3−3 千葉県北西部を震源とする地震



3−3 千葉県北西部を震源とする地震

(1)災害の状況
 平成17年7月23日16時35分頃,千葉県北西部の深さ約73kmでマグニチュード6.0の地震が発生し,東京都足立区で震度5強,埼玉県草加市,鳩ヶ谷市,八潮市,三郷市,宮代町,千葉県市川市,船橋市,浦安市,木更津市,鋸南町,東京都大田区,江戸川区,神奈川県横浜市,川崎市で震度5弱を観測したほか,東北地方から近畿地方にかけて震度1以上を記録した。東京都23区で震度5以上を観測したのは平成4年2月2日に東京湾で発生し,千代田区大手町で最大震度5を記録したM5.7の地震以来である。
 この地震により,負傷者38名,住家一部破損12棟の被害が発生した。また,火災は3件発生した。
 土砂災害については,がけ崩れ1件,山腹崩壊による河道閉塞1件が発生した。
 ライフライン関係においては,東京電力管内で最大6,039戸が停電となったほか,上水道については千葉県内の430戸が断水した。電気通信関係では,携帯電話基地局2局が停波したほか,固定電話事業者及び携帯電話事業者において通信規制を実施した。
 道路については,東関東自動車道等7区間で点検のため一時通行止めとなった。鉄道については,東北,上越,長野,東海道新幹線,関東地方のJR等の各線で点検のための運転中止が発生した。
 文教施設では,国立学校施設2校,公立学校施設24校,社会教育・体育,文化施設等3施設,文化財等2件,研究施設等2施設に被害が発生した。
(2)国等の対応状況
 地震発生後ただちに,各省庁の防災担当者が官邸危機管理センターに参集し,警察,消防,自衛隊,海上保安庁,国土交通省などのヘリコプターからの映像等により迅速な情報収集を行うとともに,内閣府の地震防災情報システム(DIS)を稼働させて,建物被害や人的被害などを推計し,概括的な被害規模の把握に努めた。また,官邸危機管理センターに参集した関係省庁の局長級職員などによる緊急参集チームにより,収集された情報を集約・確認することにより,政府として被害の実態把握と対応方針の決定を早期に行うことができた。
 7月23日21時30分及び7月25日17時に,内閣府において災害対策関係省庁連絡会議を開催し,被害状況や各省庁の対応状況についての情報を共有し,今後の対応を確認した。
 また,7月28日,都市型震災対策関係省庁局長会議を開催し,都市型震災に対する対策を一層推進するため,震度情報,鉄道運行,エレベーター等に関することについて,検討すべき課題及びその対策の検討状況を取りまとめ,関係省庁間での情報共有・連携推進を図った。
 内閣官房は,7月23日17時5分,官邸対策室を設置した。
 内閣府は,7月23日17時,情報対策室を設置し,関係機関から情報収集を行うとともに,官邸,関係省庁との情報連絡を行った。
 警察庁は,発生直後から連絡体制を強化,7月23日17時6分には災害警備本部を設置して,関連情報の収集,関係機関との連絡調整等に当たった。また,機動警察通信隊は災害発生直後から警察通信の確保に当たり,ヘリコプターテレビシステム等を使用して,警察庁,官邸等へ危機管理上重要な現場映像の伝送等を実施した。
 防衛庁は,7月23日17時5分,災害対策室を設置し,自衛隊航空機10機により偵察活動を実施した。
 消防庁は,7月23日17時2分,災害対策本部を設置し,関係機関との連絡調整に当たった。
 海上保安庁は,7月23日17時5分,災害対策本部を設置し,巡視船艇23隻,航空機2機により被害状況調査を実施した。
 総務省は,7月23日17時10分,省内の連絡体制を整備した。
 文部科学省は,7月23日17時15分,災害情報連絡室を設置し,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,児童生徒の安全確保及び二次災害の防止等適切な対応をとるよう指示した。
 厚生労働省は,7月23日17時10分,災害対策本部を設置した。
 農林水産省は,7月23日16時45分,省内各局庁の連絡体制を整備した。
 経済産業省は,7月23日17時11分,防災連絡会議を設置した。
 国土交通省は,7月23日16時35分に非常体制をとり,ヘリコプターの活用等による情報収集を実施した。
 国土地理院は,7月23日17時30分,災害対策本部を設置し,電子基準点観測データの緊急解析を実施した。
 気象庁は,地震情報等の発表に万全を期し,防災関係機関や住民に対して適宜適切に情報を提供した。

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