(1)災害の状況


3 平成23年7月新潟・福島豪雨

(1)災害の状況

平成23年7月27日から30日にかけて,前線が朝鮮半島から北陸地方を通って関東の東に停滞し,前線に向かって非常に湿った空気が流れ込み,大気の状態が不安定になった。

新潟県と福島県会津では,28日から断続的に1時間に80mmを超える猛烈な雨が降った。特に,新潟県十日町では,1時間降水量が121.0mmを観測した。さらに27日から30日24時までの総雨量は,福島県只見で711.5mm,新潟県宮寄上で626.5mmとなっており,新潟県では広い範囲で総雨量が400mmを超えた。新潟県と福島県では「平成16年7月新潟・福島豪雨」を上回る記録的な大雨となった。

この豪雨について,気象庁では「平成23年7月新潟・福島豪雨」と命名した。

この災害により,死者4人,行方不明者2人及び負傷者13人の人的被害が発生した。

また,住家被害としては,新潟県及び福島県を中心とした7県で,住家全壊73棟,住家半壊998棟,住家一部損壊36棟,床上浸水1,221棟,床下浸水7,804棟等の被害が発生した。

避難勧告・指示は,2県で15万6,237世帯に出された。

土砂災害は,2県の23市町村で268件が発生した。

河川については,信濃川水系信濃川及び魚野川で計画高水位を超えたほか,2水系2河川では氾濫危険水位を,2水系2河川では避難判断水位を超え,各地で浸水被害等が発生した。

ライフライン関係については,東北電力管内の約3万戸で停電が発生し,上水道は新潟県及び福島県で5万249戸が断水した。通信関係では固定電話で障害が発生し,携帯電話基地局が停波した。

道路については,最大時で高速道路3路線,直轄国道4区間,県管理国道57区間及び都道府県道130区間で通行止めとなった。

鉄道については,20路線で運転休止となった。

公共土木施設では,河川1,673箇所,砂防99箇所,道路(橋梁含む)1,291箇所,下水道9施設及び公園20施設で被害が発生した。

農林水産関係では,農地8,504箇所,農業用施設8,258箇所,林地荒廃439箇所,治山施設2箇所及び林道施設2,257箇所等で被害が発生した。

文教施設等では,公立学校施設37校,私立学校施設3校,社会教育・体育,文化施設等65施設及び文化財等5件で被害が発生した。

社会福祉施設等では,51施設で被害が発生した。


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