平成26年版 防災白書|特集 第2章 5 事業者の状況


5 事業者の状況

また、東日本大震災等においては、事業者の自助・共助による防災活動も注目されたほか、事業者による地域との連携や共生の重要性が指摘されるようになっていることから、事業者の自助・共助による活動についても整理しておきたい。

まず、企業における防災計画の策定率が平成25年度には75.0%(平成21年度比19.8ポイント増)になったほか、事業継続計画(BCP)の策定率が平成25年度には53.6%(平成23年度比7.8ポイント増)になる等その取組が進んでいる(図表14)。

図表14 企業における防災計画及びBCPの策定状況図表14 企業における防災計画及びBCPの策定状況

次に、企業による防災に関する地域コミュニティとの協力の内容については、平時からの連絡体制構築(32.3%)、災害時応援協定の締結(28.9%)、平時からの協議会等設置(15.3%)等が上位にあがっている(図表15)。

図表15 企業における地域コミュニティとの協力の内容図表15 企業における地域コミュニティとの協力の内容

このうち、特に、災害時応援協定の締結率を時系列的にみると、前回の平成23年度調査時より14.1ポイント増加している(図表16)。

図表16 企業の災害時応援協定の締結率図表16 企業の災害時応援協定の締結率

このように事業者の自助・共助による防災活動が活発化したのは、東日本大震災等を受けて企業の防災意識が高まったためであると思われる。


ここまでで明らかになった点は、以下のような点である。

まず、自助・共助の必要性や地域防災力の強化に関する国民の意識の高まりが明らかになった。

また、地域コミュニティにおける一般的な地域活動(地縁活動)と防災活動の関係は深くなっており、一般的な地域活動(地縁活動)の活性化が防災活動の活発化につながり、それが地域防災力の強化にもつながると思われる。

次に、国民は、地域の防災活動の活性化のためには、地域コミュニティにおける防災に関する人・組織がしっかりしていること、また、公助において、関連制度や支援に関する情報をしっかり発信することを求めていることから、今後、行政において地域コミュニティにおける防災活動の体制づくりを支援するとともに、積極的に関連情報の提供を行う等地域コミュニティと行政が連携して対応していくことが重要になる。

さらに、事業者による地域との連携・共生の重要性が指摘されるようになっていることから、防災に関する事業者と地域コミュニティとの協力関係も進展しており、今後、このような連携・共生の促進が、地域コミュニティ全体の防災力の向上につながっていくと思われる。


このような状況を踏まえるならば、国民(地域住民)や事業者の防災活動の活性化が重要になることから、以下では、平成25年の「災害対策基本法」の改正において盛り込まれた、地区の居住者と事業者(地区居住者等)による自発的な防災活動を促進し、行政と連携して、地域防災力を強化することを目的として創設された地区防災計画制度について紹介する。


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