平成26年版 防災白書|第1部 第1章 第4節 4-1 地震・津波災害対策


第4節 発生が危惧される災害種別ごとの対策取組状況

4-1 地震・津波災害対策

(1)地震・津波想定等の適切な見直し

東日本大震災の経験を踏まえ、防災対策で対象とする地震・津波災害について、想定すべき地震動、津波高等を見直し、地震津波対策を進めていく必要がある。

このため、政府では、地震・津波の発生メカニズムや被害の把握・分析を行い、さらに、地震動推定・津波高等の推計、被害想定、対策の検討に取り組んでいる。

<1> 地震・津波の想定及び対策の全般的な見直し

これまでの想定をはるかに超える巨大な地震・津波が発生し、甚大な人的・物的被害が生じたことから、中央防災会議では、東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会(以下「地震・津波対策専門調査会」)を平成23年4月に設置した。

この地震・津波対策専門調査会では、地震・津波対策の全般的な見直しについて検討し、想定地震・津波の考え方、地震・津波による被害の軽減対策、大規模地震への備え等の今後の災害対策の基礎となる提言を取りまとめた(平成23年9月)。この中で今後、地震・津波の想定に当たっては、津波堆積物調査等の科学的知見に基づき、「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震・津波を検討していくべきである」とし、「想定地震、津波に基づき必要となる施設設備が現実的に困難となることが見込まれる場合であっても、ためらうことなく想定地震・津波を設定する必要がある」と指摘している。

これを踏まえ、中央防災会議において、後述するように、南海トラフ地震及び首都直下地震の被害想定の見直しと対策の検討を行っている。

<2> 地震に関する評価方法及び地震調査研究の在り方の見直し

文部科学省が事務局を務める地震調査研究推進本部地震調査委員会では、東日本大震災の発生を踏まえ、地震の発生する場所、規模、確率の評価(長期評価)手法の改善及び海溝型地震の長期評価について、順次、改訂していくこととしており、平成25年5月には南海トラフの地震活動の長期評価(第二版)、平成26年4月には相模トラフ沿いの地震活動の長期評価(第二版)を公表した。

また、東北地方太平洋沖地震を契機として指摘された確率論的地震動予測地図に関する課題を解決するため、地震動ハザード評価に関する検討を進めているほか、長期的な観点から地震に伴う津波の予測を行うための手法の検討や、津波の長期的発生予測についての検討なども進めている。

また、地震調査研究推進本部では、東日本大震災の教訓や課題を踏まえ、今後10年間の地震調査研究の方針を示した「新たな地震調査研究の推進について」(平成21年4月策定)を平成24年9月に改訂した。地震・津波等による被害の軽減に確実に貢献する地震調査研究を目指し、海域の地震・津波観測網の着実な整備や、地震調査研究成果の普及・啓発等を図ることとしている。

<3> 地震・津波防災対策の推進

これまで地震対策大綱に記載していた、今後の課題として検討すべき項目、個別の具体的な施策は、各地震に共通の内容が多く、特別措置法で定める地震防災対策推進地域等の地域に関わらず、防災・減災のための大規模地震対策として一体的に進めていくべきものである。

このため、平成26年3月28日、既存の地震対策大綱(東海地震対策大綱、東南海・南海地震対策大綱、首都直下地震対策大綱、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策大綱、中部圏・近畿圏直下地震対策大綱)を統合した上で、東日本大震災等から得られた最新の知見を踏まえ、南海トラフ巨大地震や首都直下地震に係る対策検討ワーキンググループが取りまとめた最終報告で示された新たな課題等を追加し、今後発生するおそれのある大規模地震への防災・減災対策として個別の具体的な施策等を網羅的に取りまとめた「大規模地震防災・減災対策大綱」(図表1-1-36)を新たに策定した。

また、特定の大規模地震への防災・減災対策として、南海トラフ地震については、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する法律」に基づき、「南海トラフ地震防災対策推進地域」(1都2府26県707市町村)において、広域かつ甚大な被害に対応するため、国・地方公共団体等関係者間の発災時における連携協力体制の構築を進めるとともに、「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」(1都13県139市町村)において、津波避難施設・避難路の整備等、南海トラフ地震対策の最大の課題である津波避難対策を重点的に進めていくこととしている。首都直下地震については、「首都直下地震対策特別措置法」に基づき、「首都直下地震緊急対策区域」において、感震ブレーカー等の設置による出火防止対策や木造密集市街地における炎症被害の抑制対策、発災時における道路啓開・交通渋滞対策、業務継続計画の推進等、首都中枢機能の確保を図るための取組を重点的に進めていくこととしている。

