3 国際防災協力
我が国は,幾多の災害の経験や教訓により培った防災に関する知識や技術を活用し,世界の災害被害の軽減に向けた国際防災協力を積極的に進めてきており,防災協力は我が国の顔の見える国際貢献の重要な分野となっている。
我が国は,国連国際防災戦略事務局(UNISDR),国連人道問題調整部(UNOCHA)といった国際機関の活動支援を通じた協力,アジア防災センターを通じた防災情報の共有や人材育成等を行う多国間防災協力,日中韓やAPEC等における防災協力の推進を図る地域内防災協力を推進している。
東日本大震災に際しては,163の国及び地域並びに43国際機関から支援の申出を受け,24の国と地域から緊急援助隊,医療支援チーム及び復旧支援チームを受け入れ,国際機関も我が国において活動を実施した。また,126の国及び地域並びに国際機関から物資・寄付金を受領した(物資:63件,寄付金:93件(総額約175億円以上)・一部重複あり)。さらに,海外医療支援チームが活動を実施した。
このように国際社会から多大な支援を受けた我が国には,東日本大震災から得られた知見や教訓を国際公共財として世界と共有するため,国際防災協力を推進する大きな責務がある。