1-9 学術界の取組
我が国では、地震、津波、火山、気象等の自然現象、土木、建築、耐震等の構造物、救急医療、環境衛生等の医療・衛生、経済、地理、歴史等の人々の営み、情報、エネルギー等様々な領域において、防災についての研究活動が行われている。東日本大震災を受け、これらの分野の総合的で複合的な視点からの防災・減災研究が不可欠であり、専門分野の枠を超えた異なる分野との情報共有や交流を進め、学際連携を行うことの必要性が認識された。このため、日本学術会議や関係する学会等での議論を経て、防災減災・災害復興に関わる学会のネットワークとして、平成28年1月に47の学会が連携した「防災学術連携体」が発足した。令和2年3月末現在、57学会が同連携体に参加している。
同連携体は、学術と行政の平常時の連携を強めるとともに、緊急時の連携を図ることを目的として、平成30年6月に、日本学術会議の防災減災学術連携委員会、防災学術連携体の56学会、関係府省庁の出席の下、第1回「防災に関する日本学術会議・学協会・府省庁の連絡会」を開催した。令和元年6月の第2回連絡会では、発災後の円滑な医療・看護活動のための連携について、議論し、12月には「令和元年台風19号に関する緊急報告会」を開催し、令和元年東日本台風に関する学会の調査結果を学会間で共有した。