1−2 平成16年7月新潟・福島豪雨に対してとった措置



1−2 平成16年7月新潟・福島豪雨に対してとった措置

(1)内閣府における対応
 内閣府においては,災害対策関係省庁連絡会議を計4回開催した。また,新潟県長岡市,三条市,見附市,栃尾市,中之島町,三島町,和島村に被災者生活再建支援法を適用した。
(2)警察庁における対応
 警察庁及び関係管区警察局においては,「災害警備連絡室」を設置して,情報の収集,関係機関との連絡調整及び警察広域緊急援助隊や警察用航空機の派遣調整等に当たった。また,機動警察通信隊は災害発生直後から警察通信の確保に当たり,ヘリコプターテレビシステムや衛星通信システム等を使用して,警察庁,官邸等へ危機管理上重要な現場映像の伝送等を実施した。さらに,新潟県公安委員会からの援助要求を受けて,警察広域緊急援助隊延べ人員729名を同県内に派遣し,同隊は警察用航空機やボート等による孤立者救助,行方不明者捜索等に当たった。関係県警察においては,「災害警備本部」等を設置して,情報収集,被災者の避難誘導,救出救助,交通規制等の災害警備活動に当たった。
(3)防衛庁における対応
 防衛庁においては,7月13日に新潟県知事からの要請を受け,13日から23日までの間に,土嚢積み,孤立者の救助活動,給水支援,道路啓開,公共施設復旧作業等を実施した。
(4)総務省における対応
a 総務省においては,電波利用債権の督促状及び催促状の送付を停止する措置(原則,適用の日から60日を経過する日までの間)を行った。
b 総務省においては,多大な被害を受けた新潟県内6団体に対して,地方交付税法第16条第2項の規定に基づき,9月に定例交付すべき普通交付税の一部1,542百万円を繰上げ交付した。
(5)放送受信料の免除
 NHKにおいては,次のとおり放送受信料を免除した。

表6-1-1 放送受信料の免除

(6)電気通信事業者の対応
 NTT東日本においては,避難所13箇所に特設公衆電話を設置,避難勧告等を受けた住民の電話基本料等を減免するとともに被災で仮住居への電話移転を余儀なくされた加入者について工事代金を免除した。NTTドコモにおいては自治体等へ162台の携帯電話の貸出しを実施した。
(7)消防庁における対応
 消防庁においては,7月13日11時45分災害対策室を設置し,関係地方公共団体から情報収集を行うとともに,同日20時45分緊急消防援助隊の新潟県への出動を要請した。(随時,追加の出動要請を行った。)
 7月14日0時00分に災害対策室から災害対策本部に切替え,情報収集体制及び緊急消防援助隊の連絡調整等の強化を図った。
 緊急消防援助隊は,13日から15日にかけて消防防災ヘリコプターによる被害情報収集活動を行うとともに,孤立住民の救助活動等に延べ171隊(航空部隊含む。),隊員693名の応援を実施した。
 また,消防庁から衛星車載局車及び延べ16人の職員を現地に派遣した。
(8)財務省における対応
 財務省においては,次のとおり税務行政上の措置を講じた。
a 申告,納付等の期限の延長
 災害により,特に著しい被害があった地域(新潟県の一部)の納税者については,国税庁告示をもって,平成16年9月21日まで,国税の申告,納付等の期限を延長した。
b 納税の猶予
 災害により,その財産に相当の損害を受けた納税者及び国税を一時に納税することができないと認められる納税者について,その申請に基づき,1年以内の期間に限り,その国税の全部又は一部の納税を猶予した。
c 国税の軽減免除等
 災害により,住宅,家財,事業用資産等に損害を受けた納税者について,その申請等に基づき,国税の軽減免除等を行った。
(9)文部科学省における対応
 文部科学省においては,災害情報連絡室を設置し,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等適切な対応をとるよう指示した。7月26日には,稲葉副大臣(当時)が学校施設の被害状況等を視察した。また,新潟大学から医師及び看護師を派遣した。
(10)厚生労働省における対応
a 災害救助費の国庫負担
 厚生労働省においては,災害救助法に基づき,新潟県三条市他6市町村において実施した救助に要した費用の一部について負担した。
 (事業費 1,852,732千円/国費 926,366千円)

