平成29年版 防災白書|附属資料15 平成28年以降に発生した主な災害における各府省庁の対応


附属資料15 平成28年以降に発生した主な災害における各府省庁の対応

15-1 平成28年(2016年)熊本地震[最大震度7]

<1> 災害の状況

平成28年4月14日21時26分、熊本県熊本地方(北緯32度44.5分、東経130度48.5分)、深さ11kmにおいて、マグニチュード6.5の地震が発生し、熊本県益城町で震度7を観測した。さらに28時間後の同年4月16日1時25分には同地方(北緯32度45.2分、東経130度45.7分)を震源とする、深さ12kmにおいて、マグニチュード7.3の地震が発生し、益城町及び西原村で震度7を、熊本県を中心にその他九州地方の各県でも強い揺れを観測した。

この地震の影響により、死者228名、負傷者2,753名の人的被害のほか、全壊8,697棟、半壊34,037棟、一部破損155,902棟の住家被害が発生した。被災地では、1,166ヶ所に避難所が開設され避難者の数は、最大約19万6千人(うち熊本県内約18万人)にも及んだ。(平成29年4月13日現在)

その他、がけ崩れ等の土砂災害が計190件発生、ライフライン関係では、九州電力管内において約477,000戸(ピーク時)で停電が発生し、最大約105,000戸(うち空き家等を除いた需要家との契約に基づく件数は最大約101,000戸)でガス供給停止、最大445,857戸で断水被害に見舞われたほか、空港、道路、鉄道等の交通インフラにも甚大な被害が生じ、住民生活や中小企業、農林漁業や観光業等の経済活動にも大きな影響を及ぼした。

<2> 各府省庁等の対応

地震発生後、4月14日21時36分、内閣総理大臣から関係省庁に対して、以下のとおり指示が発出された。

  1. 早急に被害状況を把握すること。
  2. 地方自治体とも緊密に連携し、政府一体となって、災害応急対策に全力で取り組むこと。
  3. 国民に対し、避難や被害等に関する情報提供を適時的確に行うこと。

総理指示を踏まえ、緊急参集チーム協議において災害応急対策に全力で取り組むことを確認するとともに、同日22時10分には防災担当大臣を本部長とする「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部」を設置し、同日23時21分に内閣総理大臣出席のもと、非常災害対策本部会議(第1回)を開催した。

同日23時25分、内閣府情報先遣チームを熊本県へ派遣し、4月15日6時40分、内閣府副大臣(防災担当)を団長とする政府調査団を熊本県へ派遣した。

4月15日8時8分、内閣総理大臣出席のもと非常災害対策本部会議(第2回)を開催し、熊本県庁とTV会議を実施するとともに、引き続き、政府一体となって、災害応急対策に全力で取り組むことを確認した。

同日10時40分に「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害現地対策本部」を設置し、同日13時00分より熊本県災害対策本部と合同会議を開催し、被害の状況や関係機関の活動状況等を情報共有した(以降、熊本県災害対策本部との合同会議を計44回開催)。

同日16時7分、内閣総理大臣出席のもと非常災害対策本部会議(第3回)を開催し、被害状況及び各省庁の対応情報を確認した。

4月16日1時25分の地震発生後、同日2時38分内閣総理大臣から関係省庁に対して、以下のとおり指示が発出された。

  1. 被害が広範囲にわたり、拡大するおそれもあるため、早急に被害状況を把握すること。
  2. 地方自治体とも緊密に連携し、政府一体となって、被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むこと。
  3. 国民に対し、避難や被害等に関する情報提供を適時的確に行うこと。

総理指示を踏まえ、緊急参集チーム協議において災害応急対策に全力で取り組むことを確認するとともに、同日5時10分に内閣総理大臣出席のもと非常災害対策本部会議(第4回)を開催した。(以降、非常災害対策本部会議を計31回開催し、うち20回は内閣総理大臣出席のもとで開催)

4月16日5時00分、非常災害対策本部に物資調達・輸送班を設置し、被災地の要望を待たずして物資を調達・輸送するいわゆるプッシュ型の物資支援の実施を決定した。4月17日から5月6日までに累計約278万食を供給し、そのうち4月22日までがプッシュ型、4月23日以降は、被災地の要請・要求を受けて行うプル型で支援を実施した。