なお、津波防災対策においては、海岸堤防の整備等のハード対策に加えて、特に人命を守るという観点からは、住民等の円滑な避難が重要であることから、11月5日の津波防災の日を中心に津波避難訓練を実施するなど、津波避難対策を強力に推進することとしている。

図表1-1-36 大規模地震防災・減災対策大綱の概要 図表1-1-36 大規模地震防災・減災対策大綱の概要
(2)南海トラフ地震対策

<1> 南海トラフ地震対策の必要性

駿河湾から九州にかけての太平洋沖のフィリピン海プレートと日本列島側のユーラシアプレートが接する境界に南海トラフは形成されている。南海トラフでは、100年から150年程度の周期でマグニチュード8クラスの海溝型地震が発生しており、東海、東南海、南海地震の三つの震源域が同時あるいは一定の時間差をもって動くことによる地震が過去生じている。

近年では、安政元年(1854年)に安政東海地震と安政南海地震が、昭和19年(1944年)に昭和東南海地震が、昭和21年(1946年)に昭和南海地震が発生している。東海地震の領域は発生から160年が経っており、また、東南海・南海地震については前回地震から60年余りが経過していることから、今世紀前半にもこの地域での地震の発生が懸念されている(図表1-1-37)。

図表1-1-37 1600年以降に南海トラフで発生した巨大地震 図表1-1-37 1600年以降に南海トラフで発生した巨大地震

<2> 地震・津波の想定の見直し

従来の南海トラフで発生する大規模な地震の想定は、過去に発生した地震と同様な地震に対して備えることを基本として、過去数百年に発生した地震の記録を再現することを念頭に地震モデルを構築してきた。しかし、地震・津波対策専門調査会の考え方に基づき、最大クラスの地震・津波について検討を進めていくことが必要となった。これにより、科学的知見に基づき想定すべき最大クラスの地震・津波を検討するため、内閣府に「南海トラフの巨大地震モデル検討会」を設置した(平成23年8月)。

検討会では、まず、南海トラフで発生した過去の地震について、古文書調査、津波堆積物調査、遺跡の液状化痕跡調査及び地殻変動調査を整理した結果、現時点の資料では過去数千年間に発生した地震・津波を再現しても、それが今後発生する可能性のある最大クラスの地震・津波とは限らないため、地震学的知見を踏まえた、あらゆる可能性を考慮した巨大地震モデルを構築することとした。

また、構築した最大クラスの地震モデルに基づき、震度分布と津波高・浸水域の推計を行った。

この推計は、現時点の最新の科学的知見に基づき、発生しうる最大クラスの地震・津波を推計したものである。この最大クラスの地震・津波は、南海トラフ沿いにおいて次に起こる地震・津波を予測したものではなく、その発生時期を予測することは出来ないが、その発生頻度は極めて低いものであることに留意する必要がある。

<3> 最大クラスの地震の震源域・震度分布・津波高等の推計結果

検討会では、プレート境界の形状等の断層モデルに係る科学的知見を踏まえ、最大クラスの想定震源断層域を設定した(平成23年12月)。中央防災会議が平成15年に公表した従前の東海・東南海・南海地震の想定震源断層域よりも大きく拡大することとなった(図表1-1-38)。

図表1-1-38 南海トラフの巨大地震の新たな想定震源断層域 図表1-1-38 南海トラフの巨大地震の新たな想定震源断層域

また、同検討会は、最大クラスの震度分布・津波高・浸水域等(10mメッシュ)の推計結果を第2次報告として取りまとめた(平成24年8月29日)。

震度分布については、強震波形計算による震度分布4ケース及び経験的手法による震度分布1ケースの計5ケースを推計した。防災対策の前提とすべき震度分布は、これらの震度の最大値の分布図とした。その結果は、図表1-1-39のとおりで、関東から四国・九州にかけて極めて広い範囲で強い揺れが想定される。

具体的には、震度6弱が想定される地域は21府県292市町村、震度6強が想定される地域は、21府県239市町村、震度7が想定される地域は10県151市町村である(市町村数には政令市の区を含む(以下同じ))。

図表1-1-39 震度の最大値の分布図 図表1-1-39 震度の最大値の分布図

津波高・浸水域については、津波断層モデルを設定し、「基本的な検討ケース」(計5ケース)と「その他派生的な検討ケース」(計6ケース)の計11ケースで行った。結果を概観すると、津波高は、大きな断層すべりの領域(大すべり域、超大すべり域)が設定された地域が他に比べ高くなっている。ケース<1>の津波高の平均値(満潮位)の高さ別市町村数は、5m以上は124市町村(13都県)、10m以上:21市町村(5都県)である(図表1-1-40)。

