平成26年版 防災白書|第1部 第2章 第2節 2-4 復興関連制度等の活用状況


2-4 復興関連制度等の活用状況

(1)復興特区制度による特例の活用状況

平成24年1月から運用されている「東日本大震災復興特別区域法」に基づく復興推進計画については、同年2月の認定以降、医療・福祉サービスの確保、応急仮設建築物等の規制の特例や設備投資に係る即時償却等の税制上の特例、利子補給金の支給等を内容とする計画が着実に認定され、平成26年3月末日時点で、計106の計画が認定された。また、課税の特例の適用に必要な事業者の指定状況の件数及び事業者数は、平成26年4月末時点でそれぞれ2,780件、2,199者となっている。

また、復興整備計画については、平成24年3月に岩手県及び宮城県の9市町村が計画を公表して以降、順次公表が進み、平成26年4月1日時点で、岩手県の10市町村、宮城県の14市町、福島県の6市町の計30市町村が、集団移転促進事業や市街地開発事業等、計588地区の事業を公表している。

(2)復興交付金制度の活用状況

復興交付金は、地震、津波等により著しい被害を受けた地域における、災害復旧だけでは対応が困難な失われた市街地の再生等の復興地域づくりを支援するものであり、平成24年3月から平成26年3月までの間に、8道県及び98市町村に対し、計8回、事業費2兆4,953億円、国費2兆203億円が交付されている。

具体的には、住まいの確保を進めるため、災害公営住宅整備事業で6,126億円、防災集団移転促進事業で5,076億円を配分し、また、生業の再生のため、水産・漁港関連施設整備として1,927億円、農地整備、農業用機械施設等の整備として1,396億円を配分している。復興交付金は、必要な事業の幅広い一括化、自由度の高い効果促進事業、全ての地方負担への手当て、基金による執行の弾力化等、既存の交付金等を超えた各種の手当てにより、極めて柔軟な制度として制度設計された。その後も被災地の要望を踏まえ、復興のステージの高まりに対応した採択対象の拡大、効果促進事業の制度見直し、事務手続の簡素化等の対応を行っている。また、津波復興拠点における拠点施設の整備や企業用地の整備、震災遺構の保存など、住宅、生業の再生にとどまらないまちづくりの新たな課題にも対応している。

(3)取崩し型復興基金の活用

東日本大震災からの復興に向けて、制度の隙間を埋めて必要な事業の柔軟な実施が可能となる資金を確保できるよう、平成23年度第2次補正予算で増額された特別交付税のうち1,960億円を活用して、特定被災地方公共団体である9県における取崩し型復興基金の設置について財政措置が講じられた。被災団体においては、地域の実情に応じて、住民生活の安定やコミュニティの再生、地域経済の振興・雇用維持等について、単年度予算の枠に縛られずに弾力的かつきめ細かに対処できる資金として、取崩し型復興基金を有効に活用している。

また、津波による被災地域において、安定的な生活基盤(住まい)の形成に資する施策を通じて住民の定着を促し、復興まちづくりを推進する観点から、被災団体が、津波被災地域の住民の定着促進について、地域の実情に応じて弾力的かつきめ細かに対応することができるよう、平成24年度補正予算で震災復興特別交付税を1,047億円増額し、津波被災地域を抱える県の復興基金の積増し等について財政措置が講じられた。


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