4月17日17時00分、被災者の生活再建を迅速かつ強力に進めることを目的として、内閣官房副長官(事務)をチーム長とする「平成28年熊本地震被災者生活支援チーム」を設置し、内閣総理大臣出席のもと第1回会合を開催した。

現地では熊本県知事及び大分県知事からの要請を受け、以下のとおり自衛隊の災害派遣を実施した。

ア 災害派遣の概要

  • 4月14日(木)22時40分、熊本県知事から陸上自衛隊第8師団長(北熊本)に対して、人命救助等に係る災害派遣要請(撤収要請:5月30日(月)9時00分)
  • 4月16日(土)2時36分、大分県知事から陸上自衛隊西部方面特科隊長(湯布院)に対して、人命救助等に係る災害派遣要請(撤収要請:4月28日(木)10時24分)

イ 派遣規模実績

  • 人員:延べ約814,200名(最大時約26,000名)、航空機:延べ2,618機(最大時132機)、艦艇:延べ300隻(最大時15隻)

また、警察組織は延べ27,936名、消防組織は延べ15,613名を現地へ派遣し、救助活動等を実施した。国土交通省はTEC-FORCEを延べ10,912名・日現地へ派遣し、被災状況調査、土砂災害危険箇所の点検、輸送路の啓開等を実施した。

国土地理院は、無人航空機(UAV)による動画撮影や地殻変動の解析等を行い、随時関係機関への情報提供とホームページでの公開を行った。

4月23日、被害状況視察のため、内閣総理大臣が熊本県を訪問し、被災状況を視察した後、被災自治体の首長との意見交換、避難所の訪問を実施した。

4月29日、被害状況視察のため、内閣総理大臣が大分県及び熊本県を訪問し、被災状況を視察した後、被災自治体の首長、商店街関係者と意見交換、避難所の訪問を実施した。

5月5日、非常災害対策本部長(内閣府特命担当大臣(防災))が、熊本県を訪れ、被災自治体等の首長等と意見交換を行うとともに、避難所及び被災現場の調査を実施した。

6月4日、復旧・復興状況視察のため、内閣総理大臣が大分県及び熊本県を訪問し、観光関係者等と意見交換、避難所の訪問を実施した。

6月15日、8月17日、非常災害対策本部長(内閣府特命担当大臣(防災))が、熊本県を訪れ、被災自治体等の首長等と意見交換を行うとともに、避難所及び仮設住宅及び被災現場の調査を実施した。

この平成28年(2016年)熊本地震により、熊本県内全45市町村に災害救助法が適用されるとともに、2県46市町村に被災者生活再建支援法が適用された。


[災害救助法の適用]

熊本県:全45市町村(熊本市、八代市、人吉市、荒尾市、水俣市、玉名市、山鹿市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、阿蘇市、天草市、合志市、美里町、玉東町、南関町、長洲町、和水町、大津町、菊陽町、南小国町、小国町、産山村、高森町、西原村、南阿蘇村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、山都町、氷川町、芦北町、津奈木町、錦町、多良木町、湯前町、水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村、あさぎり町、苓北町)(適用日:4月14日)


[被災者生活再建支援法の適用]

熊本県:全域(適用日:4月14日)

大分県:由布市(適用日:4月16日)

この他、「平成二十八年熊本地震による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」について、全国を対象とする激甚災害に指定し、当該災害に適用すべき措置(公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例、中小企業信用保険法による災害関係保証の特例、事業協同組合等の施設の災害復旧事業に対する補助、公立社会教育施設災害復旧事業に対する補助、私立学校施設災害復旧事業に対する補助、市町村が施行する感染症予防事業に関する負担の特例、母子及び父子並びに寡婦福祉法による国の貸付けの特例、罹災者公営住宅建設等事業に対する補助の特例、小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等、雇用保険法による求職者給付の支給に関する特例)を指定した(4月26日公布・施行)。

