5-2 国土強靱化基本計画の見直し
「国土強靱化基本計画」は、「『国家百年の大計』の国づくりとして、千年の時をも見据えながら行っていくことが必要(同計画第1章)」との理念の下、計画期限は定めていないが、「今後の国土強靱化を取り巻く社会経済情勢等の変化や、国土強靱化の施策の推進状況等を考慮し、おおむね5年ごとに計画内容の見直しを行うこととする(同計画第4章)」と定めている。同計画は平成26年6月に策定され、平成30年度は計画策定から約5年が経過することに鑑み、見直しを行った。
この見直しに当たっては、脆弱性評価により、最悪の事態を回避するための施策群(プログラム)の現状及びその進捗状況を把握するとともに、フローチャート分析手法を用いながら、現状を改善するために必要な施策について、プログラム及び施策分野ごとに整理・分析して総合的に評価した。この脆弱性評価の結果及び脆弱性評価後に起きた災害の教訓等を踏まえ、平成30年12月に見直し後の同計画を閣議決定した。
今回の見直しの主なポイントとしては、平成28年熊本地震における長期避難者の健康悪化を踏まえた避難所の衛生環境の確保などの過去の災害から得られた知見の反映、ICTを活用した国土強靱化のイノベーションの推進などの社会情勢の変化を踏まえた反映、施策の優先順位付けを行うための15の重点化すべきプログラムの入れ替えと関連が強い5つのプログラムの新たな選定、重点化すべきプログラム等の推進を図るため、達成目標、実施内容、事業費等を明示した3か年緊急対策の策定等が挙げられる(図表5-2-1)。