3−5 台風第11号



3−5 台風第11号

(1)災害の状況
 台風第11号は,8月20日3時に父島の近海で発生し,21日21時には最大風速50m/sの非常に強い台風へと発達し,日本の南海上を北西に進んだ。24日朝からは勢力を弱めながら進路を北に変え,さらに東海道沖に進み,25日朝からは進路を北東に変えた。26日2時半頃に三浦半島を通過し,26日4時半頃に千葉市付近に上陸した。
 台風の北上に伴い,台風の北側にある前線の雨雲により断続的に雨が降り,台風が接近した25日昼過ぎから26日明け方にかけて東海地方から関東地方の山沿いを中心に各地で激しい雨となった。25日には,神奈川県箱根町でこれまでの記録を上回る528ミリの日降水量を観測した。また暴風域に入った関東・東海地方では,沿岸部や伊豆諸島で強い風を観測した。東京都大島では,これまでの記録を上回る57.0m/s最大瞬間風速を記録した。海上では台風の接近・通過に伴って波やうねりが高くなり,太平洋沿岸では大しけとなった。
 この台風により,負傷者10名,住家半壊3棟,住家一部破損126棟,床上浸水62棟,床下浸水246棟の被害が発生したほか,最大1,818人に避難勧告が出された。
土砂災害については,土石流1件,地すべり1件,がけ崩れ24件が発生した。
 河川については,3水系6河川で警戒水位を超え,狩野川水系狩野川では危険水位に達した。
 ライフライン関係においては,東京・中部電力管内で延べ約78,300戸が停電となったほか,上水道については358戸が断水した。電気通信関係では,携帯電話基地局24局が停波した。
 道路については,高速自動車国道,一般国道,有料道路等38区間で通行規制が行われた。鉄道については,関東,中部地方等の各線で雨量規制等のために運休が発生した。
 公共土木施設では,河川424か所,海岸6か所,砂防設備等10か所,道路(橋梁を含む)185か所に被害が発生した。
 農林水産業関係では,農地205か所,農業用施設229か所,林地荒廃等76か所,林道等373か所,森林被害6.37ha,漁港1か所に被害が発生した。
 文教施設では,国立学校施設6校,公立学校施設9校,私立学校施設7校,社会教育・体育,文化施設等16施設,文化財等1件に被害が発生した。
(2)国等の対応状況
 内閣府は,8月25日18時,情報対策室を設置し,関係機関から情報収集を行うとともに,官邸,関係省庁との情報連絡を行った。
 警察庁は,8月26日3時,災害警備連絡室を設置して,関連情報の収集等に当たった。また,機動警察通信隊は,災害警備活動に必要な警察通信の確保に当たった。
 消防庁は,8月25日16時,情報収集体制を強化して,関係機関との連絡調整に当たった。
 総務省は,8月27日17時40分,省内の情報収集体制を整備した。
 文部科学省は,8月25日18時,災害情報連絡室を設置し,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等適切な対応をとるよう指示した。
 厚生労働省は,8月25日18時,省内の連絡体制を整備した。
 農林水産省は,8月24日16時,省内関係局庁連絡会議を設置した。
 国土交通省は,8月25日17時,警戒体制をとり,ヘリコプターの活用等による情報収集を実施した。
 気象庁は,計91回の全般台風情報の発表(8月20日から8月26日まで),大雨等に関する警報・注意報の発表,防災関係機関への気象情報の伝達等を行うとともに警戒を促した。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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