「平成28年熊本地震による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」について、平成28年熊本地震による災害を特定非常災害として指定し、当該災害に適用すべき措置(行政上の権利利益に係る満了日の延長に関する措置、期限内に履行されなかった義務に係る免責に関する措置、債務超過を理由とする法人の破産手続き開始の決定の特例に関する措置、相続の承認又は放棄をすべき期間の特例に関する措置を適用した(5月2日公布・施行)。

その後、「平成28 年熊本地震による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」の一部を改正し、当該災害に適用すべき措置(民事調停法による調停の申立ての手数料の特例に関する措置)を追加した(6月24日公布・施行)。

「平成28年熊本地震による災害についての非常災害の指定に関する政令」について、平成28年熊本地震による災害を非常災害として指定した(5月13日公布・施行)。これにより、被災した地方公共団体等からの要請により、国又は都道府県は、その事務に支障のない範囲内で、被災地方公共団体が本来施行することとなる災害復旧事業等を代行できるようになった。また、「大規模災害からの復興に関する法律」に規定する「非常災害」としての指定は、今回が初めてとなる。

15-2 平成28年8月の台風(台風第7号、11号、9号及び10号)

<1> 災害の状況

8月に相次いで発生した台風第7号、11号、9号及び10号は、北海道、岩手県を中心に河川のはん濫、浸水、土砂災害などの被害をもたらした。

一連の台風により、死者・行方不明者29名、負傷者106名の人的被害、全壊519棟、半壊2,306棟、床上浸水1,010棟、床下浸水4,538棟の住家被害が発生した。

台風第7号は、平成28年8月14日3時に北マリアナ諸島の西海上で発生した後、北上して関東の東海上から三陸沖を進み、17日17時30分頃に北海道襟裳岬付近に上陸して北海道を縦断し、18日3時にサハリン付近で温帯低気圧となった。

台風や前線の影響で、8月16日0時から18日6時までの降水量が北海道白老町森野で234.0ミリ、福島県福島市鷲倉で228.0ミリに達するなど、北日本を中心に大雨となった。

また、北海道釧路市釧路で最大風速31.8メートル、最大瞬間風速43.2メートルを観測するなど、北海道では猛烈な風が吹いた所があった。

この台風第7号の影響により、負傷者5名の人的被害、半壊9棟、床上浸水67棟、床下浸水173棟の住家被害が発生した。その他、がけ崩れ等の土砂災害が計6件発生したほか、東北電力管内の約2,260戸(ピーク時)で停電が発生した。

台風第11号は、平成28年8月20日9時に日本の東海上で発生し、北西進して東北地方に接近した後、三陸沖を北上し、21日23時過ぎに北海道釧路市付近に上陸して北海道を縦断し、22日3時にオホーツク海で温帯低気圧となった。

台風第9号は、8月19日15時に北マリアナ諸島の西海上で発生し、発達しながら北上し、22日未明には暴風域を伴いながら伊豆諸島に接近した。その後、22日12時半頃千葉県館山市付近に上陸し、関東地方、東北地方を縦断し、23日6時前には北海道日高地方中部に再び上陸して北海道を縦断したのち、23日12時にオホーツク海で温帯低気圧となった。

これらの台風や前線の影響で、東日本と北日本では大雨となり、8月20日0時から23日24時までの降水量は、静岡県伊豆市天城山で448.5ミリ、東京都青梅市青梅で297.5ミリ、北海道標津町糸櫛別で296.0ミリに達するなど、とりわけ北海道では、平年の8月の降水量の2倍近い大雨となった。

また、東京都八丈町八重見ヶ原で50.9メートル、千葉県勝浦市勝浦で45.5メートル、福島県いわき市小名浜で34.3メートルの最大瞬間風速を観測するなど、各地で猛烈な風が吹いた。

この台風第11号及び台風第9号の影響により、死者2名、負傷者87名の人的被害、全壊6棟、半壊17棟、床上浸水665棟、床下浸水2,581棟の住家被害が発生した。その他、がけ崩れ等の土砂災害が計65件発生したほか、東京電力管内の約104,200戸(ピーク時)、北海道電力管内の約710戸(ピーク時)で停電が発生し、北海道や茨城県の最大16,714戸で断水に見舞われた。