浸水域は、極めて広い範囲が想定され、最大となるケースは約1,015km2である。「駿河湾~紀伊半島沖」に大きな被害が想定されるケース<1>の浸水面積別市町村数は、1,000ha以上2,000ha未満が17市町村、2,000ha以上3,000ha未満が5市町村、3,000ha以上が2市町村である。

図表1-1-40 最大クラスの津波高 図表1-1-40 最大クラスの津波高

<4> 今後の推計予定

「南海トラフの巨大地震モデル検討会」では、超高層ビル等と共振して被害をもたらすおそれのある、長周期地震動等について検討を進めている。

<5> 被害想定結果及び最終報告

「南海トラフの巨大地震モデル検討会」による震度分布や津波高等の推計結果を受けて、中央防災会議「防災対策推進検討会議」の下に新たに「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」を設置した(平成24年3月7日)。このワーキンググループにおいて、7月に津波に強い地域構造の構築や安全で確実な避難の確保等を内容とする中間報告を、8月に人的被害・建物被害の想定結果(図表1-1-41)を、平成25年3月に経済被害等の想定結果(図表1-1-42)を、5月に最終報告を取りまとめた(図表1-1-43)。

図表1-1-41 平成24年8月 人的被害・建物被害の想定 図表1-1-41 平成24年8月 人的被害・建物被害の想定
図表1-1-42 平成25年3月 経済被害等の想定 図表1-1-42 平成25年3月 経済被害等の想定
図表1-1-43 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ最終報告の概要 図表1-1-43 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ最終報告の概要

<6> 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法

南海トラフ巨大地震の被害想定等の公表を受け、特に人命を守る観点から、その最大の課題である津波避難対策をはじめハード・ソフト両面からの総合的な地震防災対策の推進を図るため、議員立法により昨年11月、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の改正がなされ、法律の対象地震が東南海・南海地震から南海トラフ地震に拡大されるとともに、津波避難対策を充実・強化するための財政上の特例措置等が追加された。

また、国、地方公共団体、ライフライン・インフラ事業者等の関係機関の相互連携を強化することを目的に「南海トラフ巨大地震対策協議会」を設置しているが、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」の施行に伴い、本協議会が法律に位置付けられたため、今後、法定の協議会への移行に向け、関係者等の調整を図っていくこととしている(図表1-1-44)。

図表1-1-44 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の概要 図表1-1-44 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の概要

<7> 南海トラフ地震防災対策推進地域及び南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域

平成26年3月28日、南海トラフ巨大地震の震度分布や津波高等を踏まえ、南海トラフ地震に係る地震防災対策を推進すべき地域として1都2府26県707市町村を「南海トラフ地震防災対策推進地域」(図表1-1-45)に、また、南海トラフ地震に伴う津波に係る津波避難対策を特別に強化すべき地域として1都13県139市町村を「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」(図表1-1-46)に指定した。

図表1-1-45 南海トラフ地震防災対策推進地域 図表1-1-45 南海トラフ地震防災対策推進地域
図表1-1-46 南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域 図表1-1-46 南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域

<8> 南海トラフ地震防災対策推進基本計画

平成26年3月28日、政府は、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に基づき、「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」を中央防災会議において決定した(図表1-1-47)。同計画においては、南海トラフ地震防災対策の基本的な方針として、極めて広域にわたって強い揺れと巨大な津波が発生するなどの南海トラフ地震の特徴を踏まえ、国、公共機関、地方公共団体、事業者、住民など様々な主体が連携し、計画的かつ速やかに、ハードとソフトを組み合わせた総合的な防災対策を推進することとしている。また、この方針を踏まえて、今後10年間で達成すべき減災目標を、死者数を概ね8割、建物被害を概ね5割減少させることとし、建築物の耐震化・不燃化や津波ハザードマップの作成、地域コミュニティの防災力の向上といった減災目標を達成するための具体的な施策をその目標及び達成期間とともに示している。

本計画に基づき、地方公共団体等において、「南海トラフ地震防災対策推進計画」及び「津波避難対策緊急事業計画」が作成されるとともに、民間の施設管理者等において「南海トラフ地震防災対策計画」が作成されることとなる。内閣府においては、これらの計画が速やかに作成されるよう、必要な助言などの支援を行うとともに、本計画の適切なフォローアップを通じて、関係者が一体となった南海トラフ地震対策の推進を図っていくこととしている。

