(2)性格の異なる複数の地区が連携した取組例
○ マンション管理組合と地域自治会の連携(東京都東大和市南街・桜が丘地域防災協議会)
「南街・桜が丘地域防災協議会」は東京都東大和市の南部に位置しており,南側には新しい高層マンション群が立ち並び若い世代が多く居住する「桜が丘地域のマンション管理組合」,北側には低層戸建て住宅が立ち並び比較的高年齢者が多く居住する「南街地域の自治会」があり,この性格が相違する二つの地域の21団体が,地域内にある市立小学校,市立中学校,都立高校及び関連行政諸機関と連携して防災活動を含む地域の活性化に繋がる種々の活動をしている。
この地域は関東平野の中にあり,山も川も海も無く,高低差も少ない天災地変(津波,川の氾濫,崖崩れ及び液状化)の影響のない地域であるが,災害時低層戸建て住宅の多い南街地域では家屋の倒壊及び火災が問題になる。小学校及び中学校は住宅の密集する南街地域にあり,マンション地域の子供達は南街地域を通って通学している。
このような環境の中から,双方の地域差を乗り越えて,学校を中心として「どのようにして災害から子供を守ることができるか」に着目して,地域内の自治会,マンション管理組合及び小学校/中学校(含むPTA)が,平成19年度から予備調査を開始して,平成20年に当該協議会を設立した。
以降,主要防災活動として総合防災訓練,可搬ポンプ操作訓練,救急救護訓練及び地域病院とのトリアージ訓練を実施し,その他に地域活性のために地デジ関連の問題の解決,地域放射線量の測定,食品の簡易放射線量測定を実施しており,これらの活動が評価され,平成24年度に東京都防災隣組第一回の36団体に認定されるとともに,都立東大和南高校と新たに防災協定を締結した。