台風第10号は、平成28年8月21日に四国の南海上で発生し、26日には発達しながら北上し、30日朝には関東地方に接近、30日17時半頃、暴風域を伴ったまま岩手県大船渡市付近に上陸し、速度を上げながら東北地方を通過して日本海に抜け31日に温帯低気圧となった。台風が東北太平洋側に上陸したのは気象庁が1951年に統計を開始して以来、初めてであった。

台風第10号の影響で、岩手県宮古市、久慈市で1時間に80ミリの猛烈な雨となったほか、28日0時から31日6時までに北海道上士幌町で平年の8月一ヶ月に降る雨量を超える329ミリを観測し記録的な大雨となるなど、東北地方から北海道地方を中心に西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨となった。また、最大瞬間風速が岩手県宮古市で37.7メートル、北海道せたな町で36.5メートルなど東日本から北日本では暴風となり、海は猛烈なしけとなった所があった。

この台風第10号の影響により、死者・行方不明者27名、負傷者14名の人的被害、全壊513棟、半壊2,280棟、床上浸水278棟、床下浸水1,784棟の住家被害が発生した。その他、がけ崩れ等の土砂災害が計177件発生し、岩手県内では河川のはん濫や土砂崩落等により最大535世帯1,093名が孤立したほか、北海道電力管内の約40,380戸(ピーク時)、東北電力管内の約36,500戸(ピーク時)で停電が発生し、北海道や岩手県において最大約17,000戸で断水に見舞われた。

<2> 各府省庁等の対応

8月16日13時30分、台風第7号上陸前に関係省庁災害対策警戒会議を開催し、今後の気象の見通し及び各省庁の対応状況について情報共有を行うとともに、万全の態勢で対応していくことを確認した。

8月20日17時00分、台風第11号及び第9号の上陸前に関係省庁災害警戒会議を開催し、今後の気象の見通し及び各省庁の対応状況について情報共有を行うとともに、万全の態勢で対応していくことを確認した。

8月26日16時00分、内閣府特命担当大臣(防災)、内閣府副大臣(防災担当)、内閣府大臣政務官(防災担当)出席のもと、台風第11号及び第9号に係る関係省庁災害警戒会議及び台風第10号に係る関係省庁災害警戒会議を開催し、今後の気象の見通し、被害状況及び各省庁の対応状況について情報共有を行うとともに、万全の態勢で対応していくことを確認した。

同日、台風第10号への対応について、以下のとおり、内閣府特命担当大臣(防災)から国民へ呼びかけを行い、HP及びSNSにて公表した。

  1. 大型で非常に強い台風第10号が、暴風域を伴ったまま明日、30日には北日本や関東地方に接近・上陸する見込みです。北日本を中心に局地的に猛烈な雨、海上を中心に猛烈な風、海は猛烈なしけとなるところがあります。特に、東北地方では記録的な大雨となるおそれがあるため、人命に直結する土砂災害や河川のはん濫などに対して、特に厳重に警戒してください。
  2. 国民の皆様には、自らの身を守るため、市町村の勧告等に従い、早めの積極的な避難をお願いします。市町村からの勧告等がなくても、気象情報などに注意して、避難した方がいいのではないかとご自身で判断すれば、躊躇せず避難してください。避難場所まで行くことが危険だと感じたら、近隣のより安全な場所に、外へ出ることが既に危険だと感じたら、屋内の2階、3階等の安全な場所に避難してください。不要不急の外出を控えるとともに、水路・海岸等には絶対に近づかないでください。
  3. 重ねて、国民の皆様には、空振りを恐れず、避難行動など積極的に自らの身を守る行動をとっていただくようお願いします。

その後の台風上陸等の経過状況を踏まえ、8月29日13時30分、内閣府特命担当大臣(防災)、内閣府副大臣(防災担当)、内閣府大臣政務官(防災担当)出席のもと、関係省庁災害警戒会議(第2回)を開催し、今後の気象の見通し、被害状況及び各省庁の対応状況について情報共有を行うとともに、引き続き万全の態勢で対応していくことを確認した。

