平成29年版 防災白書|第1部 第1章 第1節 1-2 防災訓練の取組


1-2 防災訓練の取組

災害発生時には、国の行政機関、地方公共団体、指定公共機関等の防災関係機関が一体となって、住民と連携した適切な対応をとることが求められることから、平時より、関係機関が連携した訓練等、防災への取組を行うことが重要である。このため、防災関係機関は、災害対策基本法、防災基本計画その他の各種規程等に基づき、災害発生時の応急対策に関する検証・確認と住民の防災意識の向上を目的として、防災訓練を実施することとされている。

平成28年度は、防災訓練実施に当たっての基本方針や政府における総合防災訓練等について定めた「平成28年度総合防災訓練大綱」に基づき、以下のような各種訓練を実施した。

(1)「防災の日」総合防災訓練

平成28年9月1日、「防災の日」に地震発生直後を想定した訓練を行った。まず、安倍内閣総理大臣を始めとする全閣僚が徒歩で官邸に参集した。その後、全閣僚が参加する緊急災害対策本部(東日本大震災のような著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合に設置される災害対策本部)の会議を開催し、三重県知事、和歌山県知事及び高知県知事とのテレビ会議を通じた被害状況や支援要請の把握、各閣僚からの被害・対応状況の報告、人命最優先での対応方針の確認や政府調査団の派遣、現地対策本部の設置等を行うなど、地方公共団体等と連携しながら、地震発生直後の応急対策の実施体制の確保、手順確認等を図った。また、会議の一部を報道機関へ公開するとともに、会議終了後に安倍内閣総理大臣が記者会見を行い、NHK中継を通じて国民に協力の呼びかけを行い、政府の初動対応について国民に対する発信を行った。

また、同日は、さいたま市を主会場とする九都県市合同防災訓練も行われており、安倍内閣総理大臣は官邸からヘリコプターで訓練会場へ移動、会場内で行われている高速道路事故救出訓練や傷病者トリアージ訓練等を視察するとともに、AEDを用いた応急救護訓練に参加した。

政府本部運営訓練(緊急災害対策本部会議の様子)
政府本部運営訓練(緊急災害対策本部会議の様子)
AEDを用いた応急救護訓練に参加する安倍内閣総理大臣
AEDを用いた応急救護訓練に参加する安倍内閣総理大臣
(2)政府図上訓練

平成28年11月に南海トラフ地震、平成29年1月には首都直下地震を想定し、各関係省庁職員の知識・練度の向上を目的とした図上訓練を実施した。実際の災害に近い状況を模擬した上で、事前に訓練のシナリオを訓練参加者に知らせない実践的な訓練を実施した。また、計画やマニュアルに規定された応急対策の有効性について、訓練を踏まえた検証を行った。

現地対策本部とのテレビ会議の様子(南海トラフ地震を想定した訓練)
現地対策本部とのテレビ会議の様子(南海トラフ地震を想定した訓練)
事務局訓練の様子(南海トラフ地震を想定した訓練)
事務局訓練の様子(南海トラフ地震を想定した訓練)

地域ブロック毎の訓練では、平成28年11月に四国(高松)、12月に和歌山、平成29年1月に静岡において、南海トラフ地震を想定した緊急災害現地対策本部運営訓練を実施した。また、東京においても、平成29年1月に首都直下地震を想定した緊急災害現地対策本部運営訓練を実施した。

報告を受ける松本内閣府副大臣(和歌山緊急災害現地対策本部運営訓練)
報告を受ける松本内閣府副大臣(和歌山緊急災害現地対策本部運営訓練)

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.