6 防災まちづくりの推進



6 防災まちづくりの推進

(1)突発的に襲う大地震被害の脅威

 前節の「民間と市場の力を活かした防災力向上」で示したように,中央防災会議の「民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会」は,防災まちづくりワーキンググループと企業評価・業務継続ワーキンググループの2つのワーキンググループを設けて検討を進め,平成17年10月に報告書を取りまとめた。
 「防災まちづくり」とは,自主防災組織や商店会,NPO等の地域組織が,防災に係る訓練や普及啓発などを行う活動であり,先進的な組織の活動内容を全国的に広めることで,地域の防災力の向上が期待されている( 表3−6−1図3−6−1 )。
 防災まちづくりワーキンググループでは,地域や民間で防災まちづくり活動を進めるために,「民間と市場の力を活かした防災戦略の基本的提言」に盛り込まれた支援策の実現・具体化に向けた検討を行い,防災まちづくりポータルサイトの構築,全国防災まちづくりフォーラムの開催など,具体的な支援策を実施した。

防災まちづくり事例の概要

早稲田地区における防災まちづくり活動

(2)防災まちづくりポータルサイト

 防災まちづくり活動が活発に行われている地域は一部にとどまり,全国に防災まちづくり活動が拡がるまでには至っていない。これまで防災活動に関わっていない個人,まちづくり組織,企業が,防災まちづくりに関心を持ち,防災まちづくりが全国的に拡がるきっかけとなるよう,防災まちづくり活動の事例や,その活動を支援する制度の紹介等を内容とする防災まちづくりポータルサイトを構築した( http://www.bousai.go.jp//kyoiku/minna/index.html )。ポータルサイトにおいて,全国の防災まちづくりに関する情報を集約,整理することにより,様々なニーズに対応した防災まちづくりの情報を,地域,時間を問わずに入手することが可能になる。また,様々なまちづくり組織,専門家組織,大学等公共的組織において蓄積されてきた知識・情報・ノウハウが発掘,有効活用されることを通じて,国民各層の防災まちづくりへの関心を高める効果が期待される( 図3−6−2 )。

防災まちづくりポータルサイトのトップページ

(3)全国防災まちづくりフォーラムの開催

 平成17年9月4日に「第1回全国防災まちづくりフォーラム」が「防災フェア2005」にあわせ,仙台市において開催された。このフォーラムは,防災まちづくりに関連した地域内及び地域間の交流を支援し,防災まちづくり活動を活性化させ,関係する市民・団体に永続的な活力を養うことを目的として開催されたものであり,全国の防災まちづくり活動に携わる22の団体が参加し,活動発表会や交流会が行われた。
 活動発表会では,各参加団体の取組について発表が行われ,地域密着型の防災まちづくり活動の情報発信を行うことができた。それぞれの発表については,審査委員と発表者相互の投票による審査が行われ,最優秀賞,応用賞,発案賞,表現賞等の表彰が行われた。また,会場には展示ブースを設け,防災まちづくり活動を行っている団体の活動状況や,防災に関する取組を行っている団体,企業などによる住宅の耐震化に関する情報や防災関連製品など様々な展示が行われた。
 交流会では,防災まちづくり関係者の自発的な呼びかけにより,参加団体の情報交流を図るためのメーリングリストの立ち上げが提案され,新たなネットワーク形成のきっかけとなった。
 今後も,永続的な活動として防災まちづくり活動を推進するため,地域での活動を掘り起こし,発信・交流する全国防災まちづくりフォーラムを様々な都市において開催していく予定である。

 


 


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