コラム　「女性のための防災会議」と「穴水宣言」

能登半島地震の発生からほぼ１年が経過した，平成２０年３月２２日に，地震で大きな被害を被った石川県穴水町において，地震からの復興を祈念するイベントとして「女性のための防災会議」が開催された。

同会議は，能登半島地震において得られた教訓をいかし，心のケアを含めた復興には女性の視点が必要との観点から，被災地で女性が抱える悩みや問題を取り上げるフォーラムとして，地元の福祉関係団体や穴水町の主催で開催された。

会議では，基調講演，震災体験発表，パネルディスカッションが行われ，これらを踏まえて，女性の視点からの災害への備えと対応についての提言として「穴水宣言」が採択された。

同宣言では，次のような観点から被災者の支援策を推進すべきとしている。

<1>避難所や仮設住宅の運営において女性の参画を確保し，女性をはじめ，“より困難に直面することが予想される人たち”のニーズに配慮した環境づくり

<2>地域社会や家庭生活の主要な担い手である女性を支援していくことが，生活の再建や復興に大きな力になることから，家庭や職場において，女性が仕事をしやすい環境づくりを心がけ，社会的に支援していく仕組みづくり

<3>「減災社会」の実現に向け，社会の仕組みを作るプロセスに女性の参画を促し，マイノリティ（少数者）を排除しない，多様な価値観や地域の文化を尊重した社会づくり