9 その他の災害対策



9 その他の災害対策

(1)材料安全使用のための材料リスク情報プラットフォームの開発

 独立行政法人物質・材料研究機構では,材料リスク情報プラットフォームのシステムの概念設計,簡易検索システムを構築した。また,材料使用事例データベースの研究開発に関し,オーステナイト鋼の金属組織変化観測を開始し,極限環境材料回避技術の開発では極低温疲労強度の表面加工傷や表面粗さの影響を評価した。その他社会リスク調査研究,実機使用環境再現による材料劣化・損傷研究,設備診断支援システムの研究開発などを進めた。

(2)地球科学技術に関連した防災科学技術

 独立行政法人防災科学技術研究所においては,次の研究を行った。
a 全球水文過程における災害予測に関する研究
 温暖化等気候変動に伴う災害の未然防止に資するため,全球水文過程変化と災害ポテンシャルを予測するための数値シミュレーションモデル等を利用して,日本とアジア域における今後の水災害の長期変動評価研究を行った。また,水害等に対する人間行動の対応技術を高度化するための,高度な風水害防災情報支援システムの開発を行った。
b 衛星搭載レーダー等による災害・地球環境変動の観測研究
 地球規模の環境変動を広域的に把握するシステムの構築に資するため,マイクロ波によるリモートセンシング技術の研究を行った。

(3)労働災害防止に関する研究

 独立行政法人産業安全研究所においては,産業用機械・設備等の破壊・倒壊災害,誤作動等による災害,爆発災害等,各種災害を防止するため,次の基礎的,応用的研究を行った。
a 化学プロセスにおける爆発災害防止技術に関する総合的研究
b 生産・施工システムの総合的安全制御技術の開発に関する研究
c 建設機械の保持管理システム高度化のための損傷評価技術の開発
d 建設労働災害の発生原因としてのヒューマンエラー防止に関する研究
e 機能性流体によるロボット制御技術に関する研究
f 支持地盤の不安定要因による移動式クレーンの転倒防止に関する研究
g 土石流流下シミュレーション手法の開発に関する研究
h 鋼矢板控え壁を使った自立式土留工の安全性の確保及び向上
i 強風時における支柱式足場の倒壊防止に関する研究
j 微粒子粉体の発火・爆発危険性に関する研究
k 等価リスク曲線による被害低減評価に関する研究

(4)機能性金属粉体の静電気による爆発危険性の解明に関する研究

 独立行政法人産業安全研究所においては,科学技術振興調整費重点基礎研究により,静電気による機能性金属粉体の爆発危険性の解明に関する基礎的研究を行った。

(5)化学物質安全特性予測基盤の確立に関する研究

 独立行政法人産業安全研究所においては,科学技術振興調整費知的基盤整備推進制度により独立行政法人産業技術総合研究所等と共同実施の,化学物質安全特性予測基盤の確立に関する研究において,爆発燃焼反応挙動の解明に関する研究を実施した。

(6)漁船の転覆事故防止に関する研究

 独立行政法人水産総合研究センターにおいては,漁船の省エネルギーのための船型改良に伴う転覆事故防止のための研究を行った。

(7)気候変動に関する研究

 独立行政法人水産総合研究センター,気象庁,気象庁気象研究所においては,気候モデルの高度化に資するため,科学技術振興調整費により「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究」を行った。

(8)鉱山保安技術に関する研究

 独立行政法人産業技術総合研究所においては,坑内保安用品の試験検定基準の検討,坑内作業環境保全に関する調査研究を行った。

(9)鉱山保安技術対策に関する研究

 金属鉱業事業団において,高効率廃水処理技術,坑廃水最適中和処理システム技術の鉱害防止技術に関する調査研究を行った。 (国費 42,947千円)

(10)少子高齢社会における災害に係る構造分析と情報資源の活用に関する研究

 国土交通省国土技術政策総合研究所においては,少子高齢時代における災害対応に関し,地域社会における災害に対する社会構造の変化を明らかにするとともに,少子高齢の地域社会に有効な災害対応情報の提供手法に関する研究を行った。 (国費 12,705千円)

(11)リアルタイム災害情報技術の高度化に関する研究

 国土交通省国土技術政策総合研究所においては,地震や洪水等の広域災害において,情報技術を活用して災害の発生予測や発災後の状況を迅速・的確に把握し,災害対策や避難誘導のためのリアルタイムな情報共有や提供を行うことにより,被災地における被害の低減や応急復旧,救援活動を支援するシステムの開発に関する研究を行った。 (国費 30,000千円)

(12)多国間共同研究

 国土交通省国土技術政策総合研究所及び独立行政法人建築研究所においては,国内外の性能評価モデル・建築規制制度等の検討を行い,建築物の基準に係わる合理的な性能評価法・表示法の標準化等を国際的な協調の下に作成するための研究を行った。 (国費 6,380千円)

(13)まちづくりにおける防災評価・対策技術の開発

 国土交通省においては,これまでの延焼遮断帯・避難地・避難路対策などの都市の骨格を形成する防災対策に加えて,地区レベルでの防災性能の評価手法の開発・整備により,地区の防災性能向上のための効果的対策技術,並びにまちづくりにおける支援技術などの研究開発を行った。 (国費 109,577千円)

(14)先端技術を活用した国土管理技術の開発

 国土交通省においては,防災,災害対策,環境保全等の課題に対し,GISやセンサーなどの先端技術を活用した国土全体に対する広域的かつ定常的な監視・管理を実現する国土管理技術の高度化のための研究開発を行った。 (国費 87,337千円)

(15)災害等に対応した人工衛星利用技術に関する研究

 国土交通省においては,人工衛星技術を活用した災害情報・環境情報の収集,建設分野における情報活用技術を利用して,リモートセンシングの建設分野での実用・普及に関する研究を行った。 (国費 143,260千円)

(16)海面境界物理モデルに基づく浅海域波浪予測

 国土交通省国土技術政策総合研究所においては,内湾などの沿岸域における出現波浪を高精度に予測できる手法を確立するため,科学技術振興調整費若手任期付研究員支援制度により,海面境界物理モデルに基づいた浅海域波浪予測手法に関する研究を実施した。 (国費 18,385千円)

(17)地球科学技術に関連した防災科学技術

 独立行政法人国立環境研究所においては,地球温暖化やオゾンホールの形成に関与する対流圏及び成層圏の各種微量気体成分のモニタリング技術の高度化・精緻化に資するため,「地球環境遠隔探査技術等の研究」の一環として,「イメージングフーリエ変換赤外分光計に関する研究」を行った。


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