図表1-1-47 南海トラフ地震防災対策推進基本計画の概要 図表1-1-47 南海トラフ地震防災対策推進基本計画の概要
(3)首都直下地震対策

<1> 首都直下地震対策の必要性

首都圏において、大規模な首都直下地震が発生し、政治、行政及び経済の中枢機能に障害が生じた場合、我が国全体にわたって国民生活及び経済活動に支障が及ぶとともに、海外への被害の波及が懸念される。

また、首都圏に集中している膨大な人的・物的資源への被害も懸念されるところである。

首都圏では、大正12年に発生した関東地震(関東大震災)のような海溝型のマグニチュード8クラスの巨大地震が200~400年間隔で発生するものと考えられている。現在、関東地震から約90年を経過したところであり、次の海溝型巨大地震の発生は、今後100年から200年程度先と考えられている。一方、次の海溝型の地震に先立って、マグニチュード7クラスの「首都直下地震」が数回発生することが予想されており、その切迫性が指摘されている。

<2> 地震・津波の想定の見直し

中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」(平成15年5月~平成17年7月)では、18パターンの首都直下地震を想定し、切迫性が高い地震であること、都心部の揺れが強いこと、震度6弱以上の強い揺れの分布が広域であること等から、北米プレートとフィリピン海プレートとの境界で発生する「東京湾北部地震」を中心に被害想定及び対策の検討を行った。しかし、南海トラフ地震と同様に、地震・津波対策専門調査会の報告書の考え方を踏まえ、これまで想定対象としてきたマグニチュード7クラスの地震の検証・見直しを行うとともに、相模トラフ沿いで発生する規模の大きなマグニチュード8クラスの地震も想定対象に加えることとし、これらの検討を行うために、内閣府に「首都直下地震モデル検討会」を設置(平成24年5月)した。

本検討会では、まず、東北地方太平洋沖地震における研究成果、南海トラフの巨大地震モデルの知見、文部科学省首都直下地震防災・減災特別プロジェクト等の先行的調査の成果等を検討・整理し、これらの結果を踏まえ、首都直下で発生する地震を点検・修正し、想定する地震断層モデル及びその震度分布・津波高等を検討した。新たなプレートの形状に基づいた大正関東地震の再現計算により震源断層域を推定した結果、前回(中央防災会議(2004))、「東京湾北部地震」等を想定した領域は、大正関東地震の断層すべりにより既に応力が解放された領域にあると推定された。このため今回の検討においては、フィリピン海プレート内の地震を、主たる検討対象の地震に加えることとした。

また、相模トラフ沿いで発生する最大クラスの地震については、科学的な知見に基づくあらゆる可能性を考慮した震源断層モデル及び震度分布・津波高等を検討した。そして、これら様々なタイプの地震の発生履歴と地震発生の可能性を整理し、防災対策の検討対象とするべき地震、津波について取りまとめた(平成25年12月)。

<3> 想定地震と震度分布・津波高等の推計結果

防災・減災対策の対象とする地震は、切迫性の高いM7クラスの首都直下地震を対象とすることとした。M7クラスの首都直下地震には、様々なタイプが考えられる。北米プレートとフィリピン海プレートとの境界の地震、フィリピン海プレートの内の地震、浅い地殻内の地震、活断層の地震等があり、発生場所が特定できないタイプの地震は都区部直下や中核都市直下の地震を想定した(計19地震)。そのうち、被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都区部直下の都心南部直下地震(フィリピン海プレート内の地震)を被害想定の対象とした(図表1-1-48)。

相模トラフ沿いの海溝型のM8クラスの地震に関しては、当面発生する可能性は低いが、今後百年先頃には発生する可能性が高くなっていると考えられる大正関東地震タイプの地震・津波を長期的な防災・減災対策の対象として考慮することが妥当とした。また、延宝房総沖地震タイプの地震については、太平洋プレートの沈み込みに伴う津波地震の可能性が高く、東北地方太平洋沖地震の震源断層域の南側に位置し、誘発される可能性のある地震と考えられることから、関係する地域では、津波避難の対象として対策を検討する必要があるとした。

なお、元禄関東地震タイプの地震や相模トラフ沿いの最大クラスの地震は、2,000年~3,000年もしくはそれ以上の間隔で発生しており、その直近のものは、約300年前の元禄関東地震であることから、これらの地震が次の相模トラフ沿いの海溝型地震として発生するとは考えにくいため、当面の防災・減災対策の対象とはしていない(図表1-1-49、50)。

図表1-1-48 都心南部直下地震(プレート内)震度分布図 図表1-1-48 都心南部直下地震(プレート内)震度分布図
図表1-1-49 検討対象とするべき地震(M7クラスの首都直下地震及び海溝型地震) 図表1-1-49 検討対象とするべき地震(M7クラスの首都直下地震及び海溝型地震)
図表1-1-50 相模トラフ沿い地震発生履歴 図表1-1-50 相模トラフ沿い地震発生履歴

