平成25年版 防災白書|第1部 第1章 1 1-2 これまでの取組


1-2 これまでの取組

東日本大震災からの復興へ向けて,平成23年6月24日に公布・施行された「東日本大震災復興基本法」に基づき,内閣に東日本大震災復興対策本部が設置された。その後,同法に基づき,東日本大震災復興構想会議が作成した「復興への提言~悲惨のなかの希望~」を最大限尊重し,同年7月29日,「東日本大震災からの復興の基本方針」を決定した。

また,平成24年2月10日には,「復興庁設置法」に基づき,復興の司令塔となる復興庁を開庁し,現地には,復興局,支所及び事務所を設置した。さらに,復興推進会議(議長:内閣総理大臣,副議長:復興大臣,議員:全ての国務大臣等)及び有識者会議である復興推進委員会を設置した。

また,平成24年度から,復旧・復興関連予算を計上する「東日本大震災復興特別会計」が設けられた。原子力災害からの復興に関しては,平成24年3月31日に「福島復興再生特別措置法」が公布・施行され,同年7月13日には同法に基づく福島復興再生基本方針を閣議決定した。

現在,東日本大震災からの復旧・復興については,内閣の最重要課題として,復興大臣を中心に,復興の加速化に取り組んでいるところである。具体的には,(1) 復興庁の司令塔機能の強化と現場主義の徹底,(2) 復興予算に関するフレームの見直し,(3) 復興の加速策の具体化と推進の3点について,早急に対応すべきとの方針のもと,以下の必要な施策を講じている。

(1)復興庁の司令塔機能の強化と現場主義の徹底

内閣総理大臣による復興加速化に向けた指示を踏まえ,福島における「福島復興再生総局」と東京における「福島復興再生総括本部」からなる福島・東京二本社体制による復興庁の体制強化を図ったほか,縦割り是正のため,住宅再建・まちづくりや除染,風評被害のそれぞれのテーマにおけるタスクフォースを設置し,省庁横断的な施策の検討を行うこととした。

また,復興大臣の裁量で,事業費の追加や新たなニーズに機動的に対応するとともに,諸制度の隙間を埋めて復興の調査企画等を実施するための予算制度を創設した。

(2)復興予算に関するフレームの見直し

平成25年度予算編成と併せて復興フレームの見直し(5年間で19兆円から25兆円に拡大する見直し)を行い,必要な財源を確保したほか,復興予算について復興庁に一括計上し,その使途を厳格化することとした。

(3)復興の加速策の具体化と推進

<1> 住宅再建・まちづくり,なりわいの確保等

住宅再建・まちづくりについては,復興大臣のもとに,省庁横断的なタスクフォースを設置し,住宅・宅地の戸数の年度別目標である「住まいの復興工程表」を公表し,工程表の実現のための加速化措置を策定した。また,なりわいの確保等については,企業立地に係る補助を津波被災地域へ拡充したほか,グループ補助金の拡充,復興交付金の運用のさらなる柔軟化等の対応を行っている。

<2> 福島の復興・再生の加速化

原子力災害により深刻かつ多大な被害を受けた福島の復興・再生については,「福島ふるさと復活プロジェクト」として,「地域の希望復活応援事業」や「コミュニティ復活交付金」の創設,「子ども元気復活交付金」の創設を行い,これまで対処できなかった課題に対する新たな支援措置を講じている。また,福島県に基金を造成し,営農再開を目的として行う一連の取組を,農地の除染や住民帰還の進捗に応じて切れ目なく支援することとしている。

さらに,「早期帰還・定住プラン」や,原子力災害の被災者,風評被害対策に係る施策パッケージの取りまとめ,「福島復興再生特別措置法」に基づく「避難解除等区域復興再生計画」の策定等,福島の方々が安心して帰還・定住し,また長期避難者の生活拠点を形成するための具体策を講じている。

また,平成24年12月26日に閣議決定した基本方針等において,震災復興に当たって「最低限の生活再建」にとどまることなく,創造と可能性の地としての「新しい東北」をつくりあげるという考え方が示された。「新しい東北」の創造とは,具体的には,今の日本が抱える人口減少,高齢化,産業の空洞化等の課題への対応や,持続可能なエネルギー社会の構築等,震災復興を契機に,世界のモデルとなる,「創造と可能性ある未来社会」の形成を,全国に先駆けて目指すというものであり,平成25年6月に復興推進委員会において目指すべき目標像や施策の方向性を示した「中間とりまとめ」が行われた。


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