b 災害弔慰金の国庫負担
 厚生労働省においては,災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき,本災害により死亡した者の遺族に対し支給した災害弔慰金に要した費用の一部について負担した。
 (事業費 50,000千円/国費 25,000千円)

c 災害援護金の原資の貸付
 厚生労働省においては,災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき,本災害により一定の被害を受けた世帯の世帯主に貸し付けた災害援護資金の原資の一部の貸付を行った。
 (事業費 95,500千円/国費 63,667千円)

d 介護保険に対する措置
 厚生労働省においては,新潟県三条市が実施した介護保険料の減免に対し,特別調整交付金を交付した。
 (事業費 29,326千円 /国費 23,460千円)

e 感染症予防費の国庫負担
 厚生労働省においては,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき,本災害において感染症予防事業に要した経費の一部について負担した。
  (事業費 46,158千円/国費 15,380千円)

f 救急薬品の配布
 厚生労働省においては,新潟県見附市,三条市,中之島町及び三島町の各災害対策本部に対して救急薬品を配布した。
 (国費 37,905千円)

g 中小企業退職金共済掛金の納付期限の延長
 独立行政法人勤労者退職金共済機構においては,被災により中小企業退職金共済制度の掛金の納付が困難となった共済契約者(事業主)について,当該共済契約者の申請により掛金の納付期限を最大1年間延長した。
(11)農林水産省における対応
 農林水産省においては,被害を受けた農林漁業者等に対する既往資金の償還猶予等及び資金の円滑な融通について関係機関に依頼した。
(12)中小企業対策
 中小企業庁においては,被災中小企業者への支援として,次の措置を講じた。
a 特別相談窓口の設置
 新潟県における政府系中小企業金融3機関(中小企業金融公庫,国民生活金融公庫,商工組合中央金庫),信用保証協会の各支店,主要商工会議所及び商工会連合会などに特別相談窓口を設置した。
b 資金供給の円滑化
 政府系中小企業金融3機関による災害復旧貸付の適用,信用保証協会の保証の別枠化,及び関係機関に対し返済猶予等の既往債務の条件変更などの被災中小企業者の実情に応じた対応を行うよう指導することにより,被災中小企業者の資金供給の円滑化を図った。
(13)国土交通省における対応
 国土交通省においては,警戒体制をとり,被害状況の把握に努めるとともに,災害復旧担当職員等を緊急調査のため現地へ派遣した。また,災害対策用ヘリコプターにより被害状況の調査を行うとともに,排水ポンプ車等を現地へ派遣し排水活動等を行った。
 国土地理院においては,災害対策用地図を関係防災機関に提供するとともに,被災状況を把握するため,航空機による撮影を実施し,空中写真,正射写真図及び災害状況図等を作成し,関係防災機関に提供した。
(14)気象庁における対応
 気象庁本庁及び各気象台においては,監視体制を強化し,防災関係機関へ気象状況等を提供した。また,各地方気象台においては,警報や気象情報を発表して関係防災機関へ伝達するとともに,報道機関を通じて警戒を呼びかけた。
 気象庁においては,この大雨による甚大な被害にかんがみ「平成16年7月新潟・福島豪雨」と命名した。
(15)海上保安庁における対応
 海上保安庁においては,新潟県の要請に基づき,ゴムボート3隻を貸し出し,ヘリコプターにより中之島町まで空輸するとともに,新潟市にて行方不明者の捜索,三条市にて孤立した住民61名を吊上げ救助した。
(16)環境省における対応
 環境省においては,地方公共団体が災害のために実施した廃棄物の収集,運搬及び処分に係る事業に対して補助を行った。 
(事業費 2,502,538千円/国費 1,251,269千円)


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