平成28年版 防災白書|第1部 第1章 第5節 国土強靱化の推進のための取組


第5節 国土強靱化の推進のための取組

国土強靱化については、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法(平成25年法律第95号)」に基づき、平成26年6月3日に「国土強靱化基本計画」を閣議決定するとともに、平成27年6月16日に国土強靱化推進本部において「国土強靱化アクションプラン2015」(以下、この節において「アクションプラン2015」という。)を決定した。それを踏まえ、現在、各府省庁において国土強靱化に関する取組が進められているところである。

アクションプラン2015においては、平成26年8月に発生した広島市での土砂災害や同年9月の御嶽山噴火等の発生を踏まえて、

  • 土砂災害警戒区域等の指定に向けた基礎調査の実施支援
  • 土砂災害警戒情報の市町村への通知等の義務付け
  • 常時観測火山の見直しを含む火山監視・観測体制の強化
  • 噴火時等の具体的で実践的な避難計画の策定促進
等の施策について、新たに取組を推進することとした。

あわせて、45の「起きてはならない最悪の事態」を回避するための施策群(以下、この節において「プログラム」という。)ごとの重要業績指標(KPI:Key Performance Indicator)について、平成26年度中の取組を反映し、目標達成等による指標の高度化や現状値の迅速な把握等による精度向上を実施するとともに、プログラム全体の進捗状況の把握、プログラム間の進捗状況の比較を行うための統合進捗指数(IPI:Integrated Program Index)を試行的に導入した。

また、地方公共団体においては、国土強靱化地域計画(以下、この節において「地域計画」という。)の策定が進められている。平成28年4月5日時点で、28都道府県14市区町が既に策定済みであり、19府県27市町村が地域計画の策定に向けて取り組んでいる。地方公共団体に対して地域計画の制度に対する理解を促進するため、国の職員による説明会等を行う(平成27年度で合計57回)とともに、地方公共団体が地域計画に基づき実施する取組については、関係府省庁所管の32の交付金・補助金等の交付の判断にあたって一定程度配慮するなどの支援を行っている(図表1-1-15)。

図表1-1-15 国土強靱化地域計画の策定に向けた取組(予定を含む)を公表している地方公共団体図表1-1-15 国土強靱化地域計画の策定に向けた取組(予定を含む)を公表している地方公共団体

さらに国土強靱化を実効性あるものにするためには、民間企業等の主体的な取組も大変重要であり、それらをより一層推進すべく、先進的な取組事例を「民間の取組事例集」としてとりまとめた。平成28年3月現在、241事例を掲載しており、今後も事例の充実・情報の更新等に取り組んでいく。

あわせて、事業継続の取組等を積極的に取り組んでいる民間企業等を「国土強靱化貢献団体」として第三者が認証することができるよう、平成28年2月にガイドラインを提示した(図表1-1-16)。

図表1-1-16 国土強靱化 民間の取組事例集図表1-1-16 国土強靱化 民間の取組事例集

加えて、平時から強くしなやかな国づくりについて国民一人ひとりが考えるリスクコミュニケーションの観点から、平成27年度に、関係府省庁や関係機関と連携し学習教材「防災まちづくり・くにづくり」を作成し、使用希望のあった全国の学校約1万5千校等に約277万部配布した。今後、学校の授業等での積極的な活用を促していく(図表1-1-17)。

図表1-1-17 防災まちづくり・くにづくり図表1-1-17 防災まちづくり・くにづくり

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