想定地震による震度分布について、強震波形計算によりM7クラスの直下地震(19地震)と海溝型地震(3地震)による震度分布を推計した。

防災・減災対策の対象の地震としたM7クラスの地震である都心南部直下地震では、断層の直上付近で震度6強、その周辺のやや広域の範囲に6弱、地盤の悪いところでは一部で震度7が想定される(図表1-1-51)。なお、M7クラスの地震はどこで起きるかわからないことから、このケースに限定することなく、全ての地域での耐震化等の対策を講じる必要がある(図表1-1-52)。

図表1-1-51 都心南部直下地震(プレート内)震度分布図 図表1-1-51 都心南部直下地震(プレート内)震度分布図
図表1-1-52 首都直下のM7クラスの地震による震度分布を重ねた震度分布図 図表1-1-52 首都直下のM7クラスの地震による震度分布を重ねた震度分布図

また、大正関東地震タイプの地震が発生した場合は、首都地域の広域にわたり大きな揺れが発生し、神奈川県と千葉県の海岸周辺において震度6強以上の揺れとなる(図表1-1-53)。

想定地震による津波について、最小10m間隔で構築した地形データを用い、海溝型地震による海岸の津波高、陸上への浸水を推計した。

大正関東地震タイプの地震が発生すると、神奈川県と千葉県の海岸周辺において、地震から5~10分以内で6~8m程度の高さの津波が想定される(図表1-1-54)。

図表1-1-53 大正関東地震タイプの地震の震度分布 図表1-1-53 大正関東地震タイプの地震の震度分布
図表1-1-54 大正関東地震タイプの地震の津波高分布(満潮時) 図表1-1-54 大正関東地震タイプの地震の津波高分布(満潮時)

延宝房総沖地震タイプの地震については、太平洋プレートの沈み込みに伴う津波地震の可能性が高い。この地震による海岸での津波は、房総半島から茨城県の太平洋沿岸及び伊豆諸島の広い範囲で6~8m、高いところで10m程度が想定される。

M7クラスの直下地震についても、地殻内の浅い地震、プレート内地震、活断層の地震、相模灘の地震による津波について津波高を推計した。いずれの場合も東京湾内での津波高は1m以下である。

<4> 今後の推計予定

「首都直下地震モデル検討会」では、超高層ビル等と共振して被害をもたらすおそれのある、長周期地震動等について検討を進めている。

<5> 被害想定結果及び最終報告

中央防災会議「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」において、首都直下で発生が想定される19パターンの地震について検討を行った。検討に当たっては、防災減災対策への活用に主眼を置き、人的・物的被害等の定量的な想定のみならず、被害が発生した場合の被災地の状況について時間経過を踏まえ、相互に関連して発生しうる事象に関して、対策実施の困難性を含め、より現実的に想定を行った。

想定の結果、首都中枢機能への影響と被災量が概ね最も大きくなる地震として、都心南部直下で発生した地震の被害想定について、被害の様相と対策すべき事項等を検証し、平成25年12月に最終報告として取りまとめた。

最終報告で報告された被害想定の概要は図のとおりである(図表1-1-55)。

図表1-1-55 首都直下地震対策検討ワーキンググループ最終報告における被害想定結果の概要 図表1-1-55 首都直下地震対策検討ワーキンググループ最終報告における被害想定結果の概要

<6> 首都直下地震対策特別措置法

「首都直下地震対策特別措置法(平成25年法律第88号)」(図表1-1-56)は、平成25年11月に、首都直下地震が発生した場合において首都中枢機能の維持を図るとともに、首都直下地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的として、議員立法により制定された。同法では、政府においては、首都中枢機能の維持を始めとする首都直下地震に関する施策の基本的な事項を定める「緊急対策推進基本計画」及び政府の業務の継続に関する事項を定める「行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画」(政府業務継続計画)を作成するとともに、地方公共団体においては、地域の実情を勘案し、地方公共団体自らの判断によって具体的な目標を定めて、様々な首都直下地震対策を計画的に推進すべく「地方緊急対策実施計画」等を作成することができるとし、計画的な首都直下地震対策の推進を図るものである。また、首都中枢機能の維持及び滞在者等の安全確保を図るべき地区を「首都中枢機能維持基盤整備等地区」として指定(平成26年3月現在で千代田区、中央区、港区及び新宿区)し、必要な基盤整備等を図ることとしている。

