1−9 台風第21号に対してとった措置



1−9 台風第21号に対してとった措置

(1)内閣府における対応
 内閣府においては,災害対策関係省庁連絡会議を1回開催した。また,愛媛県新居浜市,西条市,四国中央市,小松町,三重県津市,紀伊長島町,海山町,宮川村,兵庫県赤穂市,上郡町,上月町に被災者生活再建支援法を適用した。
(2)警察庁における対応
 警察庁及び関係管区警察局においては,「災害警備連絡室」を設置して,情報の収集,関係機関との連絡調整及び警察広域緊急援助隊の派遣調整等に当たった。また,機動警察通信隊は災害発生直後から警察通信の確保に当たり,ヘリコプターテレビシステムや衛星通信システム等を使用して,警察庁,官邸等へ危機管理上重要な現場映像の伝送等を実施した。さらに,三重県公安委員会からの援助要求を受けて,警察広域緊急援助隊延べ165名を同県内に派遣し,同隊は救出救助,行方不明者捜索等に当たった。関係都府県警察においては,「災害警備本部」等を設置して,情報収集,被災者の避難誘導,救出救助,交通規制等の災害警備活動に当たった。
(3)防衛庁における対応
 防衛庁においては,9月29日に三重県知事,10月1日に愛媛県知事,2日に香川県知事からの要請を受け,9月29日から10月6日までの間に,孤立者の救助活動,行方不明者の捜索活動,給水支援,道路啓開,水路啓開等を実施した。
(4)総務省における対応
a 総務省においては,電波利用債権の督促状及び催促状の送付を停止する措置(原則,適用の日から60日を経過する日までの間)を行った。
b 総務省においては,多大な被害を受けた三重県内5団体及び愛媛県内2団体に対して,地方交付税法第16条第2項の規定に基づき,11月に定例交付すべき普通交付税の一部1,250百万円を繰上げ交付した。
(5)放送受信料の免除
 NHKにおいては,次のとおり放送受信料を免除した。

表6-1-7 放送受信料の免除

(6)電気通信事業者の対応
 NTT西日本においては,避難勧告等を受けた住民の電話基本料等を減免するとともに被災で仮住居への電話移転を余儀なくされた加入者について工事代金を免除した。
(7)消防庁における対応
 消防庁においては,9月28日,関係府県に「台風警戒情報」を送付し警戒を要請するとともに,9月29日8時30分,災害対策室を設置し,関係地方公共団体から情報収集を行った。  また,消防庁職員を1名現地に派遣した。
(8)財務省における対応
 財務省においては,次のとおり税務行政上の措置を講じた。
a 申告,納付等の期限の延長
 災害により,国税の申告,納付等をその期限までに行うことができないと認められる納税者について,その申請に基づき,災害によるやむを得ない理由のやんだ日から2か月以内の日を期日として指定し,国税の申告,納付等の期限を延長した。
b 納税の猶予
 災害により,その財産に相当の損害を受けた納税者及び国税を一時に納税することができないと認められる納税者について,その申請に基づき,1年以内の期間に限り,その国税の全部又は一部の納税を猶予した。
c 国税の軽減免除等
 災害により,住宅,家財,事業用資産等に損害を受けた納税者について,その申請等に基づき,国税の軽減免除等を行った。
(9)文部科学省における対応
 文部科学省においては,災害情報連絡室を設置し,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等適切な対応をとるよう指示した。
(10)厚生労働省における対応
a 災害救助費の国庫負担
 厚生労働省においては,災害救助法に基づき,三重県北牟婁郡紀伊長島町他4市町村,愛媛県新居浜市他3市町,兵庫県赤穂郡上郡町他1町において実施した救助に要した費用の一部について負担した。
 (事業費 186,033千円/国費 93,017千円)

b 災害弔慰金の国庫負担
 厚生労働省においては,災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき,本災害により死亡した者の遺族に対し支給した災害弔慰金に要した費用の一部について負担した。
 (事業費 87,500千円/国費 43,750千円)

c 災害援護金の原資の貸付
 厚生労働省においては,災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき,本災害により一定の被害を受けた世帯の世帯主に貸し付けた災害援護資金の原資の一部の貸付を行った。
 (事業費 547,005千円/国費 364,669千円)

d 感染症予防費の国庫負担
 厚生労働省においては,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき,本災害において感染症予防事業に要した経費の一部について負担した。
 (事業費 7,652千円/国費 2,616千円)

e 中小企業退職金共済掛金の納付期限の延長
 独立行政法人勤労者退職金共済機構においては,被災により中小企業退職金共済制度の掛金の納付が困難となった共済契約者(事業主)について,当該共済契約者の申請により掛金の納付期限を最大1年間延長した。
(11)農林水産省における対応
 農林水産省においては,被害を受けた農林漁業者等に対する既往資金の償還猶予等及び資金の円滑な融通について関係機関に依頼した。
(12)中小企業対策
 中小企業庁においては,被災中小企業者への支援として,次の措置を講じた。
a 特別相談窓口の設置
 三重県,兵庫県,愛媛県における政府系中小企業金融3機関(中小企業金融公庫,国民生活金融公庫,商工組合中央金庫),信用保証協会の各支店,主要商工会議所及び商工会連合会などに特別相談窓口を設置した。
b 資金供給の円滑化
 政府系中小企業金融3機関による災害復旧貸付の適用,関係機関に対し返済猶予等の既往債務の条件変更などの被災中小企業者の実情に応じた対応を行うよう指導することにより,被災中小企業者の資金供給の円滑化を図った。
(13)国土交通省における対応
 国土交通省においては,警戒体制をとり,被害状況の把握に努めるとともに,災害復旧担当職員等を緊急調査のため現地へ派遣した。また,災害対策用ヘリコプターにより被害状況の調査を行うとともに,排水ポンプ車等を現地へ派遣し排水活動等を行った。
 国土地理院においては,災害対策用地図,空中写真,災害状況図等を関係防災機関に提供した。
(14)気象庁における対応
 気象庁本庁及び各気象台においては,監視体制を強化し,台風情報を発表し警戒を呼びかけた。また,各地方気象台においては、防災機関を対象とした台風説明会を開催し,今後の見通しや警戒事項等について解説を行ったほか,警報や気象情報を発表して関係防災機関へ伝達するとともに,報道機関を通じて警戒を呼びかけた。
(15)海上保安庁における対応
 海上保安庁においては,第四管区海上保安本部及び尾鷲海上保安部に対策本部を設置し,三重県からの要請に基づき,巡視船艇により海山町にて孤立した住民11名を救助するとともに,尾鷲港と孤立した引本港の間にて,警察,消防職員等の救援関係者約400名及び救援物資の海上輸送に当たった。また,巡視船艇,航空機により伊勢湾,三河湾及び三重県沿岸の被害状況調査に当たった。
(16)環境省における対応
 環境省においては,地方公共団体が災害のために実施した廃棄物の収集,運搬及び処分に係る事業に対して補助を行った。 
(事業費 672,472千円/国費 336,236千円)


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