1 いつどこでも起こりうる大災害への備え



第1部 災害の状況と対策

序章 迫りくる巨大地震と「備え」を実践する国民運動の展開へ

1 いつどこでも起こりうる大災害への備え

 平成16年は,巷間「災」の年と言われるほど,記録的な災害により全国各地で甚大な被害が発生した。
 [1] 阪神・淡路大震災以来となる最大震度7を観測した新潟県中越地震の発生。
 [2] 観測史上最多の19個の台風の接近(年平均10.8個),10個の上陸(年平均2.6個)。
 [3] 新潟や福井など,日降水量400mm以上の集中豪雨が観測史上最多の30回発生。
 これら自然災害による年間の死者・行方不明者数は306名にのぼった。年間300名を超えたのは,平成7年(6,436名の犠牲者を出した阪神・淡路大震災),平成5年(230名が犠牲となった北海道南西沖地震)を除くと,昭和58年以来およそ20年ぶりとなり,改めて日頃からの「備え」の重要性が,国民の大きな関心事となった。
 新潟県中越地震では,国は,阪神・淡路大震災の教訓を活かし,迅速かつ連携のとれた応急・復旧活動をに努めた。一方で,中山間地域における孤立集落への支援等,新たな課題もみられた。また,一連の風水害では,情報伝達や高齢者等の避難支援が大きな課題となった。昨年の災害の状況や課題,対応については次章以下で記述する。

過去30年の地震と海溝型巨大地震などの震源域

 本年3月には,これまで地震活動があまり活発でなかった九州北部の福岡県西方沖で最大震度6弱の地震が発生し,玄界島を中心に甚大な被害が発生した。世界でも希有の多様な災害の巣にある日本列島に生きる我々は,いつどこでも起こりうる地震や台風等の自然の脅威の発生から逃れることはできない。しかし,災害による被害を軽減することは可能である。災害の教訓に学び,国,地方公共団体,民間部門,地域コミュニティ,国民の一人ひとりまで,あらゆる主体が「備え」を実践していかなければならない。 


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