令和2年版 防災白書|第1部 第1章 第1節 1-3 防災訓練の取組


1-3 防災訓練の取組

災害発生時には、国の行政機関、地方公共団体、指定公共機関等の防災関係機関が一体となって、住民と連携した適切な対応をとることが求められることから、平時より、関係機関が連携した訓練等、防災への取組を行うことが重要である。このため、防災関係機関は、災害対策基本法、防災基本計画その他の各種規程等に基づき、災害発生時の応急対策に関する検証・確認と住民の防災意識の向上を目的として、防災訓練を実施することとされている。

令和元年度は、防災訓練実施に当たっての基本方針や政府における総合防災訓練等について定めた「令和元年度総合防災訓練大綱」に基づき、以下のような各種訓練を実施した。

(1)「防災の日」総合防災訓練

令和元年9月1日、「防災の日」に、地震発生直後を想定した政府本部運営訓練を行った。まず、安倍内閣総理大臣を始めとする閣僚が徒歩で官邸に参集し、「緊急災害対策本部」(東日本大震災のような著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合に設置される災害対策本部)の運営訓練を実施した。同会議では、森田千葉県知事とのテレビ会議を通じた被害状況や支援要請の把握、各閣僚からの被害・対応状況の報告、人命最優先での対応方針の確認や政府調査団の派遣、現地対策本部の設置等を行うなど、地方公共団体等と連携しながら、地震発生直後の応急対策の実施体制の確保、手順確認等を実施した。また、同会議の一部を報道機関へ公開した。会議終了後には、安倍内閣総理大臣が記者会見を行い、NHK中継を通じて国民へ災害時の「自助」・「共助」等の協力を呼びかけるとともに、政府の初動対応について発信を行った。

また、同日に千葉県船橋市を主会場とする九都県市合同防災訓練も行われ、安倍内閣総理大臣は官邸からヘリコプターで同訓練会場へ移動し、船橋東埠頭における船舶火災消火訓練、海中転落者の捜索・救助訓練等の海上訓練を視察した。その後、ボランティア役として災害ボランティアセンター運営訓練に参加し、ボランティアの登録から任務完了までの一連の流れを確認した。最後に、住民参加体験訓練や、消防、警察、自衛隊やNPOなど多数の関係機関が参加した救出救助訓練を視察した。

政府本部運営訓練においてテレビ会議により被害状況等の把握を行う様子
府本部運営訓練においてテレビ会議により被害状況等の把握を行う様子
ボランティアセンター運営訓練に参加する安倍内閣総理大臣(官邸ホームページより)
ボランティアセンター運営訓練に参加する安倍内閣総理大臣(官邸ホームページより)
(2)政府図上訓練

令和元年8月に首都直下地震を、令和2年2月に南海トラフ地震をそれぞれ想定し、関係府省庁職員の知識・練度の向上や関係機関との連携の強化等を目的とした図上訓練を実施した。実際の災害に近い状況を模擬した上で、具体的な応急対策活動に関する計画等に基づいた実践的な訓練を実施した。また、これらの訓練を踏まえ、諸計画やマニュアルに規定された応急対策の有効性の検証を行った。

首都直下地震を想定した緊急災害対策本部事務局運営訓練
首都直下地震を想定した緊急災害対策本部事務局運営訓練
南海トラフ地震を想定した緊急災害対策本部事務局運営訓練
南海トラフ地震を想定した緊急災害対策本部事務局運営訓練

地域ブロック毎の訓練では、被災が想定される都府県等と連携し、令和元年10月に四国(香川県)、同年11月に中部(愛知県)、同年12月に九州(熊本県)、令和2年1月に近畿(大阪府)において南海トラフ地震を想定した緊急災害現地対策本部運営訓練を実施した。また、令和元年8月に関東(東京都)において、首都直下地震を想定した東京緊急災害現地対策本部運営訓練を実施した。

中部緊急災害現地対策本部長として挨拶する平内閣府副大臣
中部緊急災害現地対策本部長として挨拶する平内閣府副大臣
九州緊急災害現地対策本部長として指示する今井内閣府大臣政務官
九州緊急災害現地対策本部長として指示する今井内閣府大臣政務官

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