平成28年版 防災白書|第1部 第1章 第1節 1-1 防災基本計画の修正


第1部 我が国の災害対策の取組の状況等

我が国は、その自然的条件から、各種の災害が発生しやすい特性を有しており、平成27年1年間でも、豪雨災害、噴火、大雪、地震など様々な災害が発生した。第1部では、最近の災害対策の施策、特に平成27年度に重点的に実施した施策の取組状況を中心に記載するものとする。

第1章 災害対策に関する施策の取組状況

第1節 防災体制、事前防災

1-1 防災基本計画の修正

防災基本計画は、災害対策基本法第34条に基づき、中央防災会議が作成する我が国の防災に関する基本的な計画である。防災基本計画に基づき、地方公共団体は地域防災計画を、指定行政機関及び指定公共機関は防災業務計画を作成することとされている。

平成27年度は、平成27年7月及び平成28年2月の2回、防災基本計画の修正を行った。

(1)広島市での土砂災害や御嶽山噴火災害等の教訓を踏まえた修正(平成27年7月)

平成27年7月の修正は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の改正や、中央防災会議防災対策実行会議の下に置かれた総合的な土砂災害対策検討ワーキンググループ及び火山防災対策推進ワーキンググループの報告、さらに政府の危機管理組織の在り方に係る副大臣会合の最終報告等の反映を主な内容としたものである。

第1に、土砂災害対策の強化として、土砂災害の危険性のある区域の明示や、土砂災害警戒情報・避難準備情報の活用、住民の適時適切な避難行動のための周知等を行うこととした。

第2に、火山災害対策の強化として、情報伝達体制の強化や、火山噴火からの適切な避難方策の検討、火山防災教育や火山研究体制の強化、監視観測体制の強化等を図ることとした。

第3に、複合災害対策の強化として、緊急災害対策本部と原子力災害対策本部の情報収集、意思決定及び指示・調整の一元化を図ることとした。

このほか、最近の災害対応の経験を踏まえ、実動組織間の調整や重要情報の集約・調整に関する事項が追加されるとともに、各対策に関する具体的な実施主体の明確化等を行った(図表1-1-1)。

(2)活火山法の改正や最近の災害対応の教訓等を踏まえた修正(平成28年2月)

平成28年2月の修正は、活動火山対策特別措置法の改正等の制度改正を踏まえた防災対策の強化及び最近の災害対応の教訓を踏まえた運用の改善の反映を主な内容としたものである。

第1に、制度改正を踏まえた防災対策の強化として、火山災害警戒地域における警戒避難体制の整備など火山防災対策の強化、最大規模の洪水・内水・高潮を想定した浸水被害対策の強化、災害廃棄物処理に係る平時の備えから大規模災害時の対応までの対策の強化等を図ることとした。

第2に、最近の災害の教訓を踏まえた運用の改善として、「平成27年9月関東・東北豪雨」による災害を踏まえ、地方公共団体における業務継続体制の充実・強化を図ることとした(図表1-1-2)。

図表1-1-1 防災基本計画修正(平成27年7月)の概要図表1-1-1 防災基本計画修正(平成27年7月)の概要
図表1-1-2 防災基本計画修正(平成28年2月)の概要図表1-1-2 防災基本計画修正(平成28年2月)の概要

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