次頁4 平成24年台風第17号
4－1 災害の状況
9月21日3時にフィリピンの東海上で発生した台風第17号は，28日9時に石垣島の南海上で進路を北東へ変え，30日15時頃に和歌山県潮岬付近を，17時半頃三重県志摩半島付近を通過した後，19時頃に愛知県東部に上陸した。台風は関東甲信地方，東北地方を通過した後，10月1日21時に千島列島の東海上で温帯低気圧に変わった。この台風により，非常に激しい雨が降り猛烈な風が吹いた。また，海上は猛烈なしけとなり，沿岸では高潮が発生した。
この台風により，死者1名及び負傷者182名の人的被害が発生した。また，住家被害としては，住家全壊53棟，住家半壊178棟，住家一部破損1,679棟，床上浸水196棟，床下浸水929棟等の被害が発生した。
土砂災害は，6県で19件が発生した。
河川については，2水系2河川で計画高水位を超え，2水系3河川で氾濫危険水位を超え，各地で浸水被害等が発生した。
ライフライン関係においては，約28万900戸が停電となったほか，上水道は，愛知県，三重県，鹿児島県及び沖縄県おいて9,888戸が断水した。通信関係では，固定電話で障害が発生し，携帯電話基地局が停波した。
道路については，最大時で高速道路23路線，直轄国道13区間，県管理国道17区間及び都道府県道43区間で通行止めとなった。
鉄道については，24路線で運転休止となった。
公共土木施設では，河川380箇所，海岸（港湾海岸は除く）6箇所，砂防（急傾斜地含む）8箇所，道路（橋梁含む）304箇所，港湾10箇所及び公園5箇所で被害が発生した。
農林水産施設等では，農地584箇所，農業用施設703箇所，林地荒廃43箇所，治山施設13箇所，林道施設901箇所，漁港5箇所等に被害が生じた。
文教施設等では，国立学校施設11校，公立学校施設175校，私立学校施設42校，社会教育・体育，文化施設等108施設及び文化財等20件に被害が発生した。
社会福祉施設等は，22施設で被害が発生した。