8月31日8時50分、内閣総理大臣から関係省庁に対して、以下のとおり指示が発出された。

  1. 早急に被害状況を把握すること
  2. 地方自治体とも緊密に連携し、人命を第一に、政府一体となって、被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むとともに、住民の避難支援等の被害の拡大防止の措置を徹底すること
  3. 国民に対し、避難や大雨・河川・浸水の状況等に関する情報提供を適時的確に行うこと

同日8時57分、関係省庁局長会議を開催し、総理指示を踏まえ被害状況の全容把握と救出・救助に全力を挙げることを確認し、同日13時00分、内閣府特命担当大臣(防災)、内閣府副大臣(防災担当)、内閣府大臣政務官(防災担当)出席のもと、関係省庁災害対策会議を開催し、今後の気象の見通し、被害状況及び各省庁の対応状況を確認し、引き続き政府一丸となって被害状況の把握や救出救助などの災害応急対策に全力で取り組んで行くことを確認した。(以降、同災害対策会議を計7回開催)

台風第10号に関し、岩手県知事及び北海道知事からの要請を受け、以下のとおり自衛隊の災害派遣を実施した。

ア 災害派遣の概要

  • 8月30日(火)19時55分、岩手県知事から陸上自衛隊第9特科連隊長(岩手)に対して、孤立者の救助、給水支援、道路啓開、人員及び物資の輸送、給食支援、入浴支援に係る災害派遣要請(撤収要請:9月16日(金)21時00分)
  • 8月31日(水)4時00分、北海道知事(十勝総合振興局長)から陸上自衛隊第5旅団長(帯広)に対して、孤立者の救助、行方不明者捜索、給水支援、入浴支援及び水防活動に係る災害派遣要請(撤収要請:9月18日(日)17時00分)
  • 8月31日(水)4時15分、北海道知事(上川総合振興局長)から陸上自衛隊第4特科群長(上富良野)に対して、孤立者の救助、給水支援、給食支援及び物資輸送に係る災害派遣要請(撤収要請:9月6日(火)19時00分)

イ 派遣規模実績

  • 岩手県 人員:延べ約2,090名、車両:延べ約690両、航空機:延べ77機
  • 北海道 人員:延べ約1,705名、車両:延べ約790両、航空機:延べ19機、偵察ボート:延べ5隻

また、警察組織は延べ1,217名を現地へ派遣し、救助活動等を実施した。

8月31日、内閣府情報先遣チームを岩手県(8月31日~9月2日)、北海道(8月31日~9月5日)に派遣した後、9月2日、政府現地連絡調整室を岩手県庁に設置した(9月 2日~9月16日)。

8月31日~9月1日、被害状況及び現地の対応状況等を把握するため、内閣府大臣政務官(防災担当)を団長とする政府調査団を岩手県に派遣し、被災自治体の首長と意見交換を行うとともに、被災現場の調査を実施した。

また、9月5日には、被害状況及び現地の対応状況等を把握するため、内閣府特命担当大臣(防災)を団長とする政府調査団を北海道に派遣し、被災自治体の首長と意見交換を行うとともに、被災現場の調査を実施した。

9月14日、内閣総理大臣が北海道を訪問し、ヘリコプターで帯広市の被災状況を上空から視察した後、農業関係者等、被災自治体の首長との意見交換を実施した。(当初予定していた岩手県への訪問は、悪天候により中止)

10月8日、内閣総理大臣が岩手県を訪問し、台風により被害を受けた岩泉町の認知症高齢者グループホーム及び乳業の工場施設を視察し、避難所を訪問した後、被災自治体の首長との意見交換を実施した。

この台風第10号による災害に伴い、北海道は20市町村、岩手県は12市町村に災害救助法が適用されるとともに、被災者生活再建支援法が適用された。


[災害救助法の適用]

【北海道】(8月30日適用)

帯広市、南富良野町、音更町、士幌町、上士幌町、鹿追町、新得町、清水町、芽室町、中札内村、更別村、大樹町、広尾町、幕別町、池田町、豊頃町、本別町、足寄町、陸別町、浦幌町