図表1-1-56 首都直下地震対策特別措置法(概要) 図表1-1-56 首都直下地震対策特別措置法(概要)

<7> 首都直下地震緊急対策区域

平成26年3月28日、首都直下地震の震度分布や津波高等を踏まえ、首都直下地震により著しい被害が生じるおそれがあるため緊急に地震防災対策を推進する必要がある区域として、1都9県310市町村を「首都直下地震緊急対策区域」(図表1-1-57)に指定した。

図表1-1-57 首都直下地震緊首急都対直策区下域 図表1-1-57 首都直下地震緊首急都対直策区下域

<8> 首都直下地震緊急対策推進基本計画

平成26年3月28日、政府は、「首都直下地震対策特別措置法」に基づき、「首都直下地震緊急対策推進基本計画」を閣議決定した(図表1-1-58)。

同計画においては、首都直下地震対策の意義として、<1>首都中枢機能の継続性の確保は必要不可欠であること、<2>予防対策・応急対策で被害を大きく減少させることが可能であること、とし、対策の基本的な方針として、

  • 首都中枢機能の確保のための首都中枢機関の業務継続体制の構築とそれを支えるライフライン及びインフラの維持
  • 膨大な人的・物的被害へ対応するため、あらゆる対策の大前提としての耐震化と火災対策、深刻な道路交通麻痺対策、膨大な数の避難者・帰宅困難者対策等
  • 社会のあらゆる構成員が連携した「自助」「共助」「公助」による社会全体での首都直下地震対策の推進
  • 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた対応

等を示している。

本計画に基づき、地方公共団体において、「首都中枢機能維持基盤整備等計画」、「地方緊急対策実施計画」、「特定緊急対策事業推進計画」が作成されることとなり、内閣府においては、これらの計画が速やかに作成されるよう、必要な助言などの支援を行うとともに、本計画の適切なフォローアップを通じて、国、公共機関、地方公共団体、事業者、住民などが一体となった首都直下地震対策の推進を図っていくこととしている。

図表1-1-58 首都直下地震緊急対策推進基本計画の概要 図表1-1-58 首都直下地震緊急対策推進基本計画の概要

<9> 政府の業務継続体制の確保

平成26年3月28日、政府は、「首都直下地震対策特別措置法」に基づく「行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画」として、「政府業務継続計画(首都直下地震対策)」(図表1-1-59)を閣議決定した。

同計画においては、首都直下地震発生時において、どのような事態に対しても、首都中枢機能の維持を図り、国民生活及び国民経済に及ぼす影響を最小化するため、首都直下地震発生時に政府として維持すべき必須機能を<1>内閣機能、<2>被災地域への対応、<3>金融・経済の安定、<4>国民の生活基盤の維持、<5>防衛及び公共の安全と秩序の維持、<6>外交関係の処理とし、これに該当する中央省庁の非常時優先業務を円滑に実施することができるよう、一週間外部から庁舎に補給なしで、交代で非常時優先業務を実施できる体制を目指すこととしている。

各省庁においては、本計画に基づき、それぞれの省庁業務継続計画を改定し、必要な執行体制、執務環境の確保等を図ることとしており、これらの取組を通して、首都直下地震発生時においても政府機能が麻痺することのないよう、業務継続体制を構築していくこととしている。

図表1-1-59 政府業務継続計画(首都直下地震対策)の概要 図表1-1-59 政府業務継続計画(首都直下地震対策)の概要

<10> 帰宅困難者等対策

東日本大震災時には、首都圏において約515万人(内閣府推計)の帰宅困難者が発生した。このことは、首都直下地震発生時に備え、帰宅困難者等対策を一層強化する必要性を顕在化させた。

帰宅困難者等対策は、一斉帰宅の抑制、一時滞在施設の確保、帰宅困難者等への情報提供、駅周辺等における混乱防止、徒歩帰宅者への支援、帰宅困難者の搬送等、多岐にわたる。また、膨大な数の帰宅困難者等への対応は、首都直下地震による多数の死傷者・避難者が想定される中にあって、行政機関による「公助」だけでは限界があり、「自助」や「共助」も含めた総合的な対応が不可欠である。

このため、帰宅困難者等対策を強化するためには、国、地方公共団体、民間企業等が連携・協働して取組を進めることが重要である。

内閣府と東京都は、帰宅困難者等対策について、国、地方公共団体、民間企業等が、それぞれの取組に係る情報を共有するとともに、横断的な課題や取組について検討するため、関係機関の協力を得て、平成23年9月に「首都直下地震帰宅困難者等対策協議会」を設置した。また、その下に具体的な対策を検討する幹事会、個別の課題を検討する3つのワーキンググループを設置した。

