3−9 平成15年から平成16年にかけての雪害



3−9 平成15年から平成16年にかけての雪害

(1)災害の状況
 本州日本海側では,平成16年1月上旬までは強い寒気が南下することは少なく,暖冬傾向で推移したため,少雪傾向であった。その後1月中旬以降次第に寒気が入りやすくなり,1月下旬,2月上旬には西日本を中心に強い寒気が入り,まとまった降雪となった。その後2月中旬以降は再び高温傾向で推移し,雪の量は少なかった。
 北海道は暖冬傾向であるものの,低気圧の影響を受けることが多く,北海道東部を中心に雪の量が多くなった。例えば1月中旬には北見市で最深積雪171cm(1月16日),2月下旬には網走市で最深積雪143cm(2月23日)と最高値の記録を更新するなど,発達した低気圧の影響を受け,まとまった降雪になった。
 これらの降雪等により,北海道,東北及び北陸を中心に被害が発生し,死者22名,負傷者265名,住家全壊1棟,住家一部破損56棟,床上浸水4棟,床下浸水27棟の被害となった。
 ライフライン関係においては,平成16年1月13日から16日にかけての暴風雪により北海道電力管内で最大1,890戸,2月23日の暴風雪により北海道,東北電力管内で最大24,890戸,3月6日の暴風雪により東北電力管内で最大82,020戸が停電となったほか,上水道については,1月13日から25日にかけ,全国で最大約35,000戸が断水した。
 電気通信関係では,ケーブル断線により,北海道の一部地域で固定電話及び携帯電話が不通となった。
 道路については,高速自動車国道で最大15路線,国道及び県道等で最大227か所において通行規制が行われた。
 鉄道については,北海道,東北,北陸及び中国地方のJR等各線で運休が発生した。
 農林水産業関係では,北海道,九州地方を中心として,ハウス,農作物等に約50億円の被害が発生した。
 文教施設では,公立学校施設17校で被害が発生した。
平成15年から平成16年にかけての雪害写真

(2)国等の対応状況
 平成16年1月31日,佐藤内閣府副大臣を団長とする関係省庁合同現地調査団4府省庁10名を北海道に派遣し,現地での被害の状況把握や現地からの要望聴取を行った。
 内閣府は,関係機関から情報収集を行うとともに,関係省庁との情報連絡や災害対応の調整を行った。
 警察庁は,関係機関と連携してパトロールや広報啓発活動を推進した。
 防衛庁は,北海道知事からの災害派遣要請を受け,1月16日から24日までに人員約260名,車両約130両により,孤立者救助,排雪支援等を実施した。また島根県知事からの災害派遣要請を受け,1月23日から24日までに人員約20名,車両約20両により,給水支援活動を実施した。さらに北海道知事からの災害派遣要請を受け,2月23日から24日までに人員約70名,車両約10両により,行方不明者の捜索を実施した。
 消防庁は,被害が発生した各道県からの情報収集を実施した。
 総務省は,除排雪経費について,積雪の差による地域区分に応じて普通交付税を措置するとともに,豪雪等により除排雪経費が増嵩している団体については,特別交付税措置を講じた。
 文部科学省は,教育委員会等の関係機関からの被害情報を収集するとともに,適切な対応をとるよう指導を行った。
 厚生労働省は,関係道県及び水道事業体から被害,復旧状況について情報収集を行うとともに,適切な対応を指示した。
 農林水産省は,1月29日,被害農業者等に対する経営資金等の融通及び既貸付金の償還猶予等が図られるよう,関係金融機関に依頼した。
 国土交通省は,道路交通の安全を確保するため,適宜適切な通行規制及び情報提供を行うとともに,直轄国道の除雪を実施し,あわせて,地方公共団体の要請に応じ,関連する市町村道の除雪支援を実施した。また,各空港に配備されている除雪機材を全て投入して除雪を実施するとともに,東京航空局及び大阪航空局を通じ,全国の空港事務所に対して空港除雪に万全を期すよう指示した。
 気象庁は,降雪の状況を把握・予測し,大雪警報・注意報等を発表し,適宜警戒の呼びかけを行った。


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