2−2 防災施設設備の整備



2−2 防災施設設備の整備

(1)地域防災拠点施設の整備
 内閣府においては,地域防災拠点施設の整備を図るため,舞鶴市(京都府),鈴鹿市(三重県)等8箇所の地域防災拠点施設整備モデル事業に対して補助を行った。
(事業費 3,460,896千円  国費 803,257千円)
(2)地震防災情報システム(DIS)の整備
 内閣府においては,地震防災情報システム(DIS)について,応急対策を支援するシステムの充実・強化や交通・通信網の途絶等により被害状況の把握が極めて困難な大規模地震災害発生直後の実情報の収集,及び被害の全体把握を可能とする,人工衛星等を活用した被害早期把握システム開発の具体的検討等を行った。
(国費 537,049千円)
(3)郵政事業庁における対応
 郵政事業庁においては,既存の郵便局舎等の耐震点検調査を実施し,必要と認められる施設について,補強工事等の耐震対策を実施した。
(国費 1,296,972千円)
(4)公共施設等耐震化事業の推進
 総務省及び消防庁においては,地震等の大規模災害発生時の被害を軽減し,住民の安全を確保できるよう,公共施設等耐震化事業として地方債及び普通交付税措置を講ずることにより,地方公共団体が行う防災対策拠点となる公共施設や地域防災計画上の避難所とされている公共施設等の耐震化を推進した。
(5)大震火災対策施設等の整備
 消防庁においては,震災時に予想される同時多発火災に対処し,初期消火,避難誘導等を促進するため,耐震性貯水槽,震災初動対応資機材等の整備について,地方公共団体に対し補助を行った。
(事業費 6,105,560千円  国費 3,049,488千円)
(6)国立学校施設の整備
 文部科学省においては,地震による建物への被害等を防止し,学生等の安全性を確保するため,校舎等の耐震補強整備を行い,防災機能の強化を図った。
(国費 145,699,292千円)
(7)公立学校建物の改築及び補強の整備
 文部科学省においては,公立学校の防災機能の強化のため,次の施策を行った。
(事業費 354,877,577千円  国費 151,742,183千円)
a 公立の小中学校の改築や耐震補強等の整備を優先的に補助採択するとともに,「地震防災緊急事業五箇年計画」等の円滑な実施を図るため,早期実施を指導した。
(事業費 353,943,000千円  国費 151,305,000千円)
b 浄水型プール等の整備並びに学校給食施設の防災機能の整備を図った。
(事業費 934,577千円  国費 437,183千円)
(8)私立学校施設の整備
 文部科学省においては,私立学校の施設について,防災機能の強化のための施設整備事業に対し補助を行った。
(事業費 3,880,000千円  国費 1,490,000千円)
(9)社会体育施設の整備
 文部科学省においては,水泳プールに貯められた水を活用し,災害時における飲料水及び生活用水を確保するため,浄水機能を有する水泳プールの整備促進を図った。
(事業費 498,400千円  国費 249,200千円)
(10)国立病院等の施設整備
 厚生労働省においては,国立病院・療養所について,建物の倒壊を防止するための耐震強化等の整備を行った。
(国費 1,942,300千円)*
(11)海岸保全施設の整備
a 農林水産省,国土交通省においては,地震・津波対策として,三陸地域,東海地域等を対象に,堤防・護岸等の整備や水門等の海岸保全施設の効率的な管理制御を行う「津波・高潮防災ステーション」の整備を行った。
b 国土交通省においては,地震・津波対策として,ゼロメートル地帯等における海岸堤防等の耐震対策や,釜石港等における津波防波堤の整備を行った。
(12)官庁施設の耐震補強等整備
 国土交通省においては,官庁施設の総合耐震診断結果に基づき,中央合同庁舎第3号館等の緊急性の高い要整備施設9件の耐震補強等整備を行った。
(国費 4,859,259千円)
(13)建設機械の整備
 国土交通省においては,災害時の緊急輸送路確保等に必要な機械として,パトロールカー,対策本部車,照明車等を整備し,合計約1,300台の配備体制を整備した。
(事業費 4,290,000千円  国費 2,522,000千円)
(14)地域一体型防災街づくり(広域防災街づくり)推進事業