【岩手県】(8月30日適用)

盛岡市、宮古市、久慈市、遠野市、釜石市、大槌町、岩泉町、田野畑村、普代村、軽米町、野田村、一戸町


[被災者生活再建支援法の適用]

【北海道】(8月30日適用)

室蘭市、南富良野町、白老町、洞爺湖町、新得町、清水町、幕別町

【岩手県】(適用日:8月30日)

県内全域

この他、台風第7号、台風第11号、台風第9号及び台風第10号により全国各地に甚大な被害がもたらされたことにより、平成28年8月16日から9月1日にかけて一連の気象現象として「平成28年8月16日から9月1日までの間の暴風雨及び豪雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」について、全国を対象とする激甚災害に指定し、当該災害に適用すべき措置(公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例、公立社会教育施設災害復旧事業に対する補助、私立学校施設災害復旧事業に対する補助、市町村が施行する感染症予防事業に関する負担の特例、小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等)を指定した。また、北海道南富良野町並びに岩手県宮古市、久慈市、岩泉町を対象として、当該災害に適用すべき措置(中小企業信用保険法による災害関係保証の特例)を指定した(9月23日公布・施行)。

その後、「平成28年8月16日から9月1日までの間の暴風雨及び豪雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」の一部を改正し、全国を対象に当該災害に適用すべき措置として、水産動植物の養殖施設の災害復旧事業に対する補助を追加した(10月13日公布・施行)。

15-3 平成28年台風第16号

<1> 災害の状況

台風第16号は、平成28年9月13日3時に北マリアナ諸島の西海上で発生し、17日12時頃沖縄県与那国島付近を北上したのち、東シナ海を北東に進み、20日0時過ぎに強い勢力で鹿児島県大隅半島に上陸した後、四国沖を北東進し、同日13時半頃に和歌山県田辺市付近に再上陸し、更に同日17時過ぎに愛知県常滑市付近に再上陸した後、同日21時に東海道沖で温帯低気圧となった。

台風と前線の影響で、鹿児島県枕崎市で20日0時19分までの1時間に115ミリなど、各地で猛烈な雨を観測し、16日から20日にかけての期間降水量は宮崎県日向市で607ミリとなるなど、東日本から西日本にかけて200ミリを超える大雨となり、西日本では9月の平年の降水量の1.5倍を超えた所がある。

また、沖縄県与那国町で17日10時6分に最大瞬間風速66.8メートル、鹿児島県枕崎市で20日0時8分に最大瞬間風速44.5メートルを観測するなど、南西諸島から西日本にかけて猛烈な風が吹き、海上では大しけとなった。

この台風第16号の影響により、死者1名、負傷者47名の人的被害、全壊8棟、半壊65棟、床上浸水489棟、床下浸水1,941棟の住家被害が発生した。その他、がけ崩れ等の土砂災害が計233件発生したほか、九州電力管内の約181,900戸をはじめ延べ約182,560戸で停電が発生し、九州地方を中心とした最大3,249戸で断水被害に見舞われた。

<2> 各府省庁等の対応

政府では、台風上陸前の9月16日に関係省庁災害警戒会議を開催し、今後の気象の見通し及び各省庁の対応状況について情報共有を行うとともに、万全の態勢で対応していくことを確認した。

9月20日13時00分、内閣府副大臣(防災担当)、内閣府大臣政務官(防災担当)出席のもと、関係省庁災害対策会議を開催し、引き続き、政府一体となって、災害応急対策に全力を尽くすことを確認した。

この台風第16号の災害により、「平成28年9月17日から同月21日までの間の暴風雨及び豪雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」について、全国を対象とする激甚災害に指定し、当該災害に適用すべき措置(農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例、小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等)を指定した。また、鹿児島県垂水市を対象として、当該災害に適用すべき措置(公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助、小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等)を指定した(10月26日公布・施行)。

その後、「平成28年9月17日から同月21日までの間の暴風雨及び豪雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」の一部を改正し、措置(公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助、小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等)が適用される区域に高知県三原村を追加した(3月10日公布・施行)。

