3−2 梅雨前線による大雨



3−2 梅雨前線による大雨

(1)災害の状況
 6月下旬から7月中旬にかけて日本付近に停滞した梅雨前線の影響により各地で大雨となった。
 6月27日から7月4日にかけては,朝鮮半島から本州付近に延びた梅雨前線の活動が活発となり,九州北部から東北地方の広い範囲で大雨となった。6月28日には日本海から北陸,東北地方南部に延びた梅雨前線の影響で北陸地方を中心に日降水量が200㎜を超えた。7月3日には朝鮮半島から西日本に延びた梅雨前線の影響で山口県と愛媛県で日降水量が200㎜を超えた。また,7月8日から12日に九州地方から東北地方南部で大雨となり,大分県と熊本県ではこの期間の降水量が400ミリを超えた。
 これらの大雨により,死者12名,負傷者13名,住家全壊7棟,住家半壊5棟,住家一部破損24棟,床上浸水420棟,床下浸水3,819棟の被害が発生した。
 土砂災害については,土石流22件,地すべり4件,がけ崩れ180件が発生した。
 河川については,新潟県管理の二級河川鯖石川水系鯖石川で計画高水位を超えたほか,多数の河川で警戒水位を超え,一部は危険水位に達し,各地で浸水被害等が発生した。
 ライフライン関係においては,新潟県,大分県等各地で1,796戸の上水道が断水した。
 道路については,高速自動車国道,一般国道,都道府県道,有料道路等232区間で通行規制が行われた。鉄道については,全国各線で雨量規制等のために運休が発生した。
 公共土木施設では,河川3,080か所,砂防設備等271か所,道路(橋梁を含む)2,442か所,下水道2か所,公園3か所で被害が発生した。
 農林水産業関係では,農地4,150か所,農業用施設4,405か所,林地荒廃等547か所,林道等1,711か所に被害が発生した。
 文教施設では,国立学校施設1校,公立学校施設23校,社会教育・体育,文化施設等8施設に被害が発生した。
(2)国等の対応状況
 この災害について,平成17年9月6日閣議決定,9月9日公布・施行の「平成十七年六月二十七日から七月十五日までの間における梅雨前線による豪雨により発生した災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」により激甚災害として指定し,農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置等を適用した。
 内閣府は,6月28日12時30分,情報対策室を設置し,関係機関から情報収集を行うとともに,官邸,関係省庁との情報連絡を行った。
 警察庁は,6月28日17時,災害警備連絡室を設置するなどして,関連情報の収集,関係機関との連絡調整及び警察広域緊急援助隊の派遣調整等に当たった。また,機動警察通信隊は,災害警備活動に必要な警察通信の確保に当たった。
 防衛庁は,6月28日新潟県知事からの災害派遣要請を受け,6月28日から6月29日までに人員約60名,車両約20両により孤立住民の救助を実施した。また,7月10日大分県知事からの災害派遣要請を受け,7月10日から7月14日までに人員約220名,車両約30両により行方不明者捜索,給水支援を実施した。
 消防庁は,6月28日,情報収集体制を強化して,関係機関との連絡調整に当たった。
 総務省は,6月28日13時,省内の連絡体制を整備した。
 文部科学省は,6月28日12時40分,災害情報連絡室を設置し,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等適切な対応をとるよう指示した。
 厚生労働省は,6月28日12時48分,省内の連絡体制を整備した。
 農林水産省は,6月28日14時15分,省内連絡会議を設置した。
 経済産業省は,6月28日,省内の連絡体制を整備した。
 国土交通省は,6月27日19時に警戒体制をとり,排水ポンプ車,照明車を派遣した。
 気象庁においては,計28回の大雨に関する全般気象情報の発表(6月27日から7月12日まで),大雨等に関する警報・注意報の発表,防災関係機関への気象情報の伝達等を行うとともに警戒を促した。

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