 国土交通省においては,東京都北区浮間地区において,下水処理場上部を活用した公園整備と併せた広域防災拠点の整備の促進を図る地域一体型防災街づくり推進事業を実施した。
(事業費 120,000千円  国費 40,000千円)
(15)震災に強いまちづくりの推進
 国土交通省においては,震災に強いまちづくりを図り,次の事業を実施した。
a 都市の防災性向上のための根幹的な公共施設の整備
(a)避難地及び防災活動の拠点として機能する都市公園を整備するため,三木総合防災公園等で公園事業を実施した。
(事業費 116,397,000千円  国費 44,416,000千円)
(b)防災公園予定地を避難地等として先行取得し,防災上最小限必要な施設の整備を行う防災緑地緊急整備事業を小笹中央公園(福岡市)等において実施し,都市公園予定地の取得を行う地方公共団体に対し都市開発資金約23億円の貸付けを行うとともに,施設費補助を行った。
〔融資額 2,265,000千円〕
(事業費 380,000千円  国費 190,000千円)
(c)避難路として活用される都市計画道路を整備するため,環状8号線等で街路事業を実施した。瑞江駅西部地区(東京都区部)等においては,避難地・避難路の整備を都市の防災構造化と併せて行うため土地区画整理事業等を実施した。また,道路の未整備による消防活動の困難な区域の解消を図るため,三大都市圏等の密集市街地において街路事業を実施した。
(事業費 214,186,000千円  国費 112,462,000千円)
(d)これらと関連して,避難地として都市機能更新用地,街路予定地及び都市公園予定地等の取得を行う地方公共団体に対し,都市開発資金約58億円(防災緑地緊急整備事業に係る23億円を除く。)の貸付けを行った。
〔融資額 5,767,000千円〕
(e)東京都江東区等について,防災拠点の整備を図るため,亀戸・大島・小松島地区等において市街地再開発事業を実施した。
(事業費 814,000千円  国費 347,000千円)*
 *は,b 災害に強い都市構造の形成(c)に計上した予算の内数。
  また,防災拠点整備の一環として,白髭西公園において,公園事業を実施した。
(事業費 150,000千円  国費 60,000千円)
b 災害に強い都市構造の形成
(a)災害危険度判定調査,住民等のまちづくり活動支援,地区内の道路・公園等の整備や避難地・避難路周辺等の不燃化を図る都市防災総合推進事業を平和の森公園周辺地区(東京都中野区)等において実施した。
(事業費 1,572,000千円  国費 756,000千円)
(b)三大都市圏等の木造密集市街地等において,安全な市街地の形成を図るため,都市再生区画整理事業を実施した。
(事業費 8,139,000千円  国費 3,521,000千円)
(c)低層木造建築物の密集した既成市街地において,都市災害を防止し,土地の合理的利用と建築物の耐震不燃化を図るため,市街地再開発事業等を全国で実施した。
(事業費 243,350,332千円  国費 41,341,474千円)
(d)まちづくり総合支援事業において,耐震性貯水槽,備蓄倉庫,避難空間等の地域の防災のために必要な施設の整備を実施した。
(16)下水道における震災対策
 国土交通省においては,新耐震基準に基づく下水道施設の整備,改築を実施するとともに処理場や幹線管きょのネットワーク化を推進した。また,緊急時に下水処理水等消防用水や雑用水として活用するための高度処理施設等の整備,下水道管きょを利用した情報通信網の整備,下水処理場等の避難地等としての活用等を推進した。
(17)河川施設の整備
 国土交通省においては,河川事業による震災対策として,一級河川の堤防,護岸等の耐震対策を行うとともに,高水敷に震災時の救援,復旧活動等に利用可能な緊急用河川敷道路の整備等を行った。
(18)土砂災害に対する整備
 国土交通省においては,地震に伴う土砂災害を防止するため,次の措置を講じた。
a 地震による山腹斜面の崩壊等が多発する危険性の高い地域や,土砂災害の危険箇所が集中して存在する都市部における砂防事業,地すべり対策事業,急傾斜他崩壊対策事業を実施した。
