次頁 独立行政法人消防研究所においては，斜面災害現場での救助・避難活動の安全確保のため，崩壊面の形状と地下水の流出状況を遠隔測定し，その変化を抽出して崩壊面の状態の変化を監視する手法について研究を行った。
３ 風水害対策
（1）斜面崩壊現場の二次崩壊危険度予測手法に関する研究
（2）豪雨，強風及び土砂災害の対策に関する研究
独立行政法人防災科学技術研究所においては，地すべり地形分布図の作成の推進，土砂災害の危険性評価に関する研究等を行い，これらの成果を基に土砂災害予測支援システムの開発及び災害に強い社会システムに関する実証的研究を推進した。
（3）都市複合空間水害の総合減災システムの開発に関する研究
文部科学省，独立行政法人港湾空港技術研究所，国土交通省国土技術政策総合研究所においては，科学技術振興調整費先導研究により，大都市域での津波・高潮・内水等の洪水災害に対する減災対策課題と解決策及び大都市の災害危険度を示し，大都市の複合都市空間が直面する水災害対策開発と防災担当者の対応能力向上に関する研究を行った。
（国費 159,577千円）
（4）豪雨時の山地災害対策に関する研究
独立行政法人森林総合研究所においては，次の研究を行った。
ａ ヒノキ人工林の崩壊防止機能解明のため，根の強度の定量的評価と３次元物理則モデルによる斜面崩壊危険地区判定手法の精度検証を推進した。
ｂ 山地災害現場のデータをもとに，崩壊土砂到達距離予測モデルに関する研究と，現場斜面崩壊実験により崩壊・流動化機構に関する研究を行った。
（5）北海道における風水害対策に関する研究
独立行政法人北海道開発土木研究所においては，次の研究を行った。
ａ 河川災害防除に関する研究
洪水の制御・予測・河道計画・堤防強化といったハード，ソフト両面での研究を進めるとともに，洪水発生時の危機管理システムの研究を行った。
ｂ 斜面災害防止に関する研究
積雪寒冷地における急崖斜面崩落等の災害を防止するため，岩盤崩落メカニズムの解析・検討，岩盤内地下水の挙動，岩盤風化が構造物及び環境変化へ及ぼす影響の把握，岩盤崩落監視警戒システム等に関する研究を行った。
ｃ 農地保全に関する研究
北 北海道特有の高位泥炭地帯において，農地の沈下対策に資するため，排水の進行に伴い経年的に生じた農地の沈下量を推定・把握するとともに，沈下量に影響する泥炭層の性状に関する研究を行った。
（6）のり面・斜面の崩壊・流動災害軽減技術に関する研究
独立行政法人土木研究所においては，集落および道路を保全対象に，斜面災害マネジメント，光ファイバーセンサーを活用した斜面崩壊モニタリングのためのマニュアル（案）の作成を行ったほか，災害危険度予測技術の開発，総合的な泥流ハザードマップ作成技術の開発，のり面・斜面保全工の最適配置・設計手法の開発のための研究を行った。