平成29年版 防災白書|第3部 第1章 8 危険物災害対策


8 危険物災害対策

(1)危険物災害の防止に関する研究

消防庁においては、次の研究を行う。

  • 危険物施設の老朽化を踏まえた長寿命化対策

    施設・設備の長期間使用により老朽化した危険物施設に活用できる腐食状態のモニタリング技術や診断技術を調査し、老朽化を踏まえた施設類型毎の点検のあり方について検討を行うとともに、施設の長寿命化のための補修・補強方法及び施設の長期間使用を前提とした技術基準のあり方について検討を行う。(後掲 第2章8-2(3))。

    29年度予算額
    18百万円
    28年度予算額
    0
    差引増△減
    18
  • 危険物施設の事故防止対策等

    危険物の事故情報等を基に、事故の原因や傾向等を分析し、その結果を都道府県等へ提供するとともに、消防白書に掲載する。また、危険物等事故防止対策情報連絡会等を開催し、危険物に係る事故防止対策の推進に係る検討等を行う(後掲 第2章8-2(3))。

    29年度予算額
    11百万円
    28年度予算額
    11
    差引増△減
    0
  • 新技術・新素材の活用等に対応した安全対策の確保に係る調査検討

    危険物を大量に貯蔵する屋外タンク貯蔵所は、保安検査や補修工事等の際にはタンクの健全性を確認するために各種検査を行うこととされており、従来の手法より高精度な検査による事故件数の低減や安全性を担保したうえでの検査コストの抑制を目指し、新技術等を用いた検査技術の高度化・合理化を図るための検討を行う。(後掲 第2章8-2(3))。

    29年度予算額
    11百万円
    28年度予算額
    11
    差引増△減
    △0
  • 危険物の事故・災害の抑止に係る研究開発

    石油タンクなど産業施設やエネルギー施設の強靭化と消火技術の効率化のために、<1> 石油タンクの地震被害に関する高精度予測(石油タンク本体に被害をもたらすおそれの高い短周期地震動の性状の特定、地下構造の違いによるタンク毎の長周期地震動の影響等)、<2> 石油タンク等の火災規模や油種等に応じた強力な泡消火技術、<3> 石油コンビナートで貯蔵・取り扱われる反応性の高い化学物質(禁水性物質、蓄熱発火性物質など)の火災危険性に関するより適切な評価と消火時の安全管理技術についての研究開発を行う。

    29年度予算額
    23百万円
    28年度予算額
    27
    差引増△減
    △4
  • 火災・危険物流出等事故原因調査に関する調査

    (再掲 第1章7(1)

    特異な火災事案が発生した際、今後の防火安全対策に有効な知見を得るために火災原因調査を行い、火災原因調査技術の高度化を図るために必要な現地調査用資機材、サンプル採取・分析方法、火災現象の再現方法、火災原因の推定・特定手順等について体系的な調査研究を行う。

    29年度予算額
    16百万円
    28年度予算額
    18
    差引増△減
    △2
(2)爆発防止等に関する研究

国立研究開発法人産業技術総合研究所においては、火薬類に代表される爆発性化学物質や水素あるいは自然冷媒等の可燃性ガスの爆発安全及び利用技術の研究を行い、爆発防止及び爆発影響低減化技術の開発を行う。また、産業保安では、事故事例データベース等を整備し共通基盤技術の研究を行う。

(現状)平成28年度は、火薬類の爆発影響低減化技術に関する研究では地中式火薬庫の爆風指向性を明らかにするため室外実験と数値解析を実施した。可燃性ガスに関して、水素ならびに自然冷媒の燃焼・爆発影響に係る安全性評価に資するデータ整理のため、実験と数値解析を実施した。また、リレーショナル化学災害データベースに、新規事故事例、事故分析手法PFAを用いて分析した重大事故詳細分析事例を登録し、インターネット上で一般公開した。さらに、事故事例から現場保安に役立つチェックポイントを抽出した。

(目標)災害事例、国民の安全・安心に係る技術上の情報を整備し、社会に提供する。リレーショナル化学災害データベースには継続的に新規事故事例、事故詳細分析事例を登録する。チェックポイントを容易に検索できるソフトウェアを開発する。


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