約一年にわたり平時における事前準備や災害時における行動の在り方について活発な議論を重ね、平成24年9月に最終報告を取りまとめた(図表1-1-60)。

最終報告の内容は以下のとおりである。

i.一斉帰宅の抑制

「むやみに移動を開始しない」という基本原則を徹底するため、第2回協議会において決定した「一斉帰宅抑制の基本方針」の下で、関係機関等は「企業等における施設内待機」及び「大規模集客施設や駅等における利用者保護」の取組を進める。

ii.一時滞在施設の確保

帰宅困難者等を一時的に受け入れるための「一時滞在施設」の運営方法を明確にすること等により、「一時滞在施設」を可能な限り確保する。

iii.帰宅困難者への情報提供

帰宅困難者等へ適時・適切な情報を提供するため、情報提供に関し、関係機関等の連携や平時からの取組等を推進する。

iv.駅周辺等における混乱防止

地方公共団体は、駅周辺の事業者や学校等からなる「駅前滞留者対策協議会」の設置を推進する。

v.徒歩帰宅者への支援

長距離を徒歩で帰宅せざるを得ない帰宅困難者を支援するため、「災害時帰宅支援ステーション」の充実や認知度向上、「帰宅支援対象道路」の拡大や地域での取組等を推進する。

vi.帰宅困難者の搬送

災害時要援護者を基本とした帰宅困難者の搬送について、今後、「帰宅困難者搬送マニュアル(仮称)」を策定する。

vii.ガイドラインの策定

帰宅困難者等の対策について、五つのガイドライン(「事業所における帰宅困難者対策ガイドライン」、「大規模な集客施設や駅等の利用者保護ガイドライン」、「一時滞在施設の確保及び運営のガイドライン」、「帰宅困難者等への情報提供ガイドライン」、「駅前滞留者対策ガイドライン」)を策定した。


最終報告を踏まえ、残された課題や新たに顕在化する課題について情報を共有するとともに、対応策を検討するため、平成25年1月に「首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整会議」を設置し、一時滞在施設の確保など実務的な検討を継続して行っている。

また、帰宅困難者対策も含めた都市の防災機能の向上を図るため、平成24年度に「都市再生特別措置法」が改正され、都市再生安全確保計画制度が創設された。今後、大規模な地震の発生に備え、退避経路、退避施設、備蓄倉庫等の整備等のハード対策、退避施設への誘導、災害情報・運行再開見込み等の交通情報の提供、備蓄物資の提供及び避難訓練等のソフト対策を定めた都市再生安全確保計画又は同計画に準じたエリア防災計画の作成により、官民の連携による都市の安全確保対策を進めることが重要である。

図表1-1-60 首都直下地震帰宅困難者等対策協議会最終報告の概要 図表1-1-60 首都直下地震帰宅困難者等対策協議会最終報告の概要
(4)津波避難対策の強化

<1> 津波警報の改善

東北地方太平洋沖地震で発表した津波警報等においては、津波警報の第1報で推定した地震規模の過小評価、広帯域地震計の測定範囲を超える地震波の発生による更新報発表の遅れ等様々な教訓があった。気象庁は、これらの教訓を踏まえ、津波警報の改善に向けた検討を進め、津波警報の技術的改善を図るとともに、より避難行動に結びつくよう情報文の内容を改善し、平成25年3月7日から新しい津波警報等情報文の運用を開始した。

具体的には、マグニチュード8を超えるような巨大地震や津波地震では、地震規模を3分程度で正確に推定することは困難であることから、推定した地震規模が過小である可能性がある場合は、当該海域で想定されている最大の地震規模又は想定断層を用いて津波警報の第1報を発表する。この場合、通常の地震とは異なる非常事態であることを伝えるため、予想される津波の高さを「巨大」(大津波警報の場合)、「高い」(津波警報の場合)と表現することとした。

また、大きな揺れでも振り切れにくい広帯域強震計を整備・活用し、巨大地震であっても地震発生約15分程度後までにマグニチュードを適切に求め、これを用いてより確度の高い津波警報の更新報を発表する。この場合の予想される津波の高さは数値で発表する。

実際に津波を観測した際には津波観測に関する情報を発表するが、観測された津波の高さが予想より十分低い段階では「観測中」として発表する。さらに、沖合の津波観測施設において実際に津波を観測したことをいち早く伝えるため、沖合の津波観測に関する情報を新たに設け、GPS波浪計のほか、より沖合に設置しているケーブル式・ブイ式海底津波計による津波の観測値及び観測値から推定される沿岸での津波の高さ等を発表することとした。

