第2節 原子力規制委員会における原子力災害対策
東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、原子力規制行政に対する信頼の確保に向けた取組を継続的に行っていくことが極めて重要である。原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、「独立した意思決定」、「実効ある行動」、「透明で開かれた組織」、「向上心と責任感」及び「緊急時即応」を組織理念として、様々な政策課題に取り組んでいる。
2-1 原子力災害対策に係る取組
原子力規制委員会では、最新の国際的知見を積極的に取り入れる等、防災計画の立案に使用する判断基準等が常に最適なものになるよう原子力災害対策指針の充実を図っており、平成30年7月25日には原子力災害対策の目標に係る記述を国際的な考え方と整合を図る、「基幹高度被ばく医療支援センター」を新たに指定する旨の記述を加える等の改正を行った。併せて、同日に「原子力災害拠点病院等の施設要件」を改正した。平成31年3月には基幹高度被ばく医療支援センターとして新たに国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(参照:https://www.qst.go.jp/)を指定した。
また、平成30年10月には「原子力災害事前対策の策定において参照すべき線量のめやすについて」をとりまとめた(参照:http://www.nsr.go.jp/activity/bousai/measure/index.html)。
原子力災害時における医療体制については、原子力災害拠点病院の指定促進の支援等、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めている。