線もあった。また、一部の新幹線では、一時的な滞在・宿泊ができるよう、車両を開放した。

14-4 福島県沖を震源とする地震[震度6強]

<1> 災害の状況

令和4年3月16日23時36分、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生し、宮城県登米市、蔵王町及び福島県相馬市、南相馬市、国見町で震度6強を観測したほか、宮城県、福島県を中心に広範囲で震度6弱~1を観測した。この地震による被害は、死者3名(うち1名は災害関連死)、重傷者28名、軽傷者217名、住家被害は全壊111棟、半壊1,285棟、一部破損19,048棟となっている(※数値は令和4年4月19日時点)。また、停電、断水等のライフライン被害のほか、鉄道の運休等、交通インフラにも被害が発生した。

<2> 各府省庁等の対応

政府としては、3月16日の地震発生後、直ちに総理大臣官邸の危機管理センターに緊急参集チームが招集され、岸田内閣総理大臣の下、被害情報の収集に当たるとともに、自衛隊ヘリにより内閣府調査チームを宮城県及び福島県へ派遣した。翌17日には関係省庁災害対策会議を開催し、被害状況及び各省庁の対応状況等について共有した。また自衛隊では、宮城県及び福島県の要請を受け、宮城県内3市町、福島県内6市町村で給水支援活動を行った。19日には、二之湯防災担当大臣による福島県現地視察が行われた。さらに、28日に岸田総理大臣より、二之湯防災担当大臣が中心となって、関係閣僚が連携し、被害状況や自治体からの要請を踏まえながら支援策を速やかに取りまとめるよう指示があった。これを踏まえ、4月8日に被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向け、緊急に対応すべき施策を「令和4年福島県沖を震源とする地震に係る支援策とりまとめ」として取りまとめた。

この地震に伴い、宮城県及び福島県は全市町村(94市町村)に災害救助法が、福島県及び宮城県65市町村に被災者生活再建支援法が適用された。

[災害救助法の適用]

【宮城県】仙台市、石巻市、塩竈市、気仙沼市、白石市、名取市、角田市、多賀城市、岩沼市、登米市、栗原市、東松島市、大崎市、富谷市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、利府町、大和町、大郷町、大衡村、色麻町、加美町、涌谷町、美里町、女川町、南三陸町(適用日:3月16日)

【福島県】福島市、会津若松市、郡山市、いわき市、白河市、須賀川市、喜多方市、相馬市、二本松市、田村市、南相馬市、伊達市、本宮市、桑折町、国見町、川俣町、大玉村、鏡石町、天栄村、下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、会津美里町、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、新地町、飯舘村(適用日:3月16日)


[被災者生活再建支援法の適用]

【福島県】県内全域(発生日3月16日)

【宮城県】山元町、角田市、白石市、蔵王町、亘理町、柴田町(発生日3月16日)

令和4年3月16日の地震による福島県新地町の区域に係る災害について、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置及び小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等の激甚災害指定見込公表を4月8日、閣議決定を4月22日、公布・施行を4月27日に行った。


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