<2> 地震・津波の観測・調査

文部科学省では、地震・津波の観測・監視体制の強化を目的として、東南海地震想定震源域では「地震・津波観測監視システム(DONET)」の整備を完了し、南海地震想定震源域においても平成27年度の本格運用を目指し、整備を進めているところである。東北地方太平洋沖を中心とした日本海溝沿いにおいても、ケーブル式海底地震・津波計(「日本海溝海底地震津波観測網」)を、平成27年度の本格運用を目指し、整備を進めているところである。いずれの観測網においても、平成25年度は、観測機器の製造や敷設ルートの事前調査等を行った。これらの観測網のデータは、緊急地震速報や津波警報等の地震発生時の災害情報の高度化に貢献するとともに、地震・津波の将来発生予測等に活用される予定である。

国土交通省、内閣府、文部科学省では、日本海側の道府県による津波浸水想定の設定を支援するため、国による基礎調査の一環として、平成25年1月から「日本海における大規模地震に関する調査検討会」を開催し、日本海側で想定される津波発生の要因となる大規模な地震についての検討が進められている。

また、文部科学省では、「日本海地震・津波調査プロジェクト」(平成25年~平成32年度)において、防災・減災対策のための重点的な調査研究として、日本海側の沖合、沿岸域を含む地下構造の把握のための新たな調査等を実施するとともに、「海域における断層情報総合評価プロジェクト」(平成25年~平成31年度)において地震調査研究推進本部による地震及び津波の評価に資するため、日本全国周辺の海域について海域断層データベースの構築等を実施することとしている。

<3> 津波避難対策に関する検討

中央防災会議「防災対策推進検討会議」に設置した「津波避難対策検討ワーキンググループ」において、平成24年7月、最終報告を取りまとめた(図表1-1-61)。

具体的には、素早い避難は最も有効で重要な津波対策であること、津波による人的被害を軽減するためには、住民等一人ひとりの迅速かつ主体的な避難行動が基本となること、その上で、海岸保全施設等のハード対策や確実な情報伝達等のソフト対策は、全て素早い避難の確保を後押しする対策と位置付けるべきものであることを基本的考え方とし、揺れたら避難といった「主体的な避難行動の徹底」、多様な情報伝達手段の整備等の「避難行動を促す情報の確実な伝達」、避難場所・避難施設の整備等の「より安全な避難場所の確保」、地域性を考慮した具体的な津波避難計画の策定、徒歩避難の原則と自動車避難の限界等の「安全に避難するための計画の策定」、防災教育を行う人材の確保等の「主体的な避難行動を取る姿勢を醸成する防災教育の推進」を内容とする今後の津波避難対策を取りまとめた。

図表1-1-61 津波避難対策検討ワーキンググループ最終報告の概要 図表1-1-61 津波避難対策検討ワーキンググループ最終報告の概要

<4> 市町村における津波避難対策の推進

消防庁では、東日本大震災を踏まえ、今後発生が懸念される巨大地震等に起因する津波に対する地方公共団体の取組を推進するため、平成24年6月から有識者や地方公共団体関係者等を委員とする検討会を開催し、「津波避難対策推進マニュアル検討会報告書」を公表するとともに、地方公共団体に通知した(平成25年3月)。

報告書では、平成14年3月に作成した都道府県が市町村に示す「市町村における津波避難計画策定指針」及び「地域ごとの津波避難計画策定マニュアル」について、東日本大震災の教訓や知見、それに基づく制度の見直しのほか、2市町において実施したワークショップや津波避難訓練の内容を反映している。

今後は、津波避難の専門家を市町村に派遣するなど、引き続き市町村における津波避難計画の策定を促進していくこととしている。

内閣府、農林水産省及び国土交通省は、平成16年3月に、市町村等における津波及び高潮ハザードマップの作成を支援するため、「津波・高潮ハザードマップマニュアル」を作成した。

東日本大震災において広域に大津波が発生し、大きな被害をもたらしたことを踏まえ、平成23年12月に「津波防災地域づくりに関する法律」が制定され、津波災害警戒区域を含む市町村において津波ハザードマップの作成が義務付けられた。また、「津波避難対策検討ワーキンググループ報告」(平成24年7月)において、東日本大震災では、津波ハザードマップの浸水想定を超えて浸水した地域が多かったことや住民の認知度が必ずしも高くなかったこと等の課題が示され、同マニュアルの見直しの必要性が指摘された。

これらを踏まえ、同マニュアルについて、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの津波・高潮による浸水想定を基本とすることや、住民の認知・理解を促進するハザードマップの利活用方法の充実等を内容とする改訂を進めている。


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