平成25年版 防災白書|第1部 第2章 1 平成24年5月に発生した突風等


第2章 平成24年以降に発生した主な災害

平成24年は,風水害による被害が顕著であった。5月竜巻等の突風,7月九州北部豪雨,8月の前線による大雨,9月の台風第17号により多くの人的被害や住家被害等が生じた。また,北海道において暴風雪による死者が発生し,交通に支障を来した。各災害における各府省庁の対応の詳細は,附属資料25に記述する。

1 平成24年5月に発生した突風等

1-1 災害の状況

平成24年5月6日,日本の上空約5,500mに,氷点下21度以下の強い寒気が流れ込んだ。一方,同日9時には日本海に低気圧があって,東日本から東北地方の太平洋側を中心に,この低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ。さらに,日射の影響で地上の気温が上昇したことから,東海地方から東北地方にかけて大気の状態が非常に不安定となり,落雷や突風,降ひょうを伴う発達した積乱雲が発生した。

茨城県つくば市付近においては,藤田スケールでF3(風速が毎秒70~92mに達する)と推定される竜巻が発生した。また,栃木県真岡市から茨城県常陸大宮市にかけての地域においては藤田スケールでF1~F2(風速が毎秒33~69mに達する)と推定される竜巻が,茨城県筑西市付近においては藤田スケールでF1(風速が毎秒33~49mに達する)と推定される竜巻が発生した。

この突風等により,死者3人及び負傷者59人の人的被害が発生した。また,住家被害としては,住家全壊89棟,住家半壊197棟,住家一部破損978棟等の被害が発生した。

ライフライン関係では,東京電力管内及び東北電力管内で約2万1,500戸が停電したほか,水道は,約5,200戸で断水した。通信関係では,固定電話で障害が発生し,携帯電話基地局が停波した。

道路については,最大時で県管理国道2区間及び県道1区間において通行止めとなった。

鉄道については,1路線で運転休止となった。

公共土木施設では,公園1箇所で被害が発生した。

農林水産施設等では,農地11箇所,農業用施設4箇所,森林10箇所等に被害が生じた。

文教施設等では,国立学校施設3校,公立学校施設16校,私立学校施設5校,社会教育・体育,文化施設等4施設,文化財等6件及び研究施設等1施設で被害が発生した。

社会福祉施設等では,13施設で被害が発生した。


所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.