b 土砂災害に対する安全性を高め,緑豊かな都市環境と景観を保全・創出することを目的に,市街地に隣接する山麓斜面にグリーンベルトとして一連の樹林帯の形成を図る「都市山麓グリーンベルト整備事業」を砂防事業等により実施した。
c 現行の設計基準を満たさない砂防設備の補強対策,取水用ピットの整備,緊急路として使用可能な管理用通路の整備を実施した。
(19)道路における地震対策
 国土交通省においては,代替性・多重性に配慮した幹線道路ネットワークの整備を行うとともに,緊急輸送道路のうち,対策を要する橋梁の耐震補強等の震災対策を実施した。また,ライフライン共同収容施設としての共同溝,電線共同溝の整備を行った。
(事業費 131,732,000千円  国費 44,009,000千円)
(20)住宅市街地の防災性の向上の推進
 国土交通省においては,住宅市街地の防災性の向上を図るため,次の事業を実施した。
a 住宅地区改良事業等
 不良住宅が密集した地区の環境の整備改善を図るため,板橋区大谷口上町地区等において,住宅地区改良事業等を実施した。
(事業費 43,769,000千円  国費 26,008,000千円)
b 住宅市街地整備総合支援事業
 住宅建設と道路,公園等の公共施設の整備を一体的・総合的に行うため,江東区東雲地区等において,住宅市街地整備総合支援事業を実施した。
(事業費 195,317,000千円  国費 66,671,000千円)
c 密集住宅市街地整備促進事業
 老朽建築物等が密集し,防災上危険な住宅市街地の整備を進めるために,足立区関原一丁目地区等において,密集住宅市街地整備促進事業を実施した。
(事業費 30,420,000千円  国費 15,550,000千円)
(21)既存の鉄道構造物の耐震補強
 国土交通省においては,鉄道の安全確保等を図るために鉄道事業者が緊急的に実施する鉄道構造物の耐震補強に要する費用に対し補助を行った。
(国費 225,102千円)
(22)港湾の大規模地震対策
 国土交通省においては,災害に強い港湾システムを構築するため,次の整備を行った。
(事業費 31,899,184千円  国費 17,979,480千円)
a 耐震強化岸壁の整備
 大規模な地震が発生した際に,緊急物資等の輸送機能及び幹線貨物輸送機能を確保するため,名古屋港等36港で耐震強化岸壁の整備を行った。
b 臨海部防災拠点等の整備
 被災地の復旧・復興の支援拠点として,臨海部の防災拠点を整備するとともに,市民の生活を守るための避難緑地の整備を実施しており,川崎港等31港で防災拠点緑地を,千葉港等29港で避難緑地の整備を行った。
c 既存岸壁の液状化防止対策の実施
 東京港等4港で既存岸壁の液状化防止対策を実施した。
(23)空港・航空保安施設の震災対策
 国土交通省においては,空港・航空保安施設の耐震対策を強化するため,既存施設の耐震補強および管制施設の多重化を行った。
(国費 1,464,065千円)
(24)地震観測施設の整備等
 気象庁においては,地震,津波による災害の防止・軽減を図るため,主に次の整備等を行った。
(国費 2,687,991千円)*
a 地震津波監視システムの更新
 地震・津波に関する的確な防災情報を提供するための地震津波監視システムの更新を行った。(沖縄)
b 地震活動等総合監視システムの改良更新
 全国の地震活動,東海地域の地震・地殻運動を監視し,より迅速かつ的確な地震・津波情報を作成,伝達するため,地震活動等総合監視システムの改良更新を推進した。
c 地震調査観測データ収集一元化システムの強化
 地震に関する調査研究を推進するため,地震調査研究推進本部の計画に基づき文部科学省が整備を進めている地震に関する基盤的調査観測網のデータ収集のためのシステム強化等,業務体制を強化した。(気象庁本庁(東京))
d 遠隔自記検潮装置の更新
 地盤の異常傾斜及び昇降に伴う地殻変動を検潮記録により常時監視するとともに,津波の状況を迅速かつ的確に把握するため,検潮所の遠隔自記検潮装置を更新した。(新潟,西郷)
e 緊急地震速報対応型地震計の整備
 東海地震が切迫している東海地域や今世紀前半に海溝型地震の発生が予想される東南海・南海地域などに緊急地震速報対応型の新しい地震計を整備し,緊急地震速報の提供体制を整えた。


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