第1章 東日本大震災の復旧と復興に向けた取組
平成23年3月11日に発生した「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」(気象庁が命名)は,マグニチュード9.0という我が国の観測史上最大の地震であり,世界でも1900年以降4番目の巨大地震であった。この地震により,広範囲に揺れが観測され,日本各地で大きな津波が発生し,加えて,原子力発電施設の事故が重なるという,未曽有の複合的な大災害となった。(注:平成23年4月1日の閣議了解により,この東北地方太平洋沖地震による災害及びこれに伴う原子力発電所事故による災害については,「東日本大震災」と呼称することとされた。)
以下では,東日本大震災からの復旧・復興の状況や取組について記載する。
1 東日本大震災の概要
1-1 被害状況
東日本大震災では,死者・行方不明者は12都道県でみられ,死者1万5,883人,行方不明者2,676人(平成25年5月10日警察庁発表)という極めて深刻な被害をもたらした。
住家についても,全壊は9都県で発生し,その数約13万棟,半壊は12都道県で発生し,その数約27万棟(平成25年5月10日警察庁発表)となる大きな被害が生じた。