第5章 国際防災協力
1 多国間協力
(1)国際関係経費
内閣府においては、第3回国連防災世界会議で策定された「仙台防災枠組」の普及・定着を図るとともに、我が国の災害から得られた経験・知見・技術を活かし、戦略的な国際防災協力の展開、アジア地域における多国間防災協力に加え、その他二国間防災協力を推進する。
- 29年度予算額
- 233百万円
- 28年度予算額
- 247
- 差引増△減
- △14
(2)新たな国際的な防災政策の指針・枠組みの推進経費
内閣府においては、第3回国連防災世界会議で策定された「仙台防災枠組」が国内外において定着し、着実に実施されるため、我が国の取組を共有するとともに、各国の防災実務者の能力強化を図り、「仙台防災枠組」の定着に資する国際防災協力を検討する。
- 29年度予算額
- 40百万円
- 28年度予算額
- 40
- 差引増△減
- △0
(3)防災ICTシステムの国際展開の推進
総務省においては、ASEAN地域等の自然災害多発国に対して、各国のニーズを踏まえ、我が国での多年の経験、ノウハウをもとに培った防災ICTシステムの実証実験・民間企業と連携した先方政府への働きかけや国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)を通じた働きかけ等を実施し、我が国の防災ICTシステムの海外展開を推進する。
- 29年度予算額
- ICT国際競争力強化パッケージ支援事業(606百万円)の内数
- 28年度予算額
- ICT国際競争力強化パッケージ支援事業(772百万円)の内数
(4)消防の国際協力及び国際貢献の推進
消防庁においては、主としてアジア圏内の国を対象に、消防防災能力の向上に資するため、我が国の消防技術、制度等を広く紹介する国際消防防災フォーラムを開催する。また、日韓における消防分野に関する情報交換を目的として日韓消防行政セミナーを開催する。
- 29年度予算額
- 4百万円
- 28年度予算額
- 5
- 差引増△減
- △1
(5)国際消防救助隊の海外派遣体制の推進
消防庁においては、国際消防救助隊の一層の強化を図るため、迅速な派遣体制の整備を図るとともに、国際消防救助隊の連携訓練や教育訓練の核となる指導員の育成、また、全ての国際消防救助隊登録消防本部を対象にしたセミナーの開催など国際消防救助隊員の教育訓練等の一層の充実を図る。
(現状)連携訓練及びセミナー参加隊員数
- 25年度
- 227人
- 26年度
- 213人
- 27年度
- 221人
(目標)3か年を1サイクルとし、1サイクルで全ての国際消防救助隊登録隊員(599人)が訓練参加
- 29年度予算額
- 16百万円
- 28年度予算額
- 17
- 差引増△減
- △1
(6)消防防災インフラシステムの海外展開の推進
消防庁においては、急速な人口増加や経済成長に伴い、大規模ビルや石油コンビナート等における火災や爆発のリスクが増大している新興国等に対して、消防防災設備、資機材等の展示・実演等の現地ワークショップを実施し、我が国の消防防災インフラシステムの海外展開を推進する。
- 29年度予算額
- 2百万円
- 28年度予算額
- 2
- 差引増△減
- △0
(7)国連・国際機関等への拠出
外務省においては、国連等と協力し「仙台防災枠組2015-2030」の着実な実施や「世界津波の日」の啓発活動等を推進するため、国連国際防災戦略(UNISDR)事務局への拠出等を行う。また、リアルタイムに世界の災害情報を提供するリリーフウェブ等を管理・運営する国連人道問題調整事務所(UNOCHA)の活動等を支援する。
- 29年度予算額
- 757百万円(UNISDR等:628百万円,UNOCHA:129百万円)
- 28年度予算額
- 522(UNISDR等:393百万円,UNOCHA:129百万円)
- 差引増△減
- 235
(8)衛星を利用した防災に関する国際協力の推進
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構においては、アジア太平洋地域における衛星の災害関連情報の共有を目的として我が国が主導する「センチネルアジア」等の国際的な取組を通じて、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の観測データ等を活用し、海外の災害状況把握に貢献する。
- 29年度予算額
- 運営費交付金111,286百万円の内数 等
- 28年度予算額
- 運営費交付金105,343百万円の内数 等
(9)防災分野の海外展開支援
国土交通省においては、世界における水防災対策の推進及び我が国の水防災技術の海外展開に資する環境整備等に寄与するため、国連防災と水に関する事務総長特使の活動支援等を通して、水防災に係る国際目標の達成等に向けた活動を推進する。
- 29年度予算額
- 65百万円
- 28年度予算額
- 65
- 差引増△減
- 0
(10)気象業務の国際協力
気象庁においては、アジア太平洋域各国に対し、台風や豪雨等の監視に資する静止気象衛星画像、台風の解析・予報に関する資料、季節予報資料及び気候監視情報等を提供するとともに、利用技術や人材育成を支援する活動を行う。
(11)北西太平洋津波情報の提供
気象庁においては、北西太平洋域における津波災害の軽減に資するため、米国海洋大気庁太平洋津波警報センターと連携し、津波の到達予想時刻や予想される高さ等を北西太平洋関係各国に対して提供する。
(12)油流出事故等に対する国際協力推進
海上保安庁においては、日本海及び黄海等における海洋環境の保全を近隣諸国とともに進める「北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)」への参画や、各国関係機関との合同油防除訓練を通じて、事故発生時に関係国が協力して対応できる体制の構築に努め、国際的な連携を図る。