平成26年版 防災白書|第1部 第1章 第4節 4-6 竜巻災害対策


4-6 竜巻災害対策

(1)竜巻災害の現況

竜巻は、積乱雲又は積雲に伴って発生する鉛直軸をもつ激しい渦巻きであり、年間を通じて日本のどこでも発生し、特に台風シーズンである9月に最も多く発生している。竜巻等の突風による災害は、破壊力が大きく、人命のみならず住家、交通機関等へ局地的に甚大な被害をもたらす場合がある。平成25年においては、9月に埼玉県及び千葉県において発生した竜巻により甚大な被害が発生したほか、11月までに栃木県、秋田県等で竜巻による被害に見舞われた。近年の主な竜巻被害は、図表1-1-69のとおりである。

図表1-1-69 近年の主な竜巻被害

図表1-1-69 近年の主な竜巻被害

図表1-1-70 竜巻の強さの指標(藤田スケール)

図表1-1-70 竜巻の強さの指標(藤田スケール)
(2)竜巻災害対策への取組状況

平成25年9月に埼玉県越谷市などで甚大な竜巻災害が発生したことを受け、関係府省庁により構成される「竜巻等突風対策局長級会議」において竜巻災害対策の検討を行い、同年12月には、同会議において、予測情報の改善、災害情報等の伝達の在り方、防災教育の充実、建造物の被害軽減策の在り方、被災者支援の在り方を今後の取り組むべき施策として取りまとめた(図表1-1-71)。

図表1-1-71 「竜巻等突風対策局長級会議」報告概要

図表1-1-71 「竜巻等突風対策局長級会議」報告概要

これを受けて、関係府省庁は以下の施策を推進することとしている。

<1> 竜巻の目撃情報を活用した確度の高い竜巻注意情報の発表

竜巻の3割は複数で発生することから、竜巻が目撃された場合に次の竜巻に備えることができるよう、一部の県において試行している消防本部を通じ住民から竜巻目撃情報を収集する仕組みを拡大すること等により、確度の高い「竜巻注意情報」の発表を図る。

<2> 竜巻災害に関するパンフレット等を活用した周知・広報活動の実施

竜巻の発生しやすい気象状況を理解し、竜巻発生の予兆となるような黒い雲の発生などの周囲の状況変化に気づいた際に自ら退避行動を取ることができるよう、竜巻災害に関するパンフレット等を活用し、周知・広報活動を実施する(図表1-1-72)。

<3> 竜巻を含めた自然災害の被災者への公平で迅速な支援

「被災者に対する国の支援の在り方に関する検討会」がまとめた「最近の竜巻等突風被害を踏まえた被災者支援の推進に関する提言」(平成25年12月)を踏まえ、関係機関と協議等を行いながら、できる限り早期に必要な対応を実施する。


図表1-1-72 竜巻から身を守ろうパンフレット(抜粋)

図表1-1-72 竜巻から身を守ろうパンフレット(抜粋)

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