1−7 芸予地震に対してとった措置



1−7 芸予地震に対してとった措置


(1) 緊急参集チーム会議及び災害対策関係省庁会議の開催

 3月24日16時40分及び同日17日40分の2回,関係省庁の局長級職員が官邸に参集し,緊急参集チーム会議を開催した。また,内閣府において同日18時00分災害対策関係省庁連絡会議を開催し,[1]関係機関は今後とも迅速かつ的確に情報の収集・伝達を行い,関係地方公共団体を含め,緊密な連携を図り,警戒などに万全を期すること,[2]事態の推移に応じ必要があれば,災害対関係省庁連絡会議を開催する等,関係省庁の連携を密にしていくこと,等を確認した。

(2) 政府調査団の派遣

 3月29日,内閣府山崎大臣政務官(当時)を団長とする15省庁37名の政府調査団を広島県(県庁,呉市),愛媛県(県庁,松山市,今治市)の両県に派遣し,被害・復旧の状況及び国への要望を聴取した。

(3) 内閣府における対応

a 3月24日15時40分「災害対策室」を設置し,関係機関から情報収集を行うとともに,被害及び対応状況をとりまとめ,官邸,関係省庁に伝達した。また,同日内閣府情報先遣チームを現地に派遣するとともに,25日内閣府坂井副大臣(当時)及び国土交通省今村政務官(当時)を被害状況の調査のため広島県へ派遣した。
b 被害者生活再建支援法の適用
 広島県呉市に被害者生活再建支援法を適用した。

(4) 防衛庁における対応

 防衛庁は,航空機による航空偵察,関係地方公共団体への連絡要員の派遣等を行うとともに,3月24日に広島県知事から,25日には山口県知事から災害派遣の要請を受け,24日から27日までの間,給水支援,救援物資の貸与等を実施した。

(5) 警察庁等における対応

 警察庁及び関係管区警察局においては,「災害警備本部」等を設置して,情報の収集及び関係機関との連絡調整等に当たった。また,機動警察通信隊は,固定衛星通信設備を活用するなどして,応急通信回線の確保を図った。
 広島県その他関係府県警察では,「災害警備本部」等を設置して,救出救助活動,住民の避難誘導及び交通規制等に当たった。

(6) 特設公衆電話の設置等

 西日本電信電話株式会社においては,被災者の安否確認のために災害用伝言ダイヤルを運用した。
 株式会社NTTドコモ中国においては,避難所1箇所に携帯電話10台を無償で配備した。

(7) 郵政事業庁における対応

a 被災世帯に対し,郵便葉書及び郵便書簡を無償交付した。
b 被災者が差し出す郵便物の料金免除を行った。
c 郵便貯金,郵便為替等の非常取扱いを実施した。
d 被災地の郵便局において,簡易保険の保険金及び貸付金の非常即時払,保険料払込猶予期間の延伸等の非常取扱いを実施した。

(8) 消防庁等における対応

 消防庁は,平成13年3月24日に災害対策本部を設置するとともに,情報収集のため,緊急消防援助隊に出動を要請し,緊急消防援助隊航空部隊を含む11機の消防防災ヘリコプターが出動した。また,中国ブロックの緊急消防援助隊地上部隊が出動待機した。翌25日,消防庁長官をはじめとする先遣チームを現地に派遣した。

(9) 財務省における対応

a 申告,納付等の期限の延長
 災害により,国税の申告,納付等をその期限までに行うことができないと認められる納税者について,その申請に基づき,災害によるやむを得ない理由のやんだ日から2ヶ月以内の日を期日として指定し,国税の申告,納付等の期限を延長した。
b 納税の猶予
 災害により,その財産に相当の損害を受けた納税者及び国税を一時に納税することができないと認められる納税者について,その申請に基づき,1年以内の期間に限り,その国税の全部又は一部の納税を猶予した。
c 国税の軽減免除等
 災害により,住宅,家財,事業用資産等に損害を受けた納税者について,その申請等に基づき,国税の軽減免除等を行った。

(10) 文部科学省における対応

 文部科学省においては,児童生徒の安全確保を最優先するとともに,市町村を支援するよう関係の県教育委員会に指示した。地震調査研究推進本部地震調査委員会の臨時会を開催し,地震活動の現状に関して評価し,その結果を公表した。

(11) 厚生労働省における対応

 広島県においては,広島市,呉市,三原市,安芸郡下蒲刈町,安芸郡蒲刈町,佐伯郡宮島町,賀茂郡河内町,豊田郡川尻町,豊田郡豊浜町,豊田郡豊町,豊田郡大崎町,豊田郡東野町,豊田郡木江町に,また愛媛県においては,今治市に災害救助法を適用し,避難所の設置,炊き出しなどによる食品の給与,被服・寝具等生活必需品の給与等を実施した。

(12) 農林水産省における対応

 農林水産省では,中国四国農政局に瀬戸内海安芸灘を震源とする地震災害対策本部を設置した。また,担当官等を現地調査のため広島・山口・愛媛県下に派遣した。

(13) 国土交通省における対応

a 3月24日,国土交通本省において非常体制を発令するとともに,災害対策用ヘリコプター2機を中国地方及び四国地方へ派遣し,被害状況の把握に努めた。
b 3月25日,大臣政務官が広島県の被災現地を調査するとともに,3月24日から27日に,土木研究所,建築研究所,港湾技術研究所の研究官等を現地へ派遣した。また,3月27日から28日に,緊急現地調査として広島県,山口県,愛媛県に対して災害査定官等を派遣した。
c 国土地理院においては,電子基準点による地殻変動の観測及び解析を実施した。
 また,政府調査団員として被災状況の調査を行った。

(14) 海上保安庁における対応

 海上保安庁においては,本庁に対策室,第六管区海上保安本部に対策本部を設置,航空機延べ68隻、巡視船艇延べ11機を派遣し、被害状況調査、付近航行船舶に対して注意を喚起するための航行警報を発出した。また,被害を受けた灯台等の応急措置を行い,船舶交通の安全確保に万全を期した。


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