15-4 平成28年鳥取県中部を震源とする地震[最大震度6弱]

<1> 災害の状況

平成28年10月21日14時7分、鳥取県中部を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、鳥取県倉吉市、湯梨浜町、北栄町で震度6弱、鳥取県鳥取市、三朝町、岡山県鏡野町、真庭市で震度5強を観測したほか、中国地方を中心に関東地方から九州地方にかけて震度5弱~1を観測した。

この地震により、負傷者32名、住家全壊18棟、住家半壊290棟などの被害を生じた。また、ライフライン関係では、中部電力管内の延べ約77,100戸で停電が発生し、鳥取県や岡山県の最大16,187戸で断水に見舞われた。

<2> 各府省庁等の対応

地震発生直後、平成28年10月21日14時10分、内閣総理大臣から関係省庁に対して、以下のとおり指示が発出された。

  1. 早急に被害状況を把握すること
  2. 地方自治体とも緊密に連携し、政府一体となって、被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むこと
  3. 国民に対し、避難や被害等に関する情報提供を適時的確に行うこと

総理指示を踏まえ、緊急参集チーム協議において災害応急対策に万全を期すことを確認した。

同日18時00分、関係省庁災害対策会議を開催し、被害状況及び各省庁の対応状況について確認した。

現地では、鳥取県知事からの要請を受け、以下のとおり自衛隊の災害派遣を実施した。

ア 災害派遣の概要

  • 10月21日(金)19時22分、鳥取県知事から陸上自衛隊第8普通科連隊長(米子)に対して、給水支援等に係る災害派遣要請(撤収要請:10月28日(金)17時00分)

イ 派遣規模実績

  • 人員:延べ約620名、車両:延べ約140両、航空機:延べ13機

また、警察組織は延べ226名を現地へ派遣し、警戒活動等を実施した。

10月22日14時00分、関係省庁災害対策会議(第2回)を開催し、地震活動の見通し、被害状況及び各省庁の対応状況について情報共有を行うとともに、引き続き万全の態勢で対応していくことを確認した。

10月26日16時00分、内閣府特命担当大臣(防災)、内閣府副大臣(防災担当)、内閣府大臣政務官(防災担当)出席のもと、関係省庁災害対策会議(第3回)を開催し、地震活動の見通し、被害状況及び各省庁の対応状況について情報共有を行うとともに、被災自治体と連携し、避難所における生活環境の確保に万全を態勢で取り組んでいくことを確認した。

10月29日、被害状況及び現地の対応状況等を把握するため、内閣府副大臣(防災担当)を団長とする政府調査団を鳥取県へ派遣し、被災自治体の首長と意見交換を行うとともに、被災現場及び避難所の調査を実施した。

この地震による災害により、鳥取県倉吉市、三朝町、湯梨浜町、北栄町に災害救助法が適用(10月21日適用)されるとともに、鳥取県倉吉市、北栄町に被災者生活再建支援法が適用された(10月21日適用)。

15-5 平成28年新潟県糸魚川市大規模火災

<1> 災害の状況

平成28年12月22日10時20分頃、新潟県糸魚川市大町地区において大規模火災が発生し、強風により、全焼120棟、半焼5棟、部分焼22棟、約4万平米に及ぶ大規模火災となった。

市街地火災としては、昭和51年の酒田の大火以来、40年ぶりの規模であった。

この火災により、住民2名が軽傷、消火活動に当たった消防団員15名軽傷等の人的被害が発生した。

<2> 各府省庁等の対応

12月28日被害状況及び現地の対応状況等を把握するため、内閣府副大臣(防災担当)を団長とする政府調査団を新潟県糸魚川市に派遣し、被災自治体の首長等と意見交換を行うとともに、被災現場及び避難所の調査を実施した。

12月30日この火災は強風による自然災害として、新潟県糸魚川市に災害救助法及び被災者生活再建支援法が適用された(12月22日適用)。

平成29年1月11日内閣総理大臣が現地を視察し、被災者・新潟県知事・糸魚川市長等との意見交換を行い、国、県、市が一体となって「糸魚川復興まちづくり推進協議会」を立ち上げることとした。


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