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令和4年版 防災白書|特集 第3章 第4節 4-2 事前防災・複合災害ワーキンググループ


4-2 事前防災・複合災害ワーキンググループ

防災・減災、国土強靱化の取組は、5か年加速化対策を策定し、今後取組を加速化・深化することとしているところであるが、今後の取組の方向性について議論するため、ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会の下に「事前防災・複合災害ワーキンググループ」を開催し、課題と対応方策等について検討を行った。

検討結果を取りまとめた提言書を受けて、事前防災や複合災害に関する各種取組を関係府省庁と連携・協議しながら推進していくこととした。

(参照:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/resilience/jizen_fukugou_wg/index.html)

(1)提言の主な内容

【事前防災に関する取組】

○防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の推進と新たな脆弱性評価の実施

5か年加速化対策により防災・減災、国土強靱化の取組を推進、地域の状況に応じた災害種別ごとの脆弱性評価実施手法を検討

○東京湾における高潮対策、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策の強力な推進

高潮対策はその災害規模の甚大さを認識し、大規模地震や水害対策と同様に推進。日本海溝・千島海溝沿いの地震は、想定すべき最大クラスの地震・津波に対する被害想定、防災対策の検討を推進

○「災害対策基本法」を踏まえたおそれ段階での広域避難の推進

おそれ段階での国の災害対策本部の設置を可能とするとともに、水害からの広域避難の円滑な実施に向けた具体的な検討を推進

○あらゆる関係者が協働して取り組む流域治水対策の加速化

国と地方公共団体の連携強化、農地の貯留機能向上、長期的な土地利用誘導等

○大規模地震災害の事前防災対策の推進

南海トラフ地震対応のための資機材・人員等のリソース確保、首都直下地震の火災・エレベーター閉じ込めの防止対策の推進等

【複合災害に関する取組】

○地震後の水害など複合災害シナリオや、大規模地震における復旧・復興シナリオの検討

災害がれき、仮設住宅、復興まちづくり等

○感染症を考慮した災害対応の強化

防災に関する各種計画の見直し、医療施設の耐災害性強化等

(参照:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/teigen/pdf/teigen_05.pdf

事前防災・複合災害ワーキンググループ提言の概要
事前防災・複合災害ワーキンググループ提言の概要
(2)提言を踏まえた対応

<1>新たな脆弱性評価の実施に向けて

現行の脆弱性評価は、最悪の事態を想定したフローチャート分析と国土強靱化施策の重要業績指標(KPI)の評価により行っているところである。しかし、これらの評価方法についてはフローの重要度や施策の不足の有無が表現できていないこと、地域ごとの脆弱性の違いを表現できていないことといった幾つかの課題があることから、可能な限り改善方法を検討した上で、次期脆弱性評価の実施へ繋げていくこととしている。例えば、強靱化施策に関するKPIの地域別比較により、地域ごとに懸念される災害への対応施策の進捗状況等について分析等が行えるようにすることや、国土強靱化施策の推進による減災効果を定量的に示せるようにする、といった改善ができるように次期脆弱性評価の実施に向けて更なる検討を進めているところである。

<2>「災害対策基本法」を踏まえたおそれ段階での広域避難の推進

令和3年5月の「災害対策基本法」の一部改正において、災害が発生するおそれがある段階における国の災害対策本部の設置、市町村長・都道府県知事による広域避難の協議、都道府県知事による運送の要請に関する規定等が措置されたところである。また、同年6月には「首都圏における大規模水害広域避難検討会」において検討を行ってきた結果について、報告書「大規模水害時における住民避難の考え方と今後の取組方針について ~荒川下流域を中心とした地域における検討~」として、大規模水害時における住民避難の考え方や、行政が用意する広域避難先の開設や運営方法、行政による避難手段の確保や誘導の支援、大規模水害時における避難の考え方等にかかる住民周知、広域避難等に要する費用負担の考え方、今後の広域避難検討における関係機関間の連携・役割分担等についての方向性を整理し公表した。

(参照:https://www.bousai.go.jp/fusuigai/suigaiworking/pdf/suigaiworking/dai6kai/shiryo.pdf)

<3>感染症を考慮した災害対応の強化

令和2年春以降、我が国でも新型コロナウイルス感染症が全国的にまん延し、そのまん延下での自然災害対応を余儀なくされているところである。こうした対応を円滑に行えるようにするため、政府は、様々なガイドライン・通知等の整備・周知を行ってきた。具体的には、「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練ガイドライン(第3版)」(令和3年6月(内閣府・消防庁・厚生労働省・環境省))において、地方公共団体等に対して避難所運営に際しての具体的な手順を示して、安全面に配慮しつつ訓練を実施することを促したところである。また、「新型コロナウイルス感染症禍における、災害が発生するおそれのある段階からの避難所の確保等について(通知)」(令和3年8月(内閣府・消防庁・厚生労働省・観光庁))においては、被災するおそれのある地方公共団体が、実情に応じ、できるだけ多くの避難所確保について検討する必要性の周知を行っており、これにより平時からの避難所の確保、避難所の情報提供及び避難所における感染症対策等といった課題への対応を行ったところである。更には、「令和3年7月及び8月に発生した大雨等における対応や新型コロナウイルス感染症の現下の状況を踏まえた今後の避難所における新型コロナウイルス感染症対策等について(周知)」(令和3年9月(内閣府・消防庁・厚生労働省))においては、大雨等における災害対応で得られた被災地での経験やノウハウについて周知を行っており、専門家による避難所における新型コロナウイルス感染症対策等の実施状況の確認にかかる取組、避難所における新型コロナウイルス感染症対策及び生活環境改善にかかる取組、自宅療養者等の災害時の対応といった課題への対応を行ったところである。

※新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練ガイドライン(第3版)

(参照:https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/corona_hinanjo03.pdf

※新型コロナウイルス感染症禍における、災害が発生するおそれのある段階からの避難所の確保等について(通知)

(参照:https://www.bousai.go.jp/pdf/210803_corona_hinanjo.pdf

※令和3年7月及び8月に発生した大雨等における対応や新型コロナウイルス感染症の現下の状況を踏まえた今後の避難所における新型コロナウイルス感染症対策等について(周知)

(参照:https://www.bousai.go.jp/pdf/210927_corona_hinanjo.pdf


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