3−2 防災施設設備の整備
(1)医療施設の土砂災害防止整備
厚生労働省においては,「災害弱者関連施設等に係る土砂災害緊急点検調査」(平成10年,建設省)により,土石流危険区域,地すべり危険箇所,急傾斜地崩壊危険箇所等に所在する医療施設が実施した土砂災害防止整備について補助を行う。
(2)治山事業の推進
農林水産省においては,水源のかん養や土砂の流出,崩壊の防止等を通じて,安全で安心して暮らせる国土づくり,水源地域の機能強化を図るため,治山ダム等の施設整備等を推進する。
(3)海岸保全施設の整備
農林水産省及び国土交通省においては,高潮・波浪対策として,堤防・護岸等の整備や水門・陸こうの自動化・遠隔操作化,ハザードマップ作成支援などのハード・ソフト施策を一体的に推進する。
(4)海岸堤防等老朽化対策緊急事業の創設
農林水産省及び国土交通省においては,老朽化により海岸保全施設の機能が著しく低下し,甚大な被害が発生するおそれがある海岸において,海岸堤防・護岸等に係る老朽化調査,老朽化対策計画の策定,計画に基づく対策工事を一体的に推進することを目的とする「海岸堤防等老朽化対策緊急事業」を創設する。
(注)*及び**は,第4章7の内数である。
(5)広域的な農地防災対策
農林水産省においては,大規模かつ広域的な洪水被害を未然に防止するために,ため池群の洪水調節機能の強化を支援する。
(6)建設機械の整備
国土交通省においては,風水害の災害対策に必要な機械を整備する。
(7)河川・ダム・道路管理用情報通信設備の整備
国土交通省においては,次の情報通信設備の整備を行う。
a テレメータ
雨量,水位,水質等の水文データ及び雨量,路温等の道路気象データを収集するためのテレメータの整備を引き続き行う。
b 警報設備
ダムや堰等の放流による河川水位上昇を付近の住民に警報するための警報設備を引き続き整備するとともに,地方自治体による使用を推進する。
c レーダ雨雪量計
雨量,降雪量をリアルタイムで広域に捉え,迅速かつ的確な災害予防,災害対策を行うためのレーダ雨雪量計の整備において,3基の観測装置更新(平成19年度から2か年)を行う。また,地上雨量計によるキャリブレーション処理による精度向上処理を引き続き行う。
d 河川情報システム
高機能化を図った統一河川情報システムの普及を引き続き推進するとともに,各部局及び地方自治体が保有するデータの共有を推進する。
(8)水防施設の整備
国土交通省においては,気象庁と共同で発表する直轄河川の洪水予報等の情報を迅速かつ的確に通報・伝達するため,観測施設等の整備を行う。
(9)土砂災害に対する整備
国土交通省においては,土砂災害を防止するため,次の整備を実施する。
a 土砂災害防止施設の整備
土石流,地すべり,がけ崩れ等による土砂災害から人命を守るため,砂防設備等の整備を図る。
b 土砂災害に対する警戒避難システム等の整備
雨量計や監視カメラ,GPS観測装置等の各観測施設,データを処理する監視装置等の設置による土砂災害警戒避難システムの整備及び平常時・災害時を通じて土砂災害関連情報を住民と行政機関が相互通報するシステムの整備などのソフト対策を推進する。
(10)道路における防災対策
国土交通省においては,安全で信頼性の高い道路ネットワークの整備を行うとともに,道路斜面や盛